話題:二次創作小説
(my設定ばっかり本編後の記憶あるまま亜空にぶっ飛ばされたマザー組の話)
世界の全てが崩壊しかけた禁忌の事件。
ありとあらゆる世界が混沌と混ざりあい、ぐちゃぐちゃになった世界の欠片の一つで僕は彼の人と出会いました。
その時僕は悪夢の様な状況にありました。
かつて僕たちの世界を滅ぼそうとしたあの哀しくも恐ろしい存在が、あの時のなんら変わらぬまま僕に襲い掛かって来たのです。
かつて僕たちがその存在と戦う事になった時には心強い仲間たちが一緒にいました。
いつだって臆病な僕を明るく励ましてくれる頼もしい仲間たちでした。
彼らが側で支えていつくれたから、僕はあんな恐ろしい出来事にも立ち向かう事が出来たのだと今でも信じています。
だけどその時僕は一人でした。
周りに人の気配は無く、あの時と同じ正体の掴めない攻撃から逃げ惑う僕の後ろからガシャンガシャンと重い音を立ててメカが迫っていました。
戦わなければ。
頭ではそう思ってるのに体は僕の意思とは別に走り出していました。
まとわりついてくる様な死への恐怖が、僕から戦意を削ぎ落としていくのです。
「――――」
忌まわしいそれが何かを言いました。
うまく聞き取れませんでしたが僕を嘲り罵る様な言葉だという事はわかりました。
それはいつも誰かを傷つける様な言動を好んでしていました。
自分が楽しむために色々な人や動物たちをおかしくして嗤っていました。
きっと悪魔の様な存在とはそれのことを云うのだと思っていました。
不意に何かに足をとられ気がついた時には僕は転んでいました。
立ち上がろうにも足首を捻ってしまったのか激痛が走り動けなくなってしまいました。
その合間にもそれは徐々に近付いて来ます。
もうダメだと僕は目をぎゅうっと瞑って、襲いくるであろう衝撃に身構えました。
閃光が走ったのはそのすぐ直後でした。
バチバチと何かが炸裂する音が響き、次いで衝撃と熱風が駆け抜けていきました。
何が起こったのかわからないまま、恐怖に縮こまってしまっていた僕に静かな声がかけられました。
恐る恐る目を開けて見上げた僕の目に映ったのが「ネス」という男の子だったのです。
***
得てしてポーキー・ミンチと云う名の隣人は、悪ガキ様というものを物の見事に体現したようなやつだった。
我が儘で意地汚くお調子者、自分勝手で自分にとって有益な存在に擦りよっていく傾向があった。
その実臆病で、隕石騒ぎが起きた時にはビビりまくった挙げ句弟のピッキーを現場に置き去りにし、真夜中に下品なノックで僕と家族を叩き起こしたかと思うと、僕を盾にしながらピッキーを助けてくれと来たものだった。
尚これは一例であり、過去にポーキーが起こした事件は枚挙に暇がない。
それだけで十分迷惑なやつではあったが、それでも僕が彼と友人関係にあったのは、彼はろくでもない人間だがそれでもどこか放っておけない妙な魅力があったからだ。
小さい頃の僕は正直言って周囲から浮いた存在だった。
人の心が読めるとか、何を考えているかわからないとか、そういう噂が流れていて家族以外は気味悪がって僕に近づこうとするやつは滅多にいなかった。
だけどポーキーは。
あいつはそんな僕にも変わらずに接して来たのだ。
いつもと変わらず下品なノックで自分の遊び相手になれとやって来たのだ。
我が儘で下品で意地汚くて自分勝手で狡猾で、どう考えてもやっぱり最悪な隣人だったけど、それでも僕にとっては掛け替えのない友達だったのだと、そう今でも思うのだ。
やがて全てが終わり、なんでもない様な当たり前の日々が戻って来た。
月日が経ち僕らは少し大人になったけれど、だけどあいつから送り付けられた手紙が僕をあの日に縛り付けるのだ。
もう二度と戻れないあの日に。
なあ、お前は今、ひとりぼっちで泣いてはいないだろうか。
捻くれ者で素直じゃないお前を、わかってくれる人がいるだろうか。
だけど僕にはそれを知る術はない。
少し色褪せた手紙だけが、全てだった。
***
(亜空編行く前に力尽きる。ポーキー愛おしいだけでやった。再会編もあるけどバッド臭い誰も得しないからこのまま終わる)