心一つで見え方が変わるっていう。

まわりから見えるボクの顔、姿。可愛い顔をしているって言われる、女顔だと。
でも自分で鏡を見ても、なんて言うか、男にしか見えないんだ。
女の恰好して、化粧して、髪の毛も結んで、どんなに可愛く着飾ってみても鏡に映る違和感、この女は誰だ?って。
自分の頬に手を当てる、同じようにする鏡の中の女、微笑んでみると同じ表情を浮かべる、キミは、誰なの?
ゾッとする、寒気がする。これをオレだと認めるのが嫌なのか、オレじゃないと思っているのか。鏡に映る可愛い女のこれはきっと、優なんだ。
いつから雅芳と剥離してしまったんだろう、男の格好しても女の恰好しても根本的に存在は自分の筈なのにいつからか演じ分けてしまった、上手く統合ができない、どうやって共存していけば良い?分からない。


書くことで整理する、考える時間は無駄にある。どうやって生きたら楽なのか、まずはそれから。

どちらかを殺すなんて、今のボクにはできない、あれ、今のボク、それは誰?
女とか男とか面倒臭い、でも分けてしまったのは自分だよね、どうしたら二人で生きていける?今ワタシは誰なんだ?


鏡は答えない、当然か、そうだね。

双子のように生きてきてしまった、存在しているように振る舞ってしまった、一つの体なのに、二人いたんだ。
雅芳のお陰でここまで生きてこられたんだ、でも雅芳のまま生きることがよくわからなくなってしまったんだ、でも女として生きていける自信が無い、雅芳として生きて、傍に優がいてほしい、それは我が儘なのかな。


化粧を落とすこの瞬間が素ですか?
この体は誰のものなんだ?
ボクは今誰で生きてる?分かんない、分かんないんだ、答えを出さないと気が済まない性分、グレーに生きていけたら良いのに。


生き辛くしてるのはきっと自分、わかってるつもりなのに、な。