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ぴっかっちゅーE



久しぶりのきまぐれ企画・ピカチュウ版『捕獲禁止』縛りプレイ記第六段。

ショウはピンクのを救えるのだろうか。
(なおこの話の辺りに置いて大幅なフィクションを含むことを御了承ください)


*****


・前回までのあらすじ
ロケット団と遭遇、成り行きで正義の味方に華麗なる転職。


*****


ずん、と音を立てて沈んだアーボを抜け出て、じゃっくは頬の電気袋をぱちぱちとさせた。

相手の黒ずくめは舌打ちしてこちらを睨み付け、俺はというとそれに怖気付かない程度にはいつもの調子を取り戻していた。
とりあえず自分の手元に引き寄せようと相棒の名を呼ぶ。


「よくやった、じゃっ…」


甘かった。

わずかに体力を残した相手のアーボは最後の力ではりを放ち、それは俺の声に振り向いたじゃっくの背中にさっくりとささる。

しまった、という思考に至るまでに随分時間がかかった気がした。


「戻れ、じゃっく」


嫌がられるのは承知でボールに黄色い体を収める。


「大丈夫か」


ボール越しに話し掛けると、その口からちー、と衰弱した声が漏れる。

どくばり、だ。

気付いた瞬間己の迂闊さを呪いたくなった。


「頼んだ、きんぐ」


これ以上じゃっくを戦わせるワケにはいかない。
腰につけたボールからきんぐを出すと相手の男は一瞬固まった後ゲラゲラ笑いだした。


「最弱ポケモンって有名なコイキングじゃねぇか」


さ、最弱?

思わずぽかんと口を開ける俺の横できんぐがピチピチとはねる。


「こんな弱いヤツ連れてる甘いガキが、偉そうな口聞くんじゃねーよ」


ひとしきり笑うと男は低い声で怒鳴った。

…まぁ確かにさ、相手のラッタは凶悪そうな面構えだし、対してこっちはめちゃくちゃアホっぽい顔はしてるワケだけど。


「アーボ、どくばり!」


遅いよ、全然。


「きんぐ、体当たり」


アーボの攻撃を紙一重でかわすとその横腹に一撃をくらわせる。
残りわずかなHPはその一発で無くなった。


「な…」


驚いた様な表情を浮かべた相手に、俺はさも当たり前の様に言い放つ。


「きんぐは、強いよ」


こんな新米トレーナーに噛りついてでも付いてきてくれるなんて、弱いヤツには出来ないよ。


「ちっ、ラッタ!!」


相手が次のポケモンを繰り出す。


「もう絶対許さねぇ!!」


ラッタの速度はさすがに早くて、指示を出すのが遅れる。
…間に合え!!


「きんぐ!!」


突然、洞窟内にまばゆい光が溢れる。

その場に居た全員が動きを停止せざるをえない位、強い、強い光。

目を細めながら光源を探すと、光っているのはなんときんぐの体だった。
リュックに入れてた図鑑がピコピコと鳴る。


「これって…」


進、化?
脳内を二つの漢字が、そしてそれに関する本で読んだだけのなけなしの知識がくるくる回る。

徐々に収まる光の中に、今までと比べものにならないくらいの大きさの水色の体が姿を表したのを見て、俺達はただただあんぐりと口を開けた。

輝く水色の鱗、数メートルはある巨体、光る牙。
それはまるで小さい頃絵本で見た伝説の龍のようで。


「な、なんだコイツ…」

「…き、きんぐ?」


俺のたどたどしい呼び声に応える様に、目の前の龍は尻尾のひれをピチピチと鳴らす。

図鑑が電子音と供にギャラドス、という単語を告げた。


「…は、反則だろ」


すっかり勢いの無くなった相手の声で、現実に引き戻される。

…まぁ、それは若干否めないけれど。


「言ったでしょ、きんぐは強いって」


俺達は新しく覚えた「かみつく」でラッタを一発で仕留めたのだ。


*****


その後はなんやかんや忙しくてよく覚えていない。
ピンクのを助けてからダッシュでポケモンセンターでじゃっくを治療してもらって、今再びお月見山の麓に居る。

使えなかった水鉄砲の技マシンも今のきんぐには使えるようになっていた。
うん、幸先良いじゃんか。


「さて、今度こそ越えるぞ!!」


目指すはハナダシティだ!!


*****


まーだーつーづーくー

ぴっかっちゅーD



きまぐれ企画・ピカチュウ版『捕獲禁止』縛りプレイ記第五段。

お月見山編すら終わらない。


*****


・前回までのあらすじ
色々あって、元の鞘に納まりました。


*****


「きんぐ、体当たり!」

「じゃっく、でんきしょっく!!」


お月見山内に居る大量のズバットや勝負を挑んでくるトレーナー軍団をなるべく体力を使わない様に切り抜けつつ、今度こそ山を越えたい俺達。
さて、俺は只今絶体絶命の危機に瀕していた。


「悪い、お前等…」


背中を嫌な汗が伝う。
二匹は心なしか深刻そうな顔をしながら、声を出した俺を見る。


「………迷った」


三秒後、じゃっくの情け容赦無い電撃がバチバチと飛んできた。


***


正直コイツ等はもっとトレーナーを敬う事を覚えれば良いと思う。
普通、さすがに持ち主に向かって攻撃はしないぞ?

ため息混じりに愚痴をこぼせば、ちぃ、とじゃっくが不服そうに鳴く。
どうやら『持ち主』という考え自体気に入らないみたいだった。

…コイツ前から思ってたけど、相当ませてるよな。


「…まぁ、前より理解は出来るけどさ」


コイツ等に会うまでは、きっと考えもしなかったポケモンの気持ち。
当たり前の事に、今更ながらに気付かされる。


「…っと、この梯子は?」


梯子があるって事は登れって事だよな。
とりあえず肩にじゃっくを乗せて登ると、そこは開けた場所になっていた。


「すげー…」


お月見山というだけあって月の光が射すのだろう、岩の間から外の光が漏れて明るかった。
洞窟内が暗くないのはそんな理由なのだろう。

そんな中で不思議に蠢く人影を発見する。
うわ、トレーナーか?


「…ふん」


俺はあんなにひどい状態のポケモンを、見たことが無かったと思う。
人影の片手に無造作に掴まれていたピンク色の毛のポケモン(ピッピって図鑑が言っていた)は、傷だらけだった。


「アンタっ、」


文句を言おうとして体が固まる。
影で黒いと思っていた体は闇のような黒装束で包まれていて、その眼光は一般人とはかけ離れていた。

多分、嫌な意味で。


「何だ、小僧」


頭の中を、ふもとのポケモンセンターで聞いたニュースがリフレインされる。


「…ロケット、団」

「へぇ、知ってんのか?」


そりゃ、有名ですから。
そんな軽口叩けない位、俺は正直ビビッてた。
だって、大人なんだぜ、相手は。
しかも、堅気じゃないんだぜ、相手は。


「で、何だ?」


先程、自分が「アンタ」呼ばわりした事を思い出して青くなる。
一瞬ダッシュで逃げる事も、逃げるルートすら何通りか考えて、

でも、さ、目が合っちゃったんだよ。
掴まれて死にそうになってるピンクのと。


「その子、離せ」


震える声で言えば、ヤツは一呼吸置いて笑いはじめた。


「な、なんだよ!」

「月の石」

「え?」

「それがロケット団に必要なんだ」


探すためにコイツを使ってるんだ、必要なことだろ。
そう、何でも無さそうに黒装束が言う。

…なんだ、ソレ。
それだけの為にそいつ死にそうになってんのかよ。


「じゃ、基本口封じが団の規則だから」


はっとした瞬間、相手のボールから飛び出た蛇みたいなポケモンがこっちに飛び掛かってきた。

と同時に横っ腹に衝撃を受けて真横に吹っ飛ぶ。


「かはっ」


空気が腹から吐き出される。
くそ、肺に、酸素が入らない。

吹っ飛ばした相手を見ようと思って顔を上げると、そこには蛇に巻き付かれたじゃっくの姿があった。


「へぇ、主人思いのポケモンだな」


その台詞で自分が助けられたコトに気付く。


「主…じゃな…」

「何だ?」


にやにや笑うヤツの方を睨み付ける。


「主人じゃない、仲間だ」


巻き付く力が弱くなった瞬間、俺はじゃっくに指示を飛ばした。


「じゃっく、でんきショック!!」


*****


絶賛捏造中。
しかも、続く。


(あちゃー)

ぴっかっちゅーC



きまぐれ企画・ピカチュウ版『捕獲禁止』縛りプレイ記第四段。

お月見山越えなるか!?


*****


・前回までのあらすじ
コイキングは、『はねる』と『体当たり』しか覚えないらしい。


*****


「…さて、どうするかな」


技マシンの件でどっと疲れてしまった俺は一日で山を越えるのは諦めて、一度ポケモンセンターに戻ることにした。

一体で戦うためかなり負傷したじゃっくの治療を待ちながら、借りたタライの中で泳ぐきんぐに話し掛ける。


「…お前、残るか?」


ぴちゃん。
タライの中の水が音をたてる。


「山越えは、正直お前にはキツイと思う」


じゃっく一体なら指示も出しやすいし、体調の管理もしやすい。

まだ俺も新米トレーナーだし、無理はするべきじゃないと思うんだ。


「だから…残れ」


ポケモンセンターの人にはもう話してあった事だった。
暴れも噛み付きもしないきんぐを気に入ってくれた様で、置いていく事は了解済みだ。


きんぐは跳ねることもしなかった。
俺たちの間に何だか気まずい空気が流れる。

遠くでロケット団だか何だかが民家を襲撃したとかいう非日常的なニュースがテレビを通してぼそぼそと流れていた。


「治療、終わりましたよ」


抱えられてきたじゃっくを受け取ると、俺はきんぐに背を向ける。


「悪かったな、長い間付き合わせて」


じゃあな、と足を踏み出す。
ウィーン、と音がしてセンターの自動ドアが開いた。



ぴちゃん。



響く水音。

振り返るが早いか背中に衝撃をくらって俺は地面に転がった。


「な…」


し、信じられねぇ。
コイツ(きんぐ)、人に体当たりかましやがった!


「何する…ん…」


台詞が途切れる。
きんぐは、歯も無いハズなのにズボンの裾にかみついて離れなかった。


「…貴方と一緒に居たいみたいよ」


センターの人がきんぐを見て微笑む。


「…そうですね」


結局メンバーは変わらないまま、旅が続くことになったのだった。



*****


という事が実際あったかどうかはさだかではありませんが、本気で逃がそうと考えたのは事実。
手持ちがじゃっくじゃなければ逃がしてました。


きんぐ、が、弱い。

話が、進ま、ない。

ん、コレ、続くの?

ぴっかっちゅーB


ピカチュウ版『捕獲禁止』縛りプレイ記。

懲りずに第三段。
あくまできまぐれ企画です、よ。

*****

俺、ショウ。
相棒の『じゃっく』を最強のピカチュウにする為、一緒に旅をしてる。

先日、お月見山のふもとで押し売りされたコイキングの『きんぐ』が新たに旅のメンバーに加わった、ものの。
彼は予想をはるかに上回る戦力外だったのだ。

*****


「…こんなに修業してるのに『はねる』と『体当たり』しか覚えないなんて」


ガクリ、と膝をつく俺の横で、きんぐが返事代わりにぴちぴちとはねた。


「お前、強くなる気、あるの?」

ぴちぴち。

「修業に付き合ってるじゃっくの方が明らかに強くなってると思うんだけど」

ぴちぴち。

「…ごめん、はねるだけじゃ分からない」


それでも相変わらずはねるしかしないきんぐにため息をつく。


「…じゃっく。」


傍に居たじゃっくに声をかけると、黄色い相棒はちぃと鳴いて首を傾げた。


「お月見山越えはポケセンと往復しながらお前に頑張ってもらうから」


相当疲れるけど許してくれ、と続ける俺に、きんぐがぴちぴちと何か言いたげにはねたけど無視することにした。


*****


「…なんだ、コレ」


お月見山に入って数時間。
岩の間で偶然見つけた技マシンは年代物の様で、しかし調べてみるとちゃんと動いた。


「なんの技だろ…ってコレ!?」


表記には『みずでっぽう』の文字。


「いよっしゃあ!!」


思わず叫んだ声に驚いて、天井に居たズバットがばさばさ飛び立つ。
飛び掛かってきたズバットをじゃっくに適当にあしらって貰いながら、俺は喜びを噛み締めた。
だって、この技があれば山越えも相当楽になる。


「きんぐ、お前みずタイプだもんな!早速…」


そこで俺の台詞は途切れる。
わざマシンのウィンドウには『このポケモンはおぼえられない』の文字がチカチカと点灯していた。


「おぼえ…られない?」


え、でもコレ、みずタイプの基本の技だったよね。
え、故障?
いや、確認したし。

混乱する頭の中に、嫌な考えが浮かび上がる。


「きんぐ、お前さ…もしかして、今の技以外、覚えられないのか?」


変わらない表情。
でも、いつもより困っている様に見えた。


「……………ウソだろ」


答える代わりに、ボールの中でぴちぴちはねるきんぐだった。

ただいまの手持ち・二体。

*****


どうなる、きんぐ!?
次回はあるのか!?
とりあえずそれも含めてお楽しみに!!



追伸↓
サイトの更新滞ってるにも関わらず別ジャンルでごめんなさい。

ぴっかっちゅーA



ニビジムを制覇すると決めた俺とジャックはトキワの森で修業を始めた。
目標は電光石火より強い電気技以外のわざを身につけること。



下記事続きのぴかちゅう版プレイ記です。

*****


「負けるとわかっていて戦うのか」


ニビジムの門下生らしき少年を倒して先に進むと、細い眼をした屈強そうな青年が腕を組んで立っていた。
きっと彼がタケシだろう。


「トレーナーのさがだな」


じゃっくがフィールドへと飛び出す。
同時に向こうもイシツブテをくりだしてきた。


「じゃっく、たたきつける!!」


宙を飛んだじゃっくの体がくるくると回転する。
と同時に尻尾がイシツブテにたたきつけられた。


「そんな攻撃はきかん!」

「それはどうかな?」

「なに?」


同じくらいのレベルなら、きっと効きはしないだろう。
でも、じゃっくは散々修行したからな。


「普通のピカチュウと一緒じゃ無いぜ!」


イシツブテがフィールドに沈んだ。


*****


「君をみくびっていたようだ」

「いや、俺も正直甘く見てました」


イワークにはどうにかこうにか勝利し、俺たちは胸を撫で下ろした。
いやはや、イワークの最後に使った「がまん」が炸裂してたらと思うと恐ろしい。


「…俺はブリーダーになりたいんだ」


戦闘終了後のタケシの呟きに、俺とじゃっくは顔を見合わせた。
え、ブリーダー…ブリーダー!?
だってそんな無表情だし!
すっごい頑固そうだし!!
想像がつかないって!!!

でも、見てるとイワークもイシツブテも彼にすごく懐いてるのが分かる。
うん、向いてるんだろうな、きっと。
良く分からないけど。


「俺、ジムリーダーよりもカッコイイと思います、ブリーダー」


タケシは小さく笑うと俺の手に、ジムバッジと技マシンを置いた。


*****


と、いうわけで今はお月見山のふもとへ来てる。
マップによるとハナダに行くにはこの山を越えるしか無いみたいだからだ。

相変わらずじゃっくはポケモンを捕まえるのに嫌な顔をする。
まぁ、俺も前ほど絶対捕まえたいってワケじゃ無いんだけどさ。

あ、そうそう。
ふもとのポケモンセンターで変な親父から500円でポケモンを売りつけられた、半ば無理やり。

じゃっくと気はあうみたいだから別にいいけどさ、ぶっちゃけ弱いんだよ、ね。

せめて名前だけは強くしようと「きんぐ」と名付けつつ、今後の旅路にちょっと不安が残った。


*****

縛りプレイ『捕獲禁止』。
ピカチュウ版だからまぁ、そこまできつくないかと。

気が向いたら続きも書くかも、です。
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