――その訴えは、確かライトニングが発祥だった。


ばんっ

会議用の机を叩き、ライトニングは不機嫌そうに声を荒げた。

「断固、抗議する!」

「俺も義理姉さんに、賛成!」

ライトニングの不機嫌オーラは、会議の場にいた皆(スノウ除く)に気当たりをくらわせた。
この不穏な空気(雪除く)の為に、ファングもストレスを隠せない。

「そもそも、ATKとしての力が足りねぇからいけねんだろが!」


がたっ!

ムカッとトサカに来て、ライトニングが荒々しく立ち上がる。……隣席のサッズが宥めて、再びライトニングが席に落ち着く。
更に嫌悪な雰囲気になったようだ(除く)。




会議の内容。それは――


『今後の戦闘メンバの選出について』


である。





「わ、私は誰かと交換してもいいかな…って」

エヘ。

ヴァニラが恐る恐る発言する。戦闘メンバスタメンの1人である。その申し出に誰1人として反応はない。



スタメンは今のところ、

ファング
ホープ
ウガァニラ

となっている。


あまりにも長い間このメンバなので、他3人のCPが20万蓄積している。


「横暴だ!!!」

と、ライトニング。自分は主人公なのに何故このような扱いなのだろう。

「…しかし、確かに父ちゃんはどの職業も中途半端だし、でばって足を引っ張るよかいいかもn」

「五月蝿い黙れ鳥の巣」

「ライトさん、怖い…」

ホープの声に気付き、ホープには優しい顔を向けるライトニング。
この違いよう。まるで「お前は悪くはないからな」と言っている様だ。

「ま・もーちょっとスポット当ててくれてもいいよな。これだけ貯まってるCPもちゃんと使わねえで判断されても困るよな」

ヒーローさんは会議机に脚を乗せて手を頭の後ろで組んでいる。お行儀悪い。

「なんせ、DEFにかけては俺は1番だからな!」

「DEFなんて通常そんな使わねーだろ。攻撃力や魔法力が純粋に強い奴が選ばれんのさ。ヴァニラやホープは特にヒーラーで使えるしな」

「…だとしたらなお納得がいかない! 私はヒーラーもATKもこなせるというのに――」

「お前はレイズこそ初めに覚えるが、そんなに魔力ないだろうが。ATKだけでいうなら、オレのが上だね♪」



「やめて下さい!!」



「「「「「!」」」」」


ホープが叫ぶ。

「もう何してるんですか! 僕達はまだヲルバ郷にも着いてナイんですよ!?」

ライトニングを始め、数人が顔を伏せた。

「今はファングさんやヴァニラさんや僕が主なメンバですが、後で冥碑の願いを全てこなすんでしょう!?」


――長期的な目で見れば、HPがホープより高いサッズに日が当たるだろうし、DEFに定評のあるスノウだってDEFが必要になる強敵がこれからわんさか出てくるだろうし、ライトニングだってゆくゆくはオールマイティさでは他の追随は許さなくなるだろう。


ホープはそういった事を早口に述べた。
一同、唖然とホープを見つめていた。


平和主義者組(サッズとヴァニラ)は即座にホープに同調した。
ホープに叱られてしまったライトニングも自分を恥じる様に口を閉ざした。
ファングも、ホープに……というよりヴァニラにほだされる。
スノウは元からあまり考えてない。




会議は終結した。

今まではミッションばかりしてきたが、とりあえずはヲルバに向かおう――

こうして話を進める事にした一行であった。