話題:突発的文章・物語・詩
前回のカルピスの件、せっかく写メったのに画像を上げていなかった……。
いや要らんけれども(´∀`)
この喜びの丈を全力で出してたつもりの、ごく普通の画像をあげ忘れるとはなんという失態だ!!と思ってですね。
しょうがないから、先日、設定上書き散らしたきりフォルダの中で遊んでしまっていた文章を、追記にてあげようと思います。
なんだかすごく気持が悪いショタ夢月なので、交尾とか死に関わる(手を下している)事とかが苦手な方は、閲覧せずに、そのまま私が狂喜乱舞して撮影したカルピスの画像だけを見て、ブラウザバックをおねがいします。
いくつか、虫の交尾を見せられた。
どう思うかと聞かれて、なんとも思わないと答えると、その度虫が殺された。
再び、どう思うかと聞かれて俺は、
「なんとも思わない」
と返した。
難しい顔をされた。
いくつか、動物の交尾を見せられた。
どう思うかと聞かれて、なんとも思わないと答えると、その度動物が殺された。
再び、どう思うかと聞かれて俺は、
「なんとも思わない」
と返した。
また難しい顔をされた。
いくつか、人間の交尾を見せられた。
どう思うかと聞かれて、なんとも思わないと答えると、その度人間が殺された。
再び、どう思うかと聞かれて俺は、
「なんとも思わない」
と返した。
また、難しい顔をされた。
そうして、月日が経って。
とある妖怪の交尾を見せられた。
何も思わなかった俺は、とある答えに行き着いて、雌を縛り上げ、その目の前で雄を殺し、その後で雌を嬲り殺しにした。
何も感じなかった。
ただ、あらゆるひとに目を背けられた。
俺が風代家に連れていかれたのは、それからすぐだった。
――心 海――
「夢月が虫や動物を殺している」
そんな噂が、この里に流れているのは知っていた。
それは真実だったし、まだ10やそこらの俺にも、それが周りにとって快くないものであることも理解できていた。
ただ、その心が理解できなかった。
周囲に溢れている心というものは、とても広く、果てがなく、澄んでいたり濁っていたりしている。
この動きを読むことは、なんとなく出来てはいたものの、いざ自分の中のそれを覗き込んでみると、見渡す限り暗くて、その広さを知ることも出来ないほどだった。
痛みなど知らなかったし、知るための心がどこにあるのかも分からない。
これがどれほどの孤独か想像できるだろうか。
言葉など出てこないのだ。
「夢月」
呼ばれて俺は、自室の襖の向こうを見た。
影が見える。あのひとだ。
俺がどうぞと答えると、あのひと……里親の泰孝さんが仏頂面で入ってきた。
この顔は、判断が難しいけど、悪い話を聞かせる時のものだろう。
俺はそれまで寝そべって広げていた、寺子屋の綴りを閉じると、佇まいを整えて、正座をした。
泰孝さんは俺の前まできて同じように座すと、少しの間じっと俺の顔を見つめて、それから話し始めた。
「……あまり、急くなよ」
「急く?」
「人それぞれという言葉がある」
俺が心当たりを頭の中で挙げている中、泰孝さんは悟すように告げた。
「近頃、お前がしていることをよく耳にする。その意味に行き着いた時、俺は霊界の連中同様、いっそお前を殺めてしまおうかとも考えた」
「……。いいですよ。泰孝さんや双許さんになら殺されてもいいです」
「まて。そういうことを話したい訳ではない」
でしょうね。
彼の性格を考えて、そう俺は心の中で応じて、続きを待つ。
「少し待ちなさい。お前の中にも確かに、お前が求めているものはあるのだから、それを殺すような事は、金輪際控えなさい。未来のお前に失礼だ」
「殺さないんですか」
「死ねば会えなくなるぞ」
説教が、説教ではなくなっていた。
会えなくなる。
これが誰を指すのかは、嫌でもわかる。
そこを突くそのひとに、殺意でもなんでもないざわつきを、胸のあたりが感じるものだから、俺はそっと自分の心臓に手を当てた。
「……泰孝さん。菫が俺に、婿になれと言うんです」
気づけばそう口にしていた。
泰孝さんは驚きもせずに、僅かに笑い声をたてて「そういうこともある」と硬い頬を優しく歪ませる。
そして、
「果たして菫は、お前の手に落ちるかな」
と、淡々と言葉を紡ぐ。
ばれていた。
俺が笑うと、泰孝さんはますます柔らかな面持ちになって、腰をあげた。
「まあ、諄いようだが急いてはいけない。俺もいつまでお前達を見てやれるか分からん」
そう言い残して「それだけだ」と泰孝さんは、再び襖の向こうに姿を消し、静かに廊下を歩いていく音を響かせ、やがてどこかへ行ってしまった。
「……泰孝さんは本当に解りづらいなあ」
ふう、と息をついて寝転ぶと、俺は気づけば笑いがこみ上げていた。
無邪気でも、明るくもないそれは、濁って部屋に沈殿する。
ああ、ここが俺の心か。
確かな言葉にできなくても、幼いながらにそう感じる。
「じゃあ、もらいますね」
自力で歩けるようになってまだ幾年しか経っていない妹に思いを馳せて、俺は瞼を閉じた。
2013-10-1 21:15
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