スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

┌(┌ ^o^)┐

前に書いた現代を生きてた留さんが室町留さんに憑依する話を試しに書きたいとこだけ書いてみた。

(文留伊)


夜っていうのは、そんなに暗くないことを知った。月がない日でさえ、真っ暗になることはない。俺が生きていたあの現代の世界では、少しでも光が消えると暗闇に包まれて何も見えないのに。それだけ、俺達は人工の光に慣れてしまっていたんだ。それが今ここに来てから感じることが多くて、凄い切なくて、情けない。

「っつ〜〜〜!!」

今俺は外で身体中にできた傷に伊作からもらった薬を塗っている。部屋では伊作が何か薬の調合をしていて、いちいち俺が悲鳴を上げるからうるさいと追い出されてしまったのだ。今日も今日とて任務に失敗して、仙蔵と文次郎に厭味を言われ、小平太と長次に置いて行かれ、伊作に小言を言われた上に治療は自分でやれと放棄された。幸い怪我はかすり傷のみだったため、そんなに大変ではない。心の傷以外は。

「げ、背中届かねぇじゃん…」

見えないが痛みはある背中の部分に薬を塗ろうとしたが、届かない。諦めて服を着ようとしたとき、後ろから怒鳴られた。

「こら留三郎!!ちゃんとやらない駄目だろう!!」
「…い、伊作」
「そこからばい菌が入って大変なことになったらどうするんだ!!」
「う…はい…。」

現代の親友にうりふたつであるこの善法寺伊作が、俺はとても苦手だった。伊作には怒られなれていないのだ。見た目がそっくりなのに、中身がまるで違う。すぐ怒るし、厭味言うし、あんま笑わない。つかどっちかっていうと冷たい表情ばっかりしか見てない気がする。あっちの伊作はいつも笑ってたし、優しくて、俺にべたべただったのに。…まぁこっちの伊作も優しくて笑うけど、俺以外には。あ、不運は変わらなかった。

嫌われてんのかなぁ、と考えて少し落ち込みながら一生懸命背中に薬を塗ろうとする。が、傷まで届かず、検討違いな場所に塗られていくばかりだ。呆れた、というような表情で、伊作が貸してといって俺の手にあった薬をひったくって傷に塗りはじめた。薬が減っていくのが気に食わなかったのかもしれない。それにまた少し落ち込んでいたのだが。

「いっ〜〜〜!!いたっ!!いたたたたたっ!!」
「留三郎うるさい。」

尋常でない傷口の痛み。思いっきり傷を擦られてる、というよりえぐられてる。痛さに生理的な涙がじんわりと目に浮かび上がってきた。腕と足をばたつかせると、暴れるなと怒鳴られた。だって、と言うと、うるさい言い訳するなと叱られた。はい、と素直に返事をしたが、やはり痛いものは痛い。触られるたび、叫びながら手足をばたつかせてしまう。

「あ、文次郎。」

後ろから伊作の声。前方を見るとなるほど、文次郎が怪訝そうな顔でこちらを見ている。目があってしまったため、どうともなしにへらっと笑っといた。笑顔でどんな状況でも乗り超えられると思ってるあたり、俺も相当ゆとりだ。しかし、ここの人間には逆効果だったみたいで、文次郎はさらに眉間にしわを寄せて、何してんだと低い、ひっくい声で問うた。怖い。

「薬を、塗ってもらってるんだ。」
「自分で塗ることもできないのか。さすがヘタレだな。」
「うん、そうだなー…」

もう厭味を言われなれてきた自分が悲しい。ぶっちゃけいつもの俺とあっちの文次郎であったなら、馬の合わない喧嘩友達に売られたものであったなら、俺は迷うことなくそれを買い、凄まじい喧嘩に発展していたことだろう。しかし、今のこいつは俺より年下で(精神面上は)しかも任務で迷惑をかけた同級生だ。腹が立つこともない。ただ申し訳なくて、その厭味を流すことしかできない。でもここの文次郎も、前の俺(つまり室町の俺)と喧嘩ばっかしてたみたいで、流す俺の態度が気に食わないらしい。俺の言葉に一層眉間にしわを寄せた。しわ将来とれなくなるぞー。

「そうだ、文次郎手伝ってよ。」
「は?」
「留三郎暴れて薬ちゃんと塗れないんだ。」

伊作がとんでもない提案をした。俺的には、文次郎の登場で薬塗るのうやむやになってこのまま寝るコースだと思っていたが、このままだと文次郎に押さえ付けられて続行コースだ。まさに前門の虎後門の狼だ。

「え、あ、いいよ、文次郎も忙しいだろうs」
「よし、やろう。」
「ええ!!そんな簡単にOKしちゃう!?」
「じゃ前押さえて。」
「おう。」
「え、ちょっ、おい、やめっ!!」

文次郎は快諾したかと思うと、俺の足を押さえ付け、身体を密着させる。これで俺は身体を動かすことができない。しかも身体が密着してるからか、手すら動かすのが難しい。精々文次郎の腕に手を置くくらいが関の山だ。さすが忍者、よく身体の構造をご存知で。

「でけぇ声あげたら分かってんだろうな。」

凄みを効かせて俺を睨み上げる文次郎、さん。怖い。現代文次郎にはなかった殺気のようなものが怖い。こいつ、殺る気だ。俺は顔を必死に上下させて肯定の意を示す。血の気が引くってこういうことなんだと感じた。と、その瞬間。

「っぅあ!!」

なんの前触れもなく、伊作さんが俺の背中に薬を塗り付け、つか背中の傷えぐりやがりました。あまりにも突然すぎて声出た。慌てて口を右手で覆い、文次郎を見ると、こっちガン見。穴開くんじゃね?くらいガン見。こわっ、怖い!!!半泣きになりながら、尚も背中をえぐってくる伊作の治療という名の拷問に堪える。

「っ…っーーーーんっ」

もうね、痛すぎて意識が途絶えそうだ。え、傷の治療ってこんなんだっけ?しかも傷ってかすり傷だよね。なんでこんな痛いわけ、馬鹿なんじゃねーの?走馬灯見そう。とかくだらないこと思ってはいるが、本当に痛い。痛覚という痛覚が反応してる、しすぎてる。思わず文次郎の服握ってしまうくらいに。今の俺と文次郎の戦闘能力、文次郎>>>>>>超えられない壁>>>>>>>>俺なのに。くっそ、悔しいなんて思ってねぇ!!

「っ……いぁっ……」
「はい、おしまい。」

伊作が一瞬天使に見えた。いや、今の拷問の犯人こいつだけど。身体の力をゆるゆると解くと、身体に力が入らなくなってぐったりしてしまった。今の状況でぐったりしてしまった。つまり、伊作に背中を預けて、文次郎の肩に頭乗った。死んだ、俺。殺されるわ。でも、息止めすぎて酸欠気味。荒くて文次郎の鎖骨に思いっきり息あたってる、俺の。もう危ない、状況やべぇ、明日の日の出見れないかもしれねぇ。喧嘩なら同等かもしれねぇが、こいつらまじで殺ってくっから、任務とかどさくさ紛れて殺ってくっから。室町の俺、嫌われてたのか、いや、今の俺が嫌いなのか。

そして、伊作に案の定手刀入れられた。今日は柔らかめだった。ちょっと嬉しい。段々ブラックアウトしていく意識の中で、顔が赤い二人が見えた気がした。気持ち悪い。





長いw
趣味盛り込んだら食満ダレオマ状態wでも私の中で、しっかり留さんで再生されてる。ちゃんとCV.鈴木千尋。

とりあえず、二人はこのあと厠行くよね。ちゃんと食満は布団にいれるよね。

前提として皆食満のことは好きだから。ただ思春期なの、好きな子いじめたいの、だってまだ15歳!!!食満が急に大人っぽくなってしかもなんか弱くなって、いらいらしたんだよ。大人っぽいから色気もあってあああああっみたいな。この胸のときめきがどうしようもなくてぶつけるしか方法を見いだせなかった6年うめぇ。

ちなみにこの小説での攻めたちの葛藤とポイント。

1.任務失敗する食満が可愛い。ドジっこっていらってするけどキュンとすんじゃん、あれ。食満は6年は自分を殺ろうとしてると思ってるけど、あれは食満がかかりそうなトラップを全部とってあげてるの。根は現代のやつらと一緒で優しいけど思春期で表に出せないだけ。そう、これはツンデレなの。一部ヤンデレってるけど。

2.伊作は留の叫び声にむらむらして集中できなかっただけ。実はずっと後ろからちゃんとやれてるかなって見てた。そしてあの素晴らしいタイミングの登場が出来た。

3.留さんの喋り方が若干チャラくてゆとり。

4.傷えぐって塗ってるのは、もっと痛がらせたいという伊作のドS心。

5.文次郎の眉間のしわの種類。にやけ防止と喧嘩してくれない寂しさ。

6.文次郎のガン見は今晩のおかず用。実は伊作も後ろから見てる。

7.食満エロい。



以上。
とりあえず書きたいとこ書けたので、スッキリ。


さて、支部巡回してこよー。
前の記事へ 次の記事へ