紫苑、蓬、忍冬、鬼灯とは距離を置くことにした。
彼らは彼らで楽しめるようだし僕の場所はないし、やっと離れてくれたし。
僕なんかよりもっといい人を見つけて欲しかった僕の望み通りになったんだから。
ただ紫苑が僕は正しいっていう幻想を抱いてたことが悲しかった。
紫苑だけは、僕が間違いと矛盾で出来た歪みだって分かってくれてたと思ってたから。
やっぱり、そんなもんなんだろうな。
中途半端に奥まで入ろうとして結局逃げ出す。
分かってるよ。
僕があまりに汚いから耐えられないんでしょう?
完全封鎖することにした。
受け入れられないことはよく知ってるから、もういいよね?
もう誰かに助けてもらおうなんて思わない。
だから完全封鎖。
どうせ勝手な幻想抱いて勝手に幻滅して勝手に離れるんでしょう?
途中で投げ出すなら入らなければいいのに。
水仙とも距離を置きたいんだけど、水仙だけは突き放せない。
だから、水仙が僕よりもっといい人を見つけるまで甘えさせてもらう。
1か0しかない僕だから、紫苑、蓬、忍冬、鬼灯とはまず0に戻さなきゃ。
1までいった人と上辺の付き合いをするには0に一度戻らなきゃいけないのは、僕の中途半端な不器用さなんだろうな。
まぁ、いいさ。
僕が欲しいのは理解者であって僕を受け止めてくれる人であって、その他は別に要らないの。
なんて、ここでまで意地を張るようになったらどうしようもないけど。
僕はそんなに綺麗じゃないの。
だから誰も近くに置きたくないの。
なのに勝手に集まった癖に、
『椿には従わなきゃいけない』
とか勝手に決めて、勝手に決めたのに無理だからサヨナラでしょう?
知らないよ、そんなの。
だったら最初から近付かないでよ。
何がしたかったの?
もう取り戻したいとか、そういうのない。
全然、欲しくない。
求めてもらえて喜んで、そういうのって他力本願に入るんじゃない?
誰かに自分の存在を見て欲しい、誰かに自分の存在価値を与えて欲しい、そういうことでしょう?
それで何か変わるの?
まぁ、いいか。
元来僕は一人だったんだから。
本当はさ、こういうこと悩んで相談して深く付き合うのは中学までにして、
高校入って出来た『友達』には僕のこういう部分を見せないようにしようと思ってたけど、
何かもう、予定が前倒しされた感じ。
中学ではちゃんと揺るぎない理解者作って、僕の奥まで入ってくれる人を見つけようと思ってたけど、
諦めよう。
見つかりそうもないし、作れそうもない。
紫苑とか忍冬がなってくれそうだったのに、結局無理なんだろうな。
甘ったれてんだろうな、僕は。
自分の足で立つって、人間なんて薄汚いモノは信用しないって、
向日葵の事故が20万で片付いたとき思ったのに。
憎んどけばいいよね、人間なんか。
誰かの為って言いながら、一番可愛いのは自分だ。
勿論、僕も。
それが分かっても誰かの為でありたいと願った僕だけど、結局駄目なんだろう?
彼らが楽しめるならそれでいいっていう気持ちはある。
でも何より大きいのは紫苑が僕を知らなかったこと、また同じことを繰り返してるように見えること。
紫苑はもしかしたら、また前と同じミスを繰り返すかもしれないけど、僕の言葉は届きそうにないから、まぁいいか。
とりあえず、暫くは完全封鎖。
僕を受け入れられない癖に入り込もうとするのは、僕にはかなり辛いこと。
だいたい、端から受け入れる気もなかっただろうに。
忍冬に預けたある癖の元凶としたモノ、やっぱり手元に置いておこう。
癖は直らないだろうけど、別にいいでしょう?
僕が堕ちることで誰も迷惑しないんだから。
辛いけど、生きていたいって思ったのは僕だから。
他人の言動で揺らぐ決意は誓いって言わないの。
憎むべき世界で憎らしい僕として生きるっていう向日葵への誓いは誰かが離れたくらいじゃ揺るぎない。
僕を受け入れない人間の言動は僕の誓いを揺るがす程の力を持たないの。