「ん……ん?」
アヤが目を覚ますとそこはベッドの中であった。
体を伸ばしながら起き上がると隣で眠るマユの姿が目に入った。
「マユ……」
マユは気持ちよさそうに眠っている。
マユもアヤとテルを立て続けに魔法で治療したため疲れたのだろう。
「気がついたか……」
ショウが椅子に座りながら、そう呟いた。
「ショウ、ここは?」
「試練の塔3Fの宿泊施設みたいなところだ。」
ショウはそう説明して大きくあくびをした。
「テ、テルは?」
アヤがそう聞くとショウは少し微笑み、反対側にあるベッドを指差した。
そこには同じく寝息を立てるテルの姿があった。
「お前ら二人でマチナ12を倒したみたいだな。」
ショウはそう言ってアヤに一枚のカードを投げた。
それを受け取るアヤ。
「ルートディガー・ウノのライセンスカードさ。」
ショウの言う通りカードには★☆☆☆☆と書かれていた。
「倒したんだ……本当に……」
アヤはテルの方を見てそう呟いた。
「やっぱりテルが倒したのか。」
ショウの呟きに対し、アヤはテルに告白した話を除き、それまでのいきさつと戦闘の内容を思い出せるだけ話した。
「……そうか、いろいろと頑張ったな。」
ショウはそう呟くともう一度あくびをしていた。
「起きたならシャワーでも浴びたらどうだ? 昼になったらここを出ることになってるしな。」
ショウはそう言うと時計のほうをチラッと見る。
それにつられてアヤも時計を見た。
時刻は午前8時を過ぎていた。
試験を受けていたのが昼過ぎ、終わったのが夕方であったから、それから実に12時間以上も眠っていたわけである。
アヤはマユを起こさないようにとベッドから出ると自分の服を見て服が変わっていることに気がつき、慌てて着ている服を触る。
「あ、あぁ……医務系スタッフが着替えさせてたよ。アヤが着ていた服はマユが洗濯にかけて、あの部屋で乾燥してある。」
それに気が付いたショウが指差すほうには乾燥室と書かれた扉があった。
「そうだったんだ。」
アヤがそう言って乾燥室の中に入ると、そこはからっとした熱気に包まれていた。
そこには4人全員の服がかけられていた。
もちろん下着類も。
アヤは少し恥ずかしくなったが自分の衣服を取ると部屋を出た。
そして風呂場まで向かい、脱衣室の扉を閉め、一人服を脱ぐとシャワーを浴び始めた。