豚賢者

肥育場で豚が肥っていく。

豚はなぜ自分が肥るのか知らずに肥る。

豚が口にする餌に毒は含まれない。

知らぬと言うことが毒なのだ。

 

豚は神経質に鳴く。

もちろんそうだ。

満たされているものこそ神経が繊細になっていくのだ。

 

 

最初は単純な好奇心から始まった。

私は、私と言う者は、生まれてこの方考えることを辞めたことはない。

私の五感で感じ、経験し、積み重ねてきたものが全てで、尊く、この世で一番素晴らしいものなのだ。

 

しかし

誰かが私を陥れようとしている。

誰かに呪われている。

なぜ私ばかりこんな目に。

 

誰かに恨まれるようなことをした覚えはないのに

なぜ。

私は全てを知っている。

誰よりも賢い。

その私がなぜ。

 

 

(吸血鬼と不死に取り憑かれた男より。)
http://mblg.tv/oppaipurine/entry/1495/

この夢小説もどきの主人公スピンオフ()

愚か者の錬金術師。