久し振りに執筆活動を再開したら一話にとんでもない時間を費やしました。死帳サイトとなんら無関係の沖田夢です(私情持ち込みまくり)
シチュエーションは甘いです、たぶん。けど、いつものごとく脱線気味(またかよ)この調子で休止期間脱出できそうな予感です。脱線気味なのに?(笑)
沖田隊長の膝の間に入りたい方はどうぞー(どんな勧誘だ)
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「いけないなぁ…」
縁側で居眠りをする沖田隊長を見かけた。
亜麻色の髪に纏うのは、湯上がりの優しい香り。
夕涼みでもしていたのか。
珍しくアイマスクもしていない所をみると、元々寝るつもりなんてなかったのかもしれない。
それにしても、隊長がこんな簡単に寝顔さらしていいんですか?
バレンタインに貰うチョコレートの数が二桁にもなる隊長が、モテることを自覚していないわけはあるまい。
知らないうちに、唇奪われても知りませんよ?
静かに歩み寄り、首を傾けて、その貴重な寝顔を覗き見る。
縁側を流れる風が前髪を揺らし、無防備に閉じた瞼が見えた。
この人は、なんて綺麗な顔で眠るんだろう。
洗いたての髪の匂いが頬を撫で、誘われるまま、揺れる前髪に手を伸ばす。
髪に触れるだけのつもりでいた右手は、最悪のタイミングでその行き場を失った。
「俺の顔に何かついてますかィ?」
「あ、えーと…起こしちゃいました?」
目の端に涙をくっつけて隊長はあくびをひとつ。
「そんなに見られたら穴が空いちまいまさァ」
全くタチが悪い。起きてたのか、この人は。面倒だから何もなかった事にして通り過ぎよう。そう思ったのに。
「待ちなせェ」
ただでは帰さない。と言わんばかりに、隊長は私の手を掴む。
「一体、何しようとしてたんで?」
にやりと笑う顔に、先程までの無防備さは一ミリも残っていない。
きっと彼は、誰かがここを通ることも、手を伸ばすことも分かった上で狸寝入りしていたに違いない。どちらかと言えば狸顔だし(関係ない)
私みたいな女をからかう為の、単なるお遊び。暇つぶし。
女にさほど興味の無さそうな彼に、それ以上の意味なんてないんだろう。それにまんまと嵌った自分も哀しいけれど。
状況も忘れて、勝手な妄想でセンチメンタルになっていると、掴まれた手を強めに引かれ、隊長の膝の間に正座をするかたちになった。
あまりの至近距離に隊長の顔を直視出来ない。
「違いまさァ」
「何も言ってませんけど」
「あんたの考えてることなんざ、顔見てればわかりやす」
「狸のこと考えてましたけど」
大真面目な顔で言うと隊長は小さく笑った。
「あんた馬鹿だろィ」
そう言って掴んでいた手を緩める。そして、大事なものを扱うように私の頬に触れた。
「ちゃんと俺の顔見なせェ」
「お、おおお、おう、お、沖田たいちょ…」
予想外の展開に、色気のない声を連発してしまう私。
しまった。昨日読んだ『男を落とす恋愛テク』を、今まさに使うべきだった。
えと、確か…潤んだ上目遣いは、男にナニをナニされてる情景を連想させて欲情させるという上級者向けの荒技が…。
………。
って、何てこと考えてるんだ私は。忘れよう。昨日読んだ雑誌がほんのり大人向けだったことは忘れよう。
うにゅ。
「どこ見てやがる。ちゃんと俺の顔見なせェ」
軽く頬をつねられて、現実世界に引き戻される。
相変わらず、顔色一つ変えていない隊長だけれど、これまで見たことのない真剣な表情に、ごくりと喉が鳴った。
今はただ、目の前にいるこの人の顔を、目に焼き付けておくことにする。
「そこじゃねィやい」
「え?」
「俺が言ってるのはココでさァ」
そう言って人差し指を鼻につける隊長。
「鼻…ですか?」
「あんたが見るから、鼻に穴が空いちまったぜィ。どうしてくれる」
私は空いている両手で隊長の頬を力の限りつねってやった。
史上最低の口説き文句
(期待したのに…酷いです。我が子を崖から突き落とすより酷いです)
(でも可愛かったぜィ?)
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もうGUDAGUDAAAAA\(^O^)/
溜めたわりにオチが分かりづらくてすみません。「穴が空くほど見る」のと「鼻の穴」をかけました(酷い)
ドS総悟。甘いセリフはただでは吐きません。的なことを表現したかったんだけども文才がね← 死活問題。
愛は込めたからキャラ違ってもご勘弁!(逃走)
お題は『確かに恋だった』さまよりお借りしました。
追記で謝罪の甘オチver