「大丈夫か?嵐野さん」
そう声が聞こえたときには、ホワイト・ゴールドに蹴りを入れていた。
「遅いよ、エアライダーならもっと早くこいよ」
そう少女が文句を言うと、次には敵一直線に爆発が起きた。
少女が私の手を引いて、走りだした。
「一旦引いて、体勢を立て直すぞ」
でも…という言葉を飲み込んで、私は彼女の後に続いた。
いくら虚勢を張った所で、疲れていることには変わりない。
そして、いま来てくれた人たちは私なんかよりもずっと戦いに慣れてる人たちだ。
そうして最前線から遠のき、私たちは一息ついた。
「……あ…ありがとう……ございます……」
「いいっていいって。それよりもあいつ倒しちゃうけどいいか?」
一瞬何を聞いているのか分からなかったけど、すぐに理解した。
「…いいですよ……どうせ……父親だと思っていませんし……」
私の父親は家にいる一人だけだから。
「ふーん、そうか」
「…あなた方は……銀誓館学園の…方たちですか…?」
「そうだけど、なんで知ってるんだ?」
「…さっき……あの男が…言っていましたから……」
そう言って、男のほうを見ると戦闘は終わりかかっていた。
銀誓館学園の援軍は強力で、男は既に倒れかかっていた。
「その話は後にしておいて、とりあえずアイツを倒すぞ」
そう言って、嵐野さんは男のもとへとかけていった。