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闇の中で思い出すのは







不意に 記憶が甦った

幼い頃からの友人…いや友人とも少し違うかもしれない。


同類


そう表すのが適当だろうか。


誰かに必要とされる
誰かを必要とする


俺たちは単純なことを知らなかった。



そんな彼が目の前から消えた時
自分の中で何かが壊れた音がした





怖く、なった。失うことが。


『兄ちゃん。』


自分を求めてくれるものを大切にしようと言い聞かせた。相手のために自分は存在しているのだと。


だからこそ自分は、再会した彼をあっさり受け入れてしまった。心の中ではきっと責めたかったのに。



彼が求めてくれるのが心地好かったから。











しかし、喪失は突然起こった



弟の死は、俺に思い知らせてしまった。
自分が生かされていたということ
自分を求めてくれるものにさえ俺はね
幸せをわけられないということ。



高校に短い退学の電話をした時に迷ったのは、彼に連絡をすべきかどうかだった。




……きっと、怒るんだろうな


簡単に想像できて笑えた。


彼のことを思えば、言ってやった方が良かったのかもしれなかった。彼は気にする人だから。


それでも俺は、結局言わないままだった


理由は、自分を求めてくれる人すら幸せにできない俺は、彼の中から消えるのが最善だと思ったからと


ほんの少しだけ、彼にまだガキだった俺の気持ちをわかって欲しいという、エゴだった。



彼は今どうしているのだろう。
考えながら、引き金に指を滑らせた



もし、照準の先にいるのが彼でも…俺は…






―――パン。

乾いた音が夜の街に響いた









こんなに簡単に引き金を引けるだろうか







「―――…馨。」

名前だけ呟いて、笑った。
だって記憶の中の彼が、あまりにもキレイに笑ったから。









◆◆◆◆◆◆◆
こんにちは、御鐘でございます。
これはaria様への捧げ物でございます。素敵なオリキャラをありがとう!これからも広げていきましょうね!

これからオリジナル更新頑張りますm(_ _)m

2008/10/16 都代御鐘
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