だけど、ね

「暇すぎて死にそうなんだけど、フラン」

「それならプール掃除やってきたらどーですかー」

「嫌」

屋上でプール掃除をサボりながら（大体なんでうちの部が駆り出されたのか分らない）、炭酸を飲んだ。あ、もう空っぽ。

「つーか暑い」

「ですねー」

空き缶をぐしゃりと潰して、フランを見ると制服のＹシャツを脱いで、Ｔシャツになっていた。どんだけ暑いんだ。

「あ、スクアーロ先輩が残念なことにー」

「あーあ、ほんとだ」

「やっぱ出なくて正解でしたー」

屋上から見られるプールでベルにホースで攻撃されたスクアーロがびっしょびしょになったのが見える。ちゃんと出てたら、きっとフランが標的だったろうに。

「てめぇらぁ！何でそこにいんだぁ！！」

「「げっ」」

あんだけ離れてんのにがっつり聞こえるスクアーロの声にやばいなーみたいな。バレちゃったなーみたいな。

「さぁて、逃げるか」

「賛成ですー」

真っ青な空に浮かぶ入道雲を背に私達は逃亡を開始しました。


入道雲×空き缶×制服