「誰だ、お前は」
「誰、って…… 紗威(サイ)だよ。どうしてそんな警戒してるの?」
クスクスと笑って、紗威の姿をした『誰か』は言う。
「……違う。お前は、紗威じゃない」
「何でそう思うの?」
「分からない……だけど、違うだろ」
「ふぅ。しょうがないなぁ。今までこんなことなかったから少し驚いたよ」
「え?」
「僕は伶威(レイ)。一応、初めまして、かな」
「二重、人格……?」
「半分正解。紗威の別人格は僕だけじゃないからね」
「な、に……」
「まあ、ベースは紗威だし。僕は突然変異みたいな人格だからさ。他とは少し違うんだ」
二重人格モノ。
ってか多重人格。
内容は全く考えておりません(ぇ)
たぶんBLになるかと思われる。
「だ・か・ら」
俺は振り返って浮遊する少女を見上げて言った。
「憑いてくるんじゃねえよ!」
――どうやら俺には霊感というものがあるらしい。
「あら、別にいいじゃない。減るものじゃないし」
「そういう問題じゃない。こう、周りでうろつかれると目障りなんだよ」
「オンナノコに向かってそれはないわね。アナタ、もてないでしょ」
「煩い。黙れ」
「ひどいわ。……呪っちゃおうかしら」
「質の悪い幽霊だな、おい」
* * *
「少年、私の事務所に来ないか」
パンツスーツの女がそう言った。
隣のつなぎ姿の女が続ける。
「運び屋の仕事は悪くないぞ。楽に稼げる」
きりっとしたスーツの女と、ゆるーいかんじのつなぎの女。
正反対に見える彼女らの共通点は、同じ能力を持っているところだろうか。
「わかった。やってやるよ、その仕事」
「よし、やっと人員が増えるな」
「やっぱり男手はあったほうがいいからねー」
こうして、俺は霊の運び屋をすることになったのだ。
イマイチ話が固まってないです。
でもこんなんが書きたいのです。
主人公が女か男か迷ってたり。
いっそ何パターンか作ってみようかな。
私が弱いから。
たくさんのものを奪われてしまった。
ならば、強くなれば。
守れるかもしれない。
失くしてしまったもの、を。
取り戻せるかもしれない。
孤児だった私は、強くなるために――あの日、守ることが出来なかったものを、今度こそ守るために――。
軍の狗になったのだ。
「女じゃ駄目だっていうのか? 性別なんか関係ないだろう。重要なのは、力だ」
男尊女卑のこの国は、女は家で旦那に尽くしていればいいという考えだ。
そんなの、オカシイのに。
誰も、何も言おうとしない。
ただ黙って軍の命令に従っているだけ。
だったら、私が。
この国を変えてやる。
もう誰も悲しまないように。
大切なものを奪われないように――。
そのためなら。
私は手段を選ばない。
「殺してしまっても構わないんだな? 後から悔やむなよ」
私は強くならなければいけない。
誰よりも、強く――。
これの別エピソード。
間違った方向に頑張りそうな話(何)
驚いたような顔をしていたのを覚えている。
恐怖、ではなく。
戸惑いを含んだ顔。
こんな場所に何で、と言わんばかりの表情。
だが、自分が投影している誰かとは違うことに気付いて、慣れない手つきで銃を構える。
「やっぱり……似て、る……」
最期に兵士は笑った。
私を見て、誰に似ていると言ったのだろう。
華奢な青年だと思った。
兵士にしては、あまりにも弱く、脆い。
おおかた、徴兵制度で適当に集められた付け焼き刃なのだろう。
ふと、兵士の首筋に光るチェーンが目に入った。
手に取るとそれはロケットだった。
何気なく開いてみて、瞬間我が目を疑った。
まさか、そんな。
私が殺したあの兵士は、姉の最愛の人だった――?
兵士のロケットには、昔と変わらない柔らかな笑みを浮かべた姉の写真が入っていた。
兵士の薬指にはシルバーリング。
これ、は……結婚指輪、だ。
もしかして、いや、もしかしなくとも。
最悪の予想が頭をよぎる。
私は兵士のロケットと指輪、ドッグタグ1枚をポケットに押し込んだ。
姉には幸せになって欲しかったのに。
よりにもよって、妹の私が。
その、幸せ、を。
奪って、しまった……?
ものすごいシリアスを書きたくなってメモしたやつ。
でもきっと続かない(オイ)