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昔は

君の目を見て言えた言葉が、
今は言えない。

だって、

「嘘」になるから。

記憶

全てを思い出しても、
笑っていられる記憶が欲しかった。

1年だけで良い。
1度で良い。

その時代に戻りたいと思える感情が持てるよう、ずっと努力してきたけれど。
未だに達成出来ないな。

いつだって陰は付きまとって、
私を苛むんだ。

そんなに私が嫌い?
それとも私が好きなの?

今度こそはと思うのに、
結局いつも私は泣いている。


ほんと、馬鹿みたいだ。

言葉

決められた言葉で紡ごうとすると、
途端に口が重たくなるんだ。

一時期の私はそれを何とも思わなくなっていたくせにさ。

あれから、たくさんの事があって。

どんどん口は重さを増していく。


決められた言葉は重たくなるくせに、
自分の言葉で紡ごうとした途端、
するすると言葉が出てくるんだ。

そうか、私はこんな風に感じて思っているのか。


心を持つのは、ある意味認められなくて、
押し込めてばかりいた。

短い時はそれでも自分の気持ちは分かっていたんだ。
ちょっと別の場所に大丈夫な時まで保管していただけ。


でもそれが、だんだん長い時間になって。

自分が分からなくなった。


どこに置いたのか、
何を置いたのか、
それを思い出せないくせに、
時々姿が過ぎるから手に負えない。


生まれた時から、捨ててきたものが、
本当は捨てたくなかったものだなんて、
そんなの記憶が無くとも分かってる。


大切なものほど、隠すんだ。
突き放すんだ。

他者からも、自分からも。

様々な言葉に対して返すのならば、

「“あえて”です」よ。

何年目の真実?

あの時の貴方の言葉の意味を知って、涙がボロボロ溢れた。


今日っていうか、昨日は。
久しぶりに暖かくて、体調も久しぶりに良かった。つい先日には雪が積もっていたくせにね。
だから、頑張った。そしたら頭が痛くはなったけれども、それでも病気は落ち着いていたんだ。痛みがこんなにも無いのはいつぶりかしら。今なら何でも出来そうな気分だった。かなりの寝不足だから、眠いのは眠いけどさ。
そんなこんなで、1日が終わると思っていたんだ。その時までは。

だけど結局、
今日も私は泣いている。


本当私は鈍感で、全然気付けなかった。
今更遅いけど、ごめんなさい。

貴方が嫌いになった訳じゃないんだ。
大切で大切で。

その大切が大きくなりすぎて、
どうしたら良いのか分からなくなっちゃったんだ。
途端に怖くなっちゃったんだ。

私なんかが側にいても良いのかな。
って。

違うことには敏感なくせに、
自分への好意には鈍感で。

それじゃ駄目だって、
自分なりに努力してきたけれども。

いつだって、心の底には、
“私なんか”が棲み着いていて。

どうやっても、出て行ってくれないんだ。

それが言い訳だって言うのなら、
そうなのかもしれない。

だけども、これが厄介なんだ。
油汚れもびっくりなくらい。

自分でも気にしてるんだ。

泣かないでいて欲しいのに。
笑っていて欲しいのに。

いつだって私は大切な人を泣かせてしまうから。

あの時だって、そうだったよね。

ごめんね。
ごめんね。

今更だけど、貴方の心が届いたよ。

そしたらさ。
涙がボロボロ溢れてさ。

貴方に会いたくなった。

……何てムシが良すぎるよね。

会ってどうするんだろう。

あの時はごめんなさい。
って謝るの?

それこそ疎ましい。

だから、音に出しては言わない。
貴方にも連絡はしない。

……そもそも、まだ繋がるのか分からないけれどもね。

鈍感な私は、いつだって貴方の涙の理由に気付けない。

あれから、何年経った?

今でも貴方は、
あの時の事を気にしているのだろうか。

ずっとずっと、
私なんかのこと、忘れて欲しいって思ってた。

貴方に幸せになって欲しいから。

だけど、貴方は貴方で、
あの時幸せだったんだね。

怖がって、結局大切な人を傷付けて。

それでも貴方は気に掛けてくれるから。
貴方の側を離れたんだ。

貴方の手が届かないくらい。

声が聞こえたら、縋り付きたくなるから。
そう出来ないように絶ったんだ。

必死に手を握り締めて、
小さく小さく体を縮めてた。

握り締めたその手に、
貴方への思いが入っていたのは見逃してね。

決して開かないから。
お守り代わりにさせてほしい。

握り締めたものがあるから大丈夫って。
傷付けた貴方に報いれるよう、頑張ったんだ。

だけど、現実は。
頑張っても頑張ってもなかなか上手くいかなくて。

溜め息を吐いて、下を向いた時は、
貴方が思い浮かんで、慌てて上を向いたよ。

大丈夫、大丈夫。
そう自分に言い聞かせて。

だって。
私がそんな顔をしていたら貴方は心配しちゃうでしょう。

笑っていて欲しい。
哀しい顔をさせたくなかった。

だからね。
貴方の心からの笑顔が見れて。

幸せだって言った貴方を見て。
すごくすごく嬉しかったよ。

音に出しては伝えられないけれど。
私も今でも貴方の幸せを祈っていました。

だけど、もう大丈夫だよね。

どうかそのまま幸せであり続けますように。

例え困難が立ち向かっても、
最後は笑顔でありますように。

私の事を大切にしてくれた貴方。
分かっているつもりで、全然分かっていなかったね。

貴方の思いは、
想像していたよりも、ずっとずっと深くて。

それに気付けなかった私は、
とても愚かだ。

いつだって溺れて藻掻いているだけ。

だけどきっと。

私が溺れても、
貴方は受け止めてくれたんだね。

怖がってばかりの私でごめんなさい。

本当はね。
私も貴方の事が好きでした。

だけど、
言葉にするのが照れくさくて、怖くて。

あんまり言えなかったよね。

だから此処に残していこう。

ずっと握り締めていたものも、
此処に置いていこう。

握り締めていたと思っていたものも、
手を開けば微かにしか残っていなくて。

だけど、
目を閉じれば貴方が浮かんだ。

何だ、ずっと逃げていたのに。
貴方はずっと側にいてくれたんだね。

無理をするのはやめよう。

思い浮かんだ時はその時だよね。

そうやって、いつかは貴方も消えて。
貴方の中から私も消えるのかもしれない。

街中でいつかすれ違うことがあったとしても、
お互い気付かないかもしれない。

それでも良いよ。

だけど願わくば。
その時の顔が、お互いに笑顔でありますように。


最後に、

今の貴方の顔が、私は大好きだよ。
貴方も下を向かないで、自信を持って笑っていてね。

貴方にとって、私と出会った事が本当に良かったのかは分からないけれど。
私にとって、貴方と出会えたことは生きる意味にもなりました。

たくさんたくさんありがとう。

伝えられなかった言葉がたくさんあるけれど。

1番伝えたかった言葉は。


「私と出会ってくれて、
 ありがとう。」


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