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夢番地

ホクロの位置は春の大三角形
宇宙の秘密に気付いた夜は
空を眺めると青白いスピカ
電池の切れた人間になったら
僕はあの場所で光を貰う

プロポーズ

髪の毛に絡む桜の花びら
淡いピンクのティアラのような夢
制服を脱いでドレスを纏った
十年後のあなたに会いたい

写真に残した笑顔のままで
歩き続けるヴァージンロードは
商店街の真ん中にある
ケーキ屋の苺にフォークを立てた

見上げる夜空の点を結べば
三角形の家みたいだと
僕等の未来を星に例えると
第二ボタンを渡したくなった

糸を通した玩具の指輪で
あなたの心をずっと守るから
僕の指定席はいつも四番目
大きなケーキにナイフを入れよう

情熱

貰った花の色は赤でした
あなたの心は燃えているのです
火の海に飛び込むような
私の体が水を求めたら
眩しい太陽を見てはいけない

情熱

貰った花の色は赤でした
あなたの心は燃えているのです
火の海に飛び込むような
私の体が水を求めたら
眩しい太陽を見てはいけない

十四歳

両腕の血管が浮き出ている
脈を測ったら針が触れるから
恋という病をカルテに書いて
私に点滴を打って下さい

先生の顔を見たら余計に
心臓の音にエコーが掛かり
部屋の外まで聞こえそうになる

沈まないベッド
消毒液の匂い
真昼の空は呼吸をしていた

痛いのはどこだろう?
もっと強い薬が欲しくて
頭を抱えて寝そべってみるが

何も与えずに行ってしまう悪魔
体温計を渡す時に覚えた
小さな指輪の跡をなぞれば

固いダイヤの壁に囲まれて
身動きの取れぬ私の病は
失恋という名前に変わった
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