──もし、皆が同じ学校へ行っていたら?

概要と設定
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*現代学園パラレル/コメディー
*会話文

イヴァン
「ルーイヒ様の学園生活には問題はないか?」

セシル
「あの性格と見た目なので女性たちの中ではどうしても浮いてしまい、女生徒と仲良くするのはかなり難しいようです。しかし委員長グループに気に掛けて頂き、なんとか」

イヴァン
「エドワードのグループか。フェルゼンは女嫌いだから女性だと思い込んでいるうちは大丈夫だとして、問題はあとの二人だ。エドワードは真面目だが案外手も早いというしトーマは問題あり過ぎるから、不純交遊関係になられては困る」

セシル
「ルーイヒ様は相手の見た目で判断なさらない素晴らしい御方ですので、あのイケメン三人のことなら眼中外でしょう。ルーイヒ様の好きなタイプはなんというか……私共凡人には理解し難い、とても残念な──いえ、そのとても……斬新奇抜な好みでして」

イヴァン
「相変わらず男か」

セシル
「はい。実は非常に申し上げにくいのですが、既に意中の相手がいらっしゃるようですね。ジャンという名の男ですよ」

イヴァン
「え?」

セシル
「ジャン先生」

イヴァン
「え?」

セシル
「ジャン・ヨーク先生ですよ。化学担当の」

イヴァン
「え?」

セシル
「今のは聞こえましたよね。現実逃避したいお気持ちはお察し致します。しかし、ルーイヒ様はそれはもう彼に夢中です」

イヴァン
「ジャンとは、運動神経が絶望的に悪く鼻息が荒くて小太りな、あの実験室から出てこない根暗のジャンか。しかも彼奴は確か重度のアイドルヲタの上、不細工の分際で超絶面食いだったと」

セシル
「よく御存知ですね。全て悪口な気がしますが、左様です」

イヴァン
「ルーイヒ様は黙っていれば美少女に見え好条件な相手を選べる立場であらせられるというのに、なんという悪食且つ悪趣味なんだ……嘆かわしい」


fin.