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冬の思い出 6

「銀誓館学園……?」
私が唖然としていると、男は高らかに話しだした。
「おや、銀誓館学園の諸君ではなかったのかね。これは失敬」
今日だけですでに何回も聞いている、銀誓館学園という言葉に反応した。
「私は、ホワイト・ゴールド。高貴なる貴種ヴァンパイヤだ」
…さっきまでいた従属種はつまり、こいつの手下だったというわけか。
「ただしかし、疑問が残る。この周辺には力を失った魔弾術士の一族がい

るだけで、能力者などいる筈もないのだが」
おそらくその一族とは、私の一族のことだろう。
「あぁ、そういえば。昔に戯れで力を与えたこともあったかな」
「……どういうことです?」
沈黙に耐えられず、言葉を出してしまった。ただそれに男は反応もせずに

続けた。
「結果どうなったか、知らなかったし知ろうともしなかったが、今ここで

会うことができるとは。運命としか言い用がないな」
不意にに襲った嫌悪感。
この男を受け入れてしまっては、私が壊れてしまいそうになる。
「……だまれ……」
「だまれ、ですか。残念ですね、せっかくの親子の会話を楽しもうとして

いるのに…」
「だまれっ!!」
全力で打ち込んだ炎の魔弾は、全力であったにもかかわらず、片手で撃ち

落とされてしまった。
「私の高貴な血が入ってるというのに、この程度ですか」
「ふざけるな!!」
「ふざけてなどいないですよ。我が娘よ」
次の魔弾は、弾かれもせず手のひらで吸収されてしまった。
「実の父親に2回も牙を向くなんて、これはお仕置きが必要ですね」
次の瞬間には、私は中に浮いていた。
「この近さなら当たるかもしれないですよ?どうです?」
簡単にわかる挑発。でも、私に力は残っていなかった。
「もう打ち止めですか。嘆かわしい」
そう言うと、男の周りに無数の吸血コウモリが現れた。
「バットストーム」
男が言った瞬間、
「イグニッション!!」
森のほうから声が聞こえ、男の攻撃は止まった。

水神祭の後

「ダインハルトさん、優勝しましたね」
クーンにアオが語りかけた。
「そうだねー。投票しといてなんだけど、優勝しちゃったねー」
話しているのは、先の水神祭での水着コンテストの内容だった。
「…チャレンジャーな若者は、あれに挑戦するんでしょうか…」
優勝者のファッションは、若者の間で流行するという。
「どうだろうねー。俺はやんないけどね」
クーンは断定した。
「それよりもアオの水着がかわいくてよかったよ」
「そうですか…かわいいなんて言ってもらえると嬉しいですね」
アオも水着コンテストに出場していたのだ。
結果は……想像通りだ。
「さて、コンテストも終わりましたし、この水着ともお別れですね」
「えー、たまには着てよ。せっかくかわいいんだから」
「………たまに…ですからね」
アオも、かわいいと言われてまんざらじゃないようだ…
こうして、忙しかった1日は終わっていった…
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魔道書の甘い罠

 ある昼下がり、クーンが昼寝をしていると声をかけられて、目を覚ました

「クーンさん、これからギガンティアに行きませんか?」

 その声の主はアオで、なにやら笑顔になっていた。

「んー?いいけど、いきなりどうして?」

 クーンは重たい体を起こしながら、アオの質問に答えた。

「先週魔道書を見つけたので、ぜひ使ってみたいなと」

 そう言い、見つけたばかりにしては古ぼけている魔導書を見せつけた。

 それを見たクーンは感心しながら、

「へー、これがそうなのか。んじゃ、早速行こうか」

 元気よくギガンティアへと歩き出し、それにアオも答える。

「はい。…まだ、アビリティは使えないですけど」

「……へ?」

 クーンの動きが止まり…アオの方をゆっくりと向いた。

「まだ、アビリティは使えないの?」

 そして、確認するようにゆっくりと聞いた。

「はい、あと2日程は使えませんね。デモニスタのアビリティ以外は」

「……今日行く必要性はあるの?」

「…レベルの高い魔道書を探す目的で」

 それまでやる気を出してたクーンは翻って、元の場所に戻り、昼寝を再開した。

「他のカンスト組と行っておいでー」

「やっぱりだめですか」

 そうして、アオは諦めました。

 

 

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夏コミ

結果が届きましたよ。
「抽選漏れ」
だそうです。

……そうですか。
次は冬コミですね。と、言いたいところですが。
背後事情で冬コミには出れないのです。
来年の夏かな。
出られる可能性があるとして。
ともかく。

早く連載を書き終われって話ですね。

和谷

冬の思い出 5

森に入ると、そこには従属種バンパイアがひしめいていた。
「……炎の魔弾」
自分の道を作るべく、魔弾を撃ち放ってけちらしていく。
森の中心に行かなくてはと、何かが私を追い立てる。
「それでも中心に行くには、数が足りないですね」
自分の能力の限界が意外と早いことを歯がゆく感じた。
それでも進まなくてはいけないと、そう信じた結果
「駆け抜けましょう」
強行突破に躍り出た。
ひしめいていたとしても、抜け道はかならずある。
そう信じて、敵を倒さずに走り抜けた。
「……っ!!」
森の中心に辿り着こうというところで、囲まれてしまった。
「…しょうがないですね……」
そうつぶやいて、炎の魔弾を従属種バンパイアに向けて放った。
そうしてポッカリと空いた道を駆け抜けていく。
ただ、中心に行かなくてはいけないという気持ちだけで。
気がつくと、森の中心の空き地へと出てきた。
「……ようこそ。銀誓館学園の諸君」
男が一人、存在していた。
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