「何だ?」

迷路の壁が再び動き始めたことに驚くショウとマユ。

しかし今回は徐々に下へと埋まっていき、迷路自体が無くなり、視界がどんどん広まっていく。

「迷路が……消えました。」

慌てる二人の元にアナウンスが聞こえてくる。

「見事、マチナ12討伐を成功いたしました。今回の試験はこれにて終了になります。エレベーターに乗り、1階受付カウンターまでお越しくださいませ。尚、怪我をされましたお客様はエレベーター前スタッフまでお申し付けください。」

「マチナ12を倒した?」

ショウが驚いて声をもらす。

「テル様とアヤさんがやったんですよ!!」

マユが意味を理解して喜ぶ。

そして迷路がなくなるとはるか遠くに座り込むアヤとテル、そして機能停止に陥ったマチナ12の姿が見えた。

「テル様とアヤさんです!!」

マユが嬉しそうに駆け出していく。

「本当にあの二人が倒したのか……」

ショウは信じられないといった表情をしながらも、あの二人だったら倒せないこともないとも考えていた。

ショウの頭の中ではテルの成長の早さに驚いているのである。

「テルさ……ん! アヤさん!」

マユがそう叫びながら二人の元へ走ってくる。

「ま…マユか…?」

テルははぁはぁと息を荒げながら、そのまま後ろに倒れた。

テルに支えられていたアヤがその上に倒れる。

「いたっ……」

その衝撃が腕に響いたのか小さくアヤが嘆く。

「はぁ……悪い……」

そう呟くテルも疲労が見える。

「大丈夫ですか?」

倒れた二人に驚いてマユが急いで走ってきた。

「俺は……大丈夫だ。アヤを……」

そう言ってテルはアヤの腕を指差す。

「は、はい。ヒール!」

マユがそう言って腕に触れ、魔法を唱え治療を行う。

「倒したのか、お前ら。」

後から追いついたショウがマチナ12を見つめながらそう聞いた。

「なんとか……」

テルはそう呟くと目を瞑る。

アヤを大切に抱えながらテルは疲れた体を休める。

ショウ「頑張ったな。」

ショウはそう言って微笑む。

しばらくしてアヤの治療を終えたマユがそのままテルの治療を行う。

それからしばらくして、どこかで映像を見ていたのかエレベーターから移動式ベッドを持ったスタッフが現れ、こちらへと駆け寄ってきた。