きまぐれ企画・ピカチュウ版『捕獲禁止』縛りプレイ記第五段。
お月見山編すら終わらない。
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・前回までのあらすじ
色々あって、元の鞘に納まりました。
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「きんぐ、体当たり!」
「じゃっく、でんきしょっく!!」
お月見山内に居る大量のズバットや勝負を挑んでくるトレーナー軍団をなるべく体力を使わない様に切り抜けつつ、今度こそ山を越えたい俺達。
さて、俺は只今絶体絶命の危機に瀕していた。
「悪い、お前等…」
背中を嫌な汗が伝う。
二匹は心なしか深刻そうな顔をしながら、声を出した俺を見る。
「………迷った」
三秒後、じゃっくの情け容赦無い電撃がバチバチと飛んできた。
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正直コイツ等はもっとトレーナーを敬う事を覚えれば良いと思う。
普通、さすがに持ち主に向かって攻撃はしないぞ?
ため息混じりに愚痴をこぼせば、ちぃ、とじゃっくが不服そうに鳴く。
どうやら『持ち主』という考え自体気に入らないみたいだった。
…コイツ前から思ってたけど、相当ませてるよな。
「…まぁ、前より理解は出来るけどさ」
コイツ等に会うまでは、きっと考えもしなかったポケモンの気持ち。
当たり前の事に、今更ながらに気付かされる。
「…っと、この梯子は?」
梯子があるって事は登れって事だよな。
とりあえず肩にじゃっくを乗せて登ると、そこは開けた場所になっていた。
「すげー…」
お月見山というだけあって月の光が射すのだろう、岩の間から外の光が漏れて明るかった。
洞窟内が暗くないのはそんな理由なのだろう。
そんな中で不思議に蠢く人影を発見する。
うわ、トレーナーか?
「…ふん」
俺はあんなにひどい状態のポケモンを、見たことが無かったと思う。
人影の片手に無造作に掴まれていたピンク色の毛のポケモン(ピッピって図鑑が言っていた)は、傷だらけだった。
「アンタっ、」
文句を言おうとして体が固まる。
影で黒いと思っていた体は闇のような黒装束で包まれていて、その眼光は一般人とはかけ離れていた。
多分、嫌な意味で。
「何だ、小僧」
頭の中を、ふもとのポケモンセンターで聞いたニュースがリフレインされる。
「…ロケット、団」
「へぇ、知ってんのか?」
そりゃ、有名ですから。
そんな軽口叩けない位、俺は正直ビビッてた。
だって、大人なんだぜ、相手は。
しかも、堅気じゃないんだぜ、相手は。
「で、何だ?」
先程、自分が「アンタ」呼ばわりした事を思い出して青くなる。
一瞬ダッシュで逃げる事も、逃げるルートすら何通りか考えて、
でも、さ、目が合っちゃったんだよ。
掴まれて死にそうになってるピンクのと。
「その子、離せ」
震える声で言えば、ヤツは一呼吸置いて笑いはじめた。
「な、なんだよ!」
「月の石」
「え?」
「それがロケット団に必要なんだ」
探すためにコイツを使ってるんだ、必要なことだろ。
そう、何でも無さそうに黒装束が言う。
…なんだ、ソレ。
それだけの為にそいつ死にそうになってんのかよ。
「じゃ、基本口封じが団の規則だから」
はっとした瞬間、相手のボールから飛び出た蛇みたいなポケモンがこっちに飛び掛かってきた。
と同時に横っ腹に衝撃を受けて真横に吹っ飛ぶ。
「かはっ」
空気が腹から吐き出される。
くそ、肺に、酸素が入らない。
吹っ飛ばした相手を見ようと思って顔を上げると、そこには蛇に巻き付かれたじゃっくの姿があった。
「へぇ、主人思いのポケモンだな」
その台詞で自分が助けられたコトに気付く。
「主…じゃな…」
「何だ?」
にやにや笑うヤツの方を睨み付ける。
「主人じゃない、仲間だ」
巻き付く力が弱くなった瞬間、俺はじゃっくに指示を飛ばした。
「じゃっく、でんきショック!!」
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絶賛捏造中。
しかも、続く。
(あちゃー)