前に書くだけ書いて襲撃して忘れていました←
メール整理中に発掘したので載せます(遅い)
見たことある方はそのままスルーして下さいませ。
(仔狐話のパロ)
母さまが亡くなって、ひとりで泣いてばかりだった。いじめられて、母さまが居なくて、涙が渇れる日はなかった。でも彼に会って泣いてばかりいられないって思ったんだ
(また、いつか会えるといいな)
そう言って笑んだ彼の笑顔に胸が暖かくなった。
会いたい
会って伝えたい
そしてほんの少し強くなれた自分を見てほしい
彼への想いが子狐を強くした。母が教えてくれた切符の買い方や電車の乗り方を思いだし、子狐は彼の元へと向かう
揺れる電車の中で母を思いだし悲しくなったけど、直後に浮かんだ彼の笑顔が自分を駆り立てた
会いたい
彼に会いたい
「あ‥」
見つけた。でも色んな妖に囲まれている彼の側に足が竦む。幾星霜も季節の変わりを見てきた彼、自分より生きて来た長さの違う彼に自分との出会いなんてほんの些細な出来事だったのかもしれない
彼の姿を目に焼き付け踵を返すと子狐は反対の方向に駆け出していた
元気そうだった
楽しそうだった
そうだ、彼は自分と違って強い
会いたくて‥
‥寂しかったのは自分だけ
「あ!!」
躓いて転んだ地面の冷たさが子狐をさらに一人に感じさせ、せっかく拾って被ってきた帽子が転がっていく様をぼんやりと眺めるしかなかった
「おい‥」
「え?」
不意に声を掛けられ伸びた人影を辿れば見知った顔があってビックリした
「やっぱあん時の子狐か、なにやってんだこんな街に来て?」
「えっ‥あ‥」
グイッと手を引いて転がったままの自分を起こしてくれた人の子をポカンと見上げると人の子はめんどくせぇ。と呟き頭を掻いた
「あ‥ごめ‥さ、い‥」
自分は人の子にまで迷惑をかける駄目な奴なんだと子狐の瞳が揺れる
「あー、違ぇよこれは‥「コラァー!!奈良!!可愛い子狐をいじめてんじゃねぇー!!」」
ドスッと鈍い音と共に奈良と呼ばれた人の子の横腹に丸い何かが体当たりする様に突っ込んで来た
「‥イテェ。なにしやがる九尾」
「お前こそ何してんだ!!」
ジトッと睨み付ける人の子の足元を見れば会いたくて、会いたくてしかたがなかった彼がいて涙腺が壊れた様に涙が流れた
「わ!どうした?奈良にいじめられたのか?」
「おい。」
「ごめんな。奈良は目付きが悪いけど、こんなんでもちょっぴり優しい所があるんだぞ?」
怯えてると勘違いした九尾はナルトへと姿を変え小さな子狐の身体を優しく抱き止めた
「そっか‥俺に会いに来てくれたんだ、ありがとな」
記憶の中の彼の笑顔が目の前にあって心がホカホカして来る
「お前は偉いな。そんな小さな身体でこんな人が沢山いる所まで出てくるなんて‥」
「だって‥」
会いたかったんだ。そう伝えると握ってた手を更にギュッと握って笑んだ彼に自分もつられる様に笑みが溢れた
「今度は俺が会いにいくよ。だからもう無理はすんなよ?」
「うん!!」
パァァッ嬉しそうに笑う子狐にナルトは獣の姿に変わり子狐を山まで送り届けたのであった
「よお。お帰り九尾」
「?た、ただいま‥」
子狐を送り届けたあと、奈良の家に帰ったナルトを迎えたのは何故か微笑んでいる奈良だった
「九尾‥」
「な、なん、だ!?」
口を開いた瞬間に投げ入れられたモノを九尾は思わず飲み込んでしまう
「何を‥うわっ!!」
何をした。と言葉にする前に身体が自分の意思ではなく変化した
「へ?なんで??」
ナルトの姿になった九尾はどうしてだろうと首を傾ける
「へー。ちゃんと効くんだな」
「奈良?なんだこれは?」
「あー、なんか妖力を使わなくても変化出来る薬だとよ」
「ふーん。で?」
「あ?‥あぁ。なんでこんな、めんどくせぇ事をしたかって?」
ワザワザ薬などがなくとも九尾位の大妖には変化などは容易いのに、何故?とナルトの瞳が問う
「分かんねぇのか?つまりはお前が九尾に戻らない様にワザワザ俺が妖を呼び出しておど‥頼んで作らせた薬なんだぜ?」
ちょっと待て!
いま、何か不吉な予感が駆け巡ったんですけども!?
ダラダラと冷や汗をかくナルトに奈良は笑みを浮かべたままのたもうた
「さっきは随分な事を言ってくれたじゃねぇーの」
腹も痛かったしな。と今では痛くもなんともない横腹を摩り笑みを深める
「まぁ、“こんなんでも優しい所がある”俺だし‥」
「――――っっ!??」
「優しく抱いてやるよ‥」
朝までな?
「ギャ―――!!??」
ペロリと舐められた首筋に悲鳴を上げるも時既に遅し、気が付けば天井が見え、素早い手付きで服は脱がされていた
「そうそう。夫妻は今日は留守だってよ」
良かったな。と笑んだ奈良にナルトは声にならない悲鳴を上げたのであった
終わり☆