決められた言葉で紡ごうとすると、
途端に口が重たくなるんだ。

一時期の私はそれを何とも思わなくなっていたくせにさ。

あれから、たくさんの事があって。

どんどん口は重さを増していく。


決められた言葉は重たくなるくせに、
自分の言葉で紡ごうとした途端、
するすると言葉が出てくるんだ。

そうか、私はこんな風に感じて思っているのか。


心を持つのは、ある意味認められなくて、
押し込めてばかりいた。

短い時はそれでも自分の気持ちは分かっていたんだ。
ちょっと別の場所に大丈夫な時まで保管していただけ。


でもそれが、だんだん長い時間になって。

自分が分からなくなった。


どこに置いたのか、
何を置いたのか、
それを思い出せないくせに、
時々姿が過ぎるから手に負えない。


生まれた時から、捨ててきたものが、
本当は捨てたくなかったものだなんて、
そんなの記憶が無くとも分かってる。


大切なものほど、隠すんだ。
突き放すんだ。

他者からも、自分からも。