蓮の実、蓮華の香。

人間の裏切りなんて
想定の範囲内。

高校の頃までは、すぐ ご 奉
それでも裏切らないでいてくれる
人間がいるって。
あたしの周りの人に限ってなんて
甘っちょろい思考してたから
無駄に傷付いたんだ、たぶん。

あれだけ痛い目にあったのに、
人を信用しようとしてしまうのは、
もうどうしようもない。
だからそんな自分は
救わない。

たけど、
信用する前に裏切られる覚悟
くらいはするようにした。

裏切らない人間なんていない。

人間なんて
ハナから信用するに値しない。

だからと言って
いざ裏切られた時に
傷つかないかといえば
そうではないけど。

何もしてないよりはまし。

他人には期待しない。
甘えない。
頼らない。

負荷がかかると
本能的な自己防衛で、
切り捨てられる。

理解はしてる。

守るべきものがある今、
逃げるだけじゃ
守りきれない。

ただ、惰性で生きてもダメで、
死んでもダメ。

守らなきゃいけないから、
強くなるしかない。

裏切られ続けて、
自分が傷つくとか言うなら
切り捨てる覚悟もしておく。

守って生きるって決めたから、
絶対に逃げはしない。



人間だから、
逃げもするし、
傷つくし、
裏切ることは理解した。

絶対がないことも
学んだ。

絶対はないけど、
信用しなければいけない事も
知ってる。

それが純粋じゃなくても。

あたしは裏切るのが嫌い。
逃げるのも嫌い。

妹に対しては、
後悔してもしきれない。

戻らない事も知ってる。

それでも、
妹があたしを捨てなかったから、
あたしは二度と逃げないって
誓った。

あの時を後悔するけど、
やり直せないから
新しく作る。

重ねていくだけ。

あたしが壊したことも、
切りつけたことも、
無かったことにしたいけど、
やったから
仕方ない。

親に対しては、
もう、信頼する事はない。

いつ、
捨てられるだろう、
いつ、
裏切られるだろう、
って思う。

ずっと。

できれば頼りたくもない。

でも、親だって人間だし。

人間が完成することはないから。


だから、
親としての誠意と姿勢を
見せ続けたあの人達を、
もう一度親として
受け入れられた。

排除して、
切り捨てて、
閉め出したけど、
それ以上の姿勢が見えたから、
尊敬できた。

信頼はできないけど、
尊敬はできる。

それがあたしと親の
新しい関係。

それでも、いい。

あたしも、
逃げてしまうことが
あるかもしれない。

うまく、伝わらなくて、
うまくできなくて
絶望されるかもしれない。

元には戻らないけど、
足掻いたら、
何か変わるかもしれない。

そこだけは逃げないと誓う。

自分が足掻く事も、
他人が足掻く事も
馬鹿にはしない。
捨てたりはしない。

努力する姿があるなら、
あたしは向き合う。

無償の愛なんて綺麗なものはない。

価値がないなら捨てるまで。
自分も。

人間は好きだから。

だから、生きよう。