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・現代パロ
・殿が女の子かつにゃんこ


「左近はもう出掛けますけど、ご飯は机の上にありますからチンして食べてくださいね」

そう呼びかける声に反応してか、毛布からはみ出た茶色の耳がぴくりと動いた。それがすこぶる朝に弱い彼女の了解の返事だと分かっているので、左近も小さく笑いつつ頭を一撫でしてベッドから離れる。
しかし、この日は珍しく背後から少し寝ぼけた可愛い声が聞こえてきて、慌てて踵を返すこととなるのだ。

「……土産を忘れるなよ」
「勿論ですよ、リクエストはありますか?」
「たい焼き。あんことクリーム一個ずつ」
「了解しました。その代わり、いい子でお留守番しててくださいね?」

笑いながら言えば、今度は小声でも確かににゃあと一鳴きしてくれる。その可愛さに思わず抱き締めてやりたくなるけれど、そんな事をすれば思い切り引っ掻かれてしまうので我慢する。そんな男を横目に、土産の約束に安心したのか毛布に潜り飛んで二度寝の体制に入った彼女の姿は完全に隠れてしまった。

「それじゃあ三成さん、行ってきますね」

ポンポンと毛布のふくらみを撫でれば、その下の温もりが応えるようにもぞりと動き、にゃあとくぐもった小さな鳴き声が一つ。気まぐれに見えてきちんと応えてくれる三成への愛しさとささやかな幸せを噛みしめつつ、今日もまた左近は仕事に向かうのだ。


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風呂入ってて唐突に降ってきたみつにゃりちゃん小ネタ。一週間遅れの猫の日ということでお願いします。
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