2学期が始まると俺の中学では体育会の練習がすぐに始まった。

俺は陸上部だったので放課後は体育会の練習が終わってから毎回部活に参加、というサイクルでやっていた。


勿論そんな中でも部活が終わってから春樹と会ったりはしていたのだが、学校が始まった途端その春樹に変化があった。


それは夏休みの最後一週間ぐらい前に入ってから野球部を辞めていたのと、何があったのか春樹の取り巻きというのかいつも一緒にいたメンバーが変わっていたのだ。


それがまた野球部の奴らだっていうのが当時の俺にとって不思議でしょうがなかった事だった。
何故なら春樹は野球部を辞めた理由が、無断欠席が増えたから辞めたって聞いたからだ。夏休みもろくに行ってなかったと聞いた。




それから部活だとか体育会の練習で遅くなっていき春樹との放課後の約束を断る事も増え次第に会うことも殆どなくなってしまっていた。

さらに普段は春樹とは学校であまり話さないし、その春樹は野球部の奴らとつるむばっかりで益々俺達の距離は離れていった。





どうせ俺達はやりたいから付き合っていたに過ぎないんだ、男同士なんて無理だったんだ、なんて自分に言い聞かせながら俺は毎日を送っていた気がする。


しかし考えれば考える程、俺の中に占める春樹の割合は増えていった。







春樹との距離感を感じながらの体育会は特に何も起こらずに終わった。

授業も普段通りに戻り俺の生活のサイクルも戻っていった。ただひとつ、春樹といた放課後の時間を除いて。



春樹と遊ぶ事がほぼなくなり退屈な毎日の繰り返しいい加減飽きてきたある日、体育の授業で事件は起こった。




俺達はマットの授業を受けていたのだが、いつも俺達の担当をしていた先生が休み自習になった。
当然大人しく授業をやるわけなく皆好き勝手やっていたのだが、向こうの方ではマット運動ではなく柔道をやっている奴らがいた。


その中には春樹もいた。メンバーは春樹といつもいた野球部の奴らで端から見ればじゃれているようにもみえなくもなかったのだが、よく見れば寝技を掛けられていたのは春樹ばかりで柔道とは名ばかりのいじめと殆ど変わらなかった。




彼らは次第にエスカレートし、寝技を仕掛けながら春樹の体操服の中に手を入れたり下半身を執拗に触り出した。
春樹は声を上げようとするが春樹の頭の方にいた奴が口を押さえていたのでこちらまで聞こえてくることはなく、奴らの笑い声とその行為を楽しむ声しか聞こえなかった。


春樹へ寝技を掛けることに飽きた奴らはそれを解くと、今度はその中で彼女がいると言ってた奴が男女のセックスを教えてやるといい、皆で春樹を押さえ付けると春樹を女役にして擬似セックスをしだした。


まず春樹をM字開脚させ、次にそいつが正上位の格好になるように春樹の股間目掛けて下半身をひっつけた。そしてそいつは短パン越しであったがかなり激しく腰を動かし春樹の股間に自分の下半身をガンガン当てていた。そいつはそれを更に春樹に顔を近づけながらやっていた。
それは春樹の性別と体操服を除けば紛れも無い男女のセックスだった。まるで俺と春樹のセックスをカメラで見てるかのようでもあった。




その他にも春樹を四つん這いにさせてバックをしたり、正上位に戻したと思ったら持ち上げて駅弁の体勢になったりと、色々な体位を春樹を使って実演していた。


春樹の顔を見ると、もうどうにでもしてくれといった顔で最後の方は抵抗もせず奴らのされるがままになっていた。
野球部の奴らは逆に興奮してその様子を見ていた。



俺の方はというと嫉妬と憎悪を、春樹を好き勝手にしている奴らに持ちながら怒りを通り越して半ば冷静に見ていた。
つい1・2ヶ月前まで俺がそいつらと同じ事をしていたのに、(擬似とはいえ)春樹が違う奴らにヤられているのを見せられて俺は春樹を奴らに取られたのだとこの時実感した。



その後も行為は続き今度はかわるがわる春樹を使って擬似セックスが行われ、中には興奮して勃起させたチンコを(当然短パン越しで)春樹の下半身に押し当ててヤっていた奴もいた。


なので下半身に来る刺激に我慢できずそのままトイレに駆け込んでしまった奴が何人かいたりもした。

俺はというと、授業の後トイレの個室に入り、脳裏に鮮明に焼き付いていた自暴自棄で皆にされるがままになっていた春樹の姿を思い出しながら、怒りに任せてがむしゃらにオナニーをした。
その時余りに早くイッたのと出た精子の量が半端なかった事、そして出してもチンコの強度が衰える事なく勃起したままだったのを強く覚えている。




散々な目にあった春樹は授業が終わった後、そいつらに連れていかれるように教室へ戻っていった。
その日は結局学校が終わるまで春樹は(俺が見る限り)野球部の奴らとずっといた。




しかし、というかやはりその翌日から春樹は学校に来なくなってしまった。
あんなことがあったのだから俺は当然こうなるだろうと予想出来ていたのであまり驚かなかった。



事件の当事者の奴らは皆ビクビクしていたが、春樹は不登校の原因を言わなかったらしく張本人である野球部の奴らが先生に叱られたりすることは結局なかったらしい。