ネタばれみたいになってしまうので
さきに本編な追記を見ていただけると嬉しい。
設定知らずに読んでもなんとなく、伝わるのかどうかを知りたいのです。
まあなにが難点って
下にスクロールしないと追記にたどり着けないってことなのね(笑)
こっから下は後で読んで
王侯貴族の輿入れがどんな風だか知らんので、完全に想像です。
これが本腰を入れた創作ならたぶん調べたでしょう。
でもね、ブログに載せる簡単なもの……というと語弊がありますね。気軽に書いてるものなんで。
とはいえワードで原稿打って確認してからコピペしてますが。
エレドって適当につけた名前。
他に名詞が出てこないのはカタカナの名前をつけるのが苦手だから;
エレドの隣国の王女さまと侍女にしたかったんですが
書いてたら王女さまと騎士みたいになってしまったね。
キャラのイマイチ定まってない感じがなんとも……
背景見えてこねえぜ的なね。
王女さまの外見は
以前キリリクで夜さんに「私のイメージ」で描いてもらったイラストの女の人です。
創作サイトのほうに掲載してます。
この頃の塗り方も好きです。
今の塗り方も好きです。
夜さんは私の姐ぇです(笑)
足の裏と座席を通して、不規則な振動が伝わる。窓に引いたカーテンをつまむ右手の指は、息をのむほど白くか細かった。外を覗いた顔にほんの一瞬、戸惑いが浮かぶ。寒空の下に広がる土地は、どこも痩せて色を失していた。
弾き結ばれた唇が微かに開いて、すぐにより硬く結ばれる。浮かせていた腰を座席に戻すと、顔をこちらへ向けた。深い橙の瞳が私を見て、そして曇った。
「もう、間もなくです」
「……ええ」
俯くと、前髪が垂れて顔にかかる。明るい空色の髪が、今日は顔色をくすませていた。蹄の音と車輪が轍をなぞる音が、遠く聞こえる。体に伝う振動は徐々に意識を混濁させていくようだった。後にした故国の緑が脳裏によみがえる。
膝の上でそろえた両手が、ふいに固く握られた。
「エレドの冬は厳しいそうですね」
はっきりとした口調とは裏腹に、目線は握った両の手から外れない。結いあげた髪につけた飾りが、小刻みに揺れていた。
「山を越えたこちらは雪が多く降ります。風も強い。ご心配ですか?」
「そう、ですね」
城内は暖かいですよ、と言いかけたところですっと背筋が伸ばされた。私を見据えて口を開く。声は揺れて、自身の中で彷徨っていた。
「わたくしに、何ができるでしょうか。こうして赴くまでわたくしは、何も知りませんでした。ただ冬の厳しいことと、民のあまり裕福ではないことを聞き知っていただけです。今でも、何も知りません。ただ、実際に見ただけです」
張っていた肩の力を抜くと、また伏し目がちになった。ゆるりと、視線は窓へ向けられる。
「あの方は、即位なさって間もないですが聡明なお方です。お会いした数は少ないですが、お優しい目をしていらっしゃったことは、はっきりと覚えています。お優しい中に、強くまっすぐな芯をお持ちでした。わたくしは……わたくしには何ができるでしょう。あの方の力となってさし上げられるでしょうか」
再び私へ向けられた瞳には色濃い不安が浮かんでいた。息を吸って、絞り出すようにして言葉を紡ぐ。
「わたくしは民を慈しむ心を、いつまでも持ち続けることができるでしょうか」
「それは、これからしっかしりと国のありようをご覧になって、ご自分でお考えください。そうしてお出しになった答えが、あなたにとって最良のものでありましょう。慣れない環境で苦労なさるでしょうが、及ばずながら、私や共に参りました臣下の者も力添えいたします。なによりも」
言葉を切って私も一度、カーテンのひかれた窓を見る。
「あなたは今、考えていらっしゃる。ご自身の事として、この国の事を見ておいでです」
最後に微笑んで見せると、安堵したように息をつきふっと、口元をほころばせた。それからカーテンに手を伸ばし、また外を眺める。
「そうですね」
呟いた横顔は、冬の近づくエレドをただじっと見据えていた。
あとね、エレドって何か好きな響きだなぁ。
冬っぽい。
春の国から冬の国へ嫁いで豊さを届けに行く話かなぁと思いました。