地面に倒れるテルと拗ねているアヤ。
「そうだな。まずはスッコジュース10本とエルバ草3つ貰えるかな?」
ショウは両手に持っていたものを地面に置いてゴウにそう話した。
「これ何?」
テルが倒れながら、ショウが置いたもののうちの1つの謎の球体を触りながらそう聞く。
「あぁ、これはフォレ・ビーの巣の一部だよ。」
ショウの説明にびくっとなり巣から離れ、急いで起き上がるテル。
「何してんの?」
「いや、だって蜂の巣って怖くね?」
テルがそう言うとショウは笑う。
「フォレ・ビーはいないよ、ソグノの蜂は大きすぎて巣の中に入らない。ただの貯蔵庫のようなものさ。」
ショウの説明にテルは安心していた。
「合計で290ユニタですわい。」
ショウは銀の硬貨を2枚と銅の硬貨を9枚渡した。
「あと、トラベラーバッグが欲しいんだけど、えっと二つ。」
「おうおう、分かりましたわい。」
そう言ってゴウが巨大なリュックの中をあさる。
「二人とも手ぶらじゃまずいだろ?必要最低限なものは自分で持ち歩いて貰うよ。」
ショウがそう言う後ろで、ゴウが様々なバッグを取り出す。
テルもアヤも初めてみるトラベラーバッグの豊富な種類に迷いながらもそれらを物色する。
その横ではゴウとショウが世間話をしながらいろいろと売り買いを続けていた。
結局、アヤは赤のウエストバッグを選び、テルは黒のショルダーバッグを選んだ。
「二人の代金は、これでどうかな?フォレ・ビーの巣。加工量込みでもなかなかの代物だと思うよ。」
そう言ってさっき持ってきたフォレ・ビーの巣をゴウに渡す。
「えぇ、いいですわい。この大きさなら釣りがでますわい。」
そう言って嬉しそうにゴウはフォレ・ビーの巣を受け取った。
「じゃあ、遅くなったけど今日の取引はこれで終わりだ。」
「まいどありですわい。」
そう言いながらゴウは荷物をまとめる。
「それではわいはこのままレグノ王国へと向かいますわい。」
そう言って再びリュックを背負うゴウ。
「え、でも夜は危ないんじゃ。」
テルがそう言うとゴウはにっこりと微笑み歩き出す。
「商売人Gトラベラーズを舐めてはいかんですわい。」
そう言い残し、笑顔で手を振るとゴウは森の中へと姿を消した。
「さてと、俺らも晩御飯の準備でも始めるか。」
ショウの言葉にテルとアヤも立ち上がり、晩御飯の準備を始めた。