世界は甘いもので満たされている。
誰に渡すわけでもないけど、せっかくだから買っていこう。
どうせなら、美味しそうで大きいものを。自分で食べるものだから贅沢に。
一番大きいこれにしよう。お金も十分持ってるし。
なんだか皆が、私の方を見ている気がする。
「プレゼント用包装しますね」
「……え……いや……はい…」
断る前に包装されてしまった。……どうしても断ることは苦手だ。
包装されてしまったものはしょうがない。それよりも、ここにとどまっていることの方が恥ずかしい。
「……自分の部屋で…食べますか……」
そうと決めたら、一目散に自分の部屋へ。
徐々にうきうきになって、笑顔もこぼれ始める。
自分の部屋にたどり着いたら、包装をはずしチョコを取り出す。
「I LOVE YOU」
そんな言葉は気にせずに、いただきます。
だって、自分へのプレゼント。
「さすがに…食べごたえがありますね」
そうしてハート型のチョコは消えていく。
甘いものが大好きな、私のお腹の中へ。
「明日は、もっと安く買えるかな?」