話題:二次創作小説
(my設定ばっかり本編後の記憶あるまま亜空にぶっ飛ばされたマザー組の話)
話題:創作小説
10/31話。
だいぶやっつけ。
「アリー! とりっくおあとりーと!」
「はい」
だらしなく緩みきった笑顔で両手を差し出したジーンにアリシアは柔らかく微笑んで小包を渡した。ぴしり。ジーンの表情が凍り付く。
「……え?」
「なに。文句あるならあげないわよ」
「っいる! いります!! ……いやだってアリシアからお菓子貰えるなんて……」
ぐしぐし泣き真似るジーンにアリシアはにっこりと笑って、
「そんなに喜んでくれたらルーウェンも嬉しいと思うわ」
「ぎゃああああああ!!!」
食ったら最後天国が見える素敵料理を作る最年長の名を出されて、ジーンは慌てて小包を彼方へぶん投げた。これとりーと違う、とりっくや……。崩れ落ちたジーンを横目にアリシアはパンプキンパイの入った包みをそっと背に隠した。
しばらくして立ち直ったジーンが食堂に立ち寄ると、そこには涼しい顔をしてパイを食べるエーファとルーウェンが居て声にならない叫びを上げた。
(…………お、俺の分は?)
(あら、アリシアに貰ったんじゃなくて?)
(ジーン君用って頑張ってたのに)
(――!! さ、探してくる!!)
(……騒々しいですわね)
(やっぱり貰えなかったんだ可哀想に)
(可哀想って顔じゃありませんわよ)
(いやあ、面白いね彼)
***
困った時のドラクエ3組。
勇者と愉快な仲間達。なお本編は予想以上に重苦しくなったのでボツ。
ハロウィンでやる内容なのかはしらない。多分バレンタインって言っても気づかれなry
話題:二次創作小説
キーアル
マリベル様視点。
この広い空の下のどこにも君はいない。
(確かに救われた世界が色褪せて見えるのは、きっと)
なんでもないよって笑うアルスの表情が、大人がなんでもないと誤魔化す時のそれに見える様になったのは、あの日を境にしてのことだった。
あたしも、アルスも、ガボも、突然のことに現実を受け入れられなくて、ただ押し付けられる様に渡された荷物の中にあった手紙だけが、唯一あたしたちに残されたあいつの存在した証だった。
重苦しい気分のまま王様に報告して(冒険に出るのを許さなかったことをとても悔やんでた)、リーサ姫に伝えて(綺麗な顔をくしゃくしゃに歪めて嘘よと泣いていた)、みんなと別れて家に帰ったあたしをパパたちは心配そうに見てたけど、余裕のなかったあたしにはその優しさが居た堪れなくて、逃げる様に戻った部屋のドアの鍵を閉めたのとほぼ同時に溢れ出した涙を抑えられず、ドアに手をついたままずるずると泣き崩れた。
苦しくて、悔しくて。だけどきっと、アルスの方がもっと傷付いてる。そう思ったらあの馬鹿のことが憎くて仕方なかった。
だってアルスは誰よりもあいつのことが大好きだったから。
エスタードのみんなが愛した王子はあの日、サヨナラの言葉もないままこの世界から消えた。
話題:創作小説
徹夜開けのテンションの結果。
「どうしたら良いか、わからないんだ」
綺麗に眉を顰めるというのは、中々に難しい事じゃないかと眉間に手を当てながら思った。いや、向かいのソファで思い詰めた表情でティーカップ掴んだまま何かぼやいた美貌の男に嫉妬してるとかじゃなくて。見た目と中身が一致しないだけでここまで危うい雰囲気を醸し出すのかって思っただけで。
科学の神秘というかその、母胎でなく培養液の中で過ごしてる間に外見ばかりが成長してしまったこのガキは、最近生意気なことに恋なんていうものを覚えたらしく、たびたび物思いに耽っては困った様に俺に問うのだ。その姿がまるで捨てられて途方に暮れる小動物のようで……俺より背の高い男がっていうギャップにちょっと頭が痛いだけで。その相手が俺の細胞を分けた、これまた培養液育ちのちんちくりんのガキだって事に頭抱えただけで。
自分と同じ境遇で、自分より小さくて弱い生き物を過保護に守っている間に、妙な情を抱いたんだろーなって事は想像に易いんだが。
「……あーその、なんだ。お兄さんはこのバカ野郎という言葉しか持ち合わせてません」
「……仕方ないだろう。あいつにはお前の面影が多すぎる」
「その言い方やめようか。俺がなんかしたみたいになる」
「違うのか?」
「違、い、ま、すー! ちょ、遊びだったのかみたいな顔止めろ。……っ笑うなバカ! お前、ホント性格悪くなったな!」
「お前のお陰でな」
「へいへい。友情としてなら幾らでも応援してやるからとっとと正気に戻れくそガキ」
慌てさせられたっていうか嫌な汗かかされた礼に空になったティーカップに、こいつが最近飲む様になった珈琲を入れてやったらごっつ渋面されたのが今日のハイライトです。
そしてなんも解決してない事に気づくまであと30分。