ラストは倉庫から拉致ってきたバトンです。
最近、あまり小説を書けていないにも関わらずサイトに遊びに来てくださっている皆様へのせめてものお礼に、と今回無駄に頑張りました(ぇ
しかーし!
ネタバレ満載文になってしまったので、閲覧の際はご注意いただけると嬉しいです…!
『小説バトン』
*rule
小説を書いている皆様へ。
これから出すお題にあった内容で
短文を創って下さい。
創作、版権どちらでも構いません。
(一人称等変えても良いです)では。
*1 さよならまで
《水の旋律2 緋の記憶 好春×きら》
「好春!」
僕を見つけるなり無邪気に手をふりながら走り寄ってくる
そんなちぃ姉の姿に嬉しい感情とともに胸が押しつぶされそうな苦しさに襲われる
「ごめん、待った…よね?」
「ちぃ姉、また寝坊したの?」
「ほんとごめん!お詫びにアイス奢るよ…!」
ちぃ姉は知らない
こんな風に笑いあえる時間が僕たちにはもうほとんど残されていないこと
だから
僕は何も知らない愚かにも愛しいちぃ姉の為に
最後の日まで明るくて優しい"好春"を演じてあげよう
「アイスはいい、」
それが今の僕にできるちぃ姉への唯一かつ最大限の愛情表現
「今日はアイスよりも1日中、ちぃ姉に傍に居てほしいんだ」
真実が明らかになる
そのときがきっと最後になる
だから今はちぃ姉の為に笑うことに決めたんだ
(僕とちぃ姉、2人のさよならまであと少し)
*2 僕が愛して君が憎んだ
《遙か3 弁慶×望美》
「どう、して…?」
崩れ落ちた君の瞳に浮かんでいるのは明らかな絶望
「どうして、なんて愚問ですね。強い者に惹かれるのが人の性というものでしょう?」
涙を堪えながら僕の顔を精一杯強く睨む
その姿がたまらなく愛おしいのだと告げたならば、君は信じてくれるでしょうか?
「……僕を恨んでくれても結構です」
この身が滅んでしまった後にも君の心から僕が消えないように
いっそのこと誰よりも、何よりも僕を憎んで
(そして、どうか僕を忘れないでいて)
*3 きっと、また、この掌に
《緋色の欠片2 翡翠の雫 晶×珠洲》
「珠洲!」
「……あき、ら…?」
走り寄ってくる足音に顔をあげれば
そこには幼なじみの姿があって
「またお前は無茶をして!」
強い口調とは裏腹に
うずくまっている私の背中を優しく擦ってくれる
そんな晶の手が心地よくてそっと目を瞑れば
ふわり、と抱き締められた
「頼むから、俺にあまり心配をさせないでくれ…」
「……ごめん、なさい」
私の制服を握り締めながら苦しそうに呟いた晶の声に
たまらなく切なくなってその背を抱きかえせば
更に強くなった抱擁と溢れんばかりの愛しさが私を更に切なくさせた
(いつだって私を守ってくれたのは晶だった)
(私は きっと、また、この掌に救われる)
*4 気付くと
《金色のコルダ 火原→香穂子》
「あー、今日もいい天気だなー」
ぼんやりと一人、屋上のベンチに腰掛けて
学院内に溢れている"音"に耳を傾けてみる
(あっ、あのフルートの音は柚木かな)
(向こうから聞こえるショパンは絶対に土浦!)
(ひときわ上手なのはきっと志水くんのチェロだよね)
たくさんの楽器の音
色とりどりな旋律
どれもみんなそれぞれキラキラと輝いている
だけど、
(……あ)
その中でもただひとつだけ
俺の心の奥を掠めたのは
真っすぐと澄んだメロディに合わせて
優しく唄うヴァイオリンの音色で
心地よいその音にそっと目を閉じれば
ほんわかとしたあたたかさに満たされたような気がした
(気付くとその音色を、彼女を俺は好きになっていたんだ)
*5 辛くない、辛くないけど今は泣かせて
《Panic Palette 乃凪と亜貴》
「私、少し自惚れてたんです」
「依藤さん…」
自嘲気味に微笑んだ私に乃凪先輩は悲しそうに眉を寄せた
「葛ちゃんが私に優しかったのは、私が葛ちゃんの従妹だからだって少し考えればわかることだった、のに…」
「…もういいよ。もう何も言わなくてもいいから」
優しい言葉と同時に
私の体はすっぽりと先輩の腕に包まれる
(辛い訳じゃない)
大好きな葛ちゃんがずっと笑っていてくれるのなら、たとえその隣にいるのが私じゃなくても
それが一番の幸せで
(辛い訳じゃない、けど…)
「乃凪先輩…!」
小さな子供のように
私は先輩にすがりつきながら無我夢中に泣きじゃくった
(辛くない、辛くないけど今は泣かせて)
*6 二番目
《アラビアンズ・ロスト アイリーン→マイセン》
「愛してるぜ、プリンセス」
(嘘ばっかり)
マイセン=ヒルデガルドはいつもへらへらとした笑顔でさらりと愛の言葉を囁く
それが私をどれだけ苦しめているのか
あの男は永遠に気付きもしないだろう
(気付かない訳ないじゃない)
マイセンがどんなに私に愛を語ろうが
どんなに傍にいようが
あの男が心を捧げるのはただ一人だけで
それに気が付かないほど私は愚かな女じゃない
(愛してるなんて)
もう、そんな戯言は聞きたくないわ
(たとえ永遠に2番目だとしても)
(あんたを愛してしまいそうになる)
*7 勿忘草の花言葉(…私を忘れないで)
《らぶ☆どろ 奏×かなた》
「…やる」
「私に、ですか?」
"ありがとうございます"と笑いながら花を抱き締めたかなたに胸が優しい苦しみに襲われる
「きれい…。奏さん、これって勿忘草ですよね?」
「さぁな、適当に選んだから俺は知らん」
「もうっ、何ですかそれ」
可笑しそうに首を傾げた
その姿が何よりも愛しくてそっと花ごと抱き締めれば
かなたがくすぐったそうに腕の中で身じろぎをした
(本当は、)
この花が何なのか知っているけれど
これは何も告げてやれない俺からの精一杯の秘密のメッセージ
だから敢えて知らないふりをしたんだ
(どうか気付いてくれ)
いつかはその存在さえも消えてしまう俺だけど
(全ての想いは勿忘草の花言葉に)
*8 君がいない世界
《星色のおくりもの 誠悟ルート》
「……ふぅ」
ため息と一緒に小さく空を仰げば
清々しいほどの蒼が俺を責め立てるように沈黙を保っていた
(……桜依)
飛び損ねて倒れこんだマットに身体を預けたまま
ふと愛しい幼なじみの少女の姿を思い描いてみる
彼女を忘れるために
逃げ出すためにわざわざ村を離れたというのに
思い出すのはいつでも桜依のことで
(会いたい、)
一人で見る空がこんなにも広いだなんて
桜依と一緒にいた頃は気付きもしなかった
(君がいない世界がこんなにも切ないなんて)
*9 偽りの接吻
《乙女的恋革命☆ラブレボ!! 鷹士×ヒトミ》
「お兄ちゃん…?」
おでこを押さえたまま不思議そうに傾げられた頭をそっと撫でると
ヒトミは子猫のようにそっと目を細めた
「…よく眠れるように、お兄ちゃん特製のおまじないだ」
いつものように優しいお兄ちゃんの顔で頬笑めば
"ありがとう"と安心したように笑う
そんなヒトミの姿に胸の奥がズキリと痛んだ
(ごめんな、ヒトミ)
この想いはきっとお前を傷つける
だから俺はこれから先も"いいお兄ちゃん"のままで
妹の幸せをずっと笑顔で見守り続けることに決めたんだ
(本当はおまじないなんかじゃない)
(このキスは俺への偽りの接吻)
*10 終わった後のもどかしさ
《水の旋律2 緋の記憶 優×きら》
「………」
「………」
白石先輩を庵から助けだした帰り道
私と設楽くんは晴れて両想いとなった
なった……のだけど
(き、気まずい…)
嵐のような告白の直後ということもあって
私たちは一言も発する事無くバスの揺れに身を任せている
(どうしよう、)
もっと色々話したいのに
照れが邪魔をして上手く口が動いてくれなくて
何とも言えないもどかしさに悶々と一人考えを巡らせていた
そのときだった
「っ…!」
ふいに握られた手
驚いて横を見れば、林檎顔負けなほど赤くなった設楽くんの姿
そのことが妙に嬉しくて幸せで
私も思い切って、そっと設楽くんの肩へと身体を預けたのだった
(終わった後のもどかしささえ、今は愛しい)
*11.ありがとうございました。
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初挑戦な作品やキャラが多々あったので、色々とツッコミどころはあるかと思いますが、その辺は目を瞑ってやっていただけると助かります;
むむ、何だか全体的に切ないというか暗いというか…
まぁ、頑張ったからそれもよしかな!←
えと、バトンはこれで終わりです!
最後まで長々とお付き合いくださり有難うございましたv