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為す術見つからないままに







わんこ達の鳴き方が異常で、かつ興奮状態で小屋の壁をガリガリやっているので何だろう、と様子を見に行くと。


犬小屋の下に、子猫が潜り込んでおりました。





私の手のひらくらいの大きさ。




実家のにゃんこと同じキジトラ柄で、怯えた瞳でこちらをみつめておりました。





数日前から、子猫が大声で鳴いている、どうやら親兄弟とはぐれたらしく、呼んで(探して)いるのだろう、と近所で噂になっていたのですが…。



いつの間にやら、我が家の庭に迷い込み、風を避けるのに犬小屋の下に入り込んだのでしょう。






…ごめんよ。

うちでは、猫は飼えないの。






とにかく、わんこ達がうるさくて近所迷惑なので、段ボール箱を用意して、その中に捨てる予定だった古着を入れて、子猫捕獲開始。


『ごめんよ。残酷なことをしてるのは分かってるねん。でもな、ここにおられるのは困るねん、許して。出て来て。』と、謝りながら、棒でつついたり、霧吹きで水をかけたりして、なんとか子猫をキャッチ。


準備しておいた段ボールに入れ、さてどうしたものか、飼ってくれそうな人達に連絡してみようか、しかしもう夜遅いし、しばらくはうちでなんとかせなあかんのかな、参ったな、と躊躇しているあいだに。




子猫は、段ボール箱から飛び出し、あっという間に走り去ってしまいました。







…飼うことをためらって、ごめんよ。

でも、無理なもんは無理やねん。






…親兄弟と再会できたのでしょうか。


せっかく生まれてきたのに、はぐれたまま命の灯火が消されてしまうのは、つらい。



そんなために生まれてきたんじゃなかろうに。




結局、どうしたらベストだったのか、次にまたあった場合どうすればいいのか、わかりません。




ただただ、ごめんね、と。




それだけ。













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