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雨がくれた運命


あの日、俺は出会った



人生最悪の日だと思った



あの日に







【雨がくれた運命】





“もう、お前をメンバーに入れておくわけにはいかねぇんだよ!!”




何で、こうなったのか。
もう、わからない。



どうして

俺はあいつらに何も言えなくて
やけに心臓が早く拍動してて
でも、心は冷えきっていて


…右手の中指は、動かないのか





そんなことしか考えてなかった。
もう、どうにでもなれって




これから先、ギターが弾けないかもしれないことよりも、あいつらに信じてもらえなかったことがショックだったから。




「………雨…」



雨音だけが、頭に響く。世界中の音が、雨に奪われたみたいに街は静か過ぎた。





「……嫌だ。」



音を、返してくれ。



ギターが弾けないかもしれない指
ズタズタになった信頼を



誰でも良いから






返して。







車を走らせて俺は、海近くの倉庫に来た。確か…そのまま死んでも良いやなんて短絡的な事を考えていた。





車を織りだ俺は、雨の中に身をおいた。何もせずに、ぼんやりと雨が降りてくる空を見上げていた。





先のことは何も考えて無かった。
自分ならどうでも良かった
このまま海に心中しようか。

バンドだって、何処かであいつらの為にって思っていた部分があった。





自分の為には生きられない





今までだって
アイツの為に生きてきた




“……兄ちゃん!”











「なぁ……もう良いか…?」



兄ちゃん、お前の分も

苦しめたかな?





その時だった



「―――――っ…??」


足元に、暖かい感触。



「……あったかい…っ」



「な…!……お前…っ!」



俺の脚にすがり付いて震える男




“誰”と声を出す前に、男は絞り出すような声で言った。




「――っ…どこ、も…ないっ…」



「…は?」




そのまましゃがんで、ぼそぼそと話す声に耳を傾けてやる



「――わかん、ないっ……ボク…っ」



脚にすがり付いてくる力がフッと緩くなり、くたり、ともたれかかってきた。その体を抱き止めると、ヤケに荒い息に気が付いた。






「―――おい、しっかり…って…お前いつからここにいんだよ!これ…絶対熱あるぞ!」



「…ん……わかん、な……」




「―――……バカだろ?…家出か?家出なら今すぐ親に―――」



体を抱き止めたまま、焦っている俺にコイツは言った。




「――――ねぇ。」





「なに?」











「貴方は僕を、幸せにしてくれる?」








震える体で、体温だって低くて、どこから来たんだかもわからないような、親も自分の状況もわからないような





段ボールに捨てられた仔猫みたいな





そんなヤツに言われたら







「―――…俺の幸せなんかで良かったら、幾らでも分けてやるよ。」





こんな俺でも出来るなら
裏切られたような俺でも良かったら




“今より”幸せにしてやるって







言うしか無かったんだ






「……へへっ………ぅ……」



男は、俺の手を自分の手でしっかり握ったかと思うと笑顔のまま目を閉じた。



「…あ!…っバカ…体力つかうような事をっ…あぁーもう!」





まただ。




また“生かされた”





どうしてこうも、世界は






俺を生かす理由を造るのが上手いのか












‡‡‡‡‡‡‡
こんにちは。御鐘でございます。
久々に三人組です。といっても兄と渚菊ちゃんです。かなり昔から考えていた渚菊と秋夜の出会いです。
友だちが三人組の絵を描いてくれてウハウハしています。しかもオリキャラまで!…絡ませるのが楽しみです。

では、最後まで読んでいただきありがとうございました。

2008/09/27 御鐘



お題お借りしました!
ひよこ屋 様

キャッチボール

ご招待状は、御持ちですか?

薔薇色の人生なんて嫌だ



森に囲まれた国の
切なくて可笑しい

薔薇が護る国の
愉しくて哀しい

薔薇を愛する国の
穢らわしく美しい




おはなし







「我々の命は」
「ただ一つ」
「薔薇の姫を」



「「「お守りすること」」」








rule of rose


それは真紅の薔薇を護ること




「それが、此の国のやり方だ」




「何よりも、誰よりも」






「我らが姫の為に」






何を言われようとも




「――本当に思ってんのかよ…!」




「あの人は、俺に言った。」




変えられなかった
忠誠の鎖が解けるとき










「貴方なら薔薇の騎士になれますよ」
「お前なら薔薇の騎士になれるよ」





「消えて貰いましょうか?――ね?ホンモノサンv」




目を醒ます誓約




「――貴方じゃない…貴方は……あの日のあの人じゃない!!」






「御無礼をお許しくださいませ、姫。」




「お前が、忘れてる真実だ。」





「―――オレの…所為なのか。」





「オレは守るよ。だって大切だもん。」







「でも、僕にはそんな資格は――」




「資格ねぇなんて、誰が決めんだよ。」






「サァ、守ってよ。私の騎士サマ」




「――…貴方の、御心のままに」




そう、それが
薔薇の掟
破ることの赦されない

破れば傷つく
蕀の掟






それが

僕らの




KILL ME

ご招待状は、御持ちですか?

世界の決意と君の嘘

ご招待状は、御持ちですか?

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