※黒雪姫の感想メモです。ルヴィアンルートのネタバレを含みます。
プレイ時間……6時間25分+15分
1章
〈彼は返り血に濡れ、その手には赤く染まった剣が握られている。それだけではない。何故か、彼の手から血が流れ出している。ルヴィアン自身の血だろう。ぽたり、ぽたりと指先を伝い落ちて、地面を赤く染めていく。〉
やはりルヴィアンの林檎はルヴィアンの血から、か。魔法の代償は血液?それとも命?
「それには代償が必要だぞ?……それでもおまえは、ここで私ではなく他の誰かを選ぶと?」
「他の誰かなんて言っていないわよ。私は私自身を選ぶの……、他の人に私の人生は渡さない」
一人きりで生きていけるわけがない、魔を持つ少女。ルヴィアンのように圧倒的悪になれないのなら、難しい。
ルヴィアンの剣はおそらくルヴィアンを殺すことができる剣?だとしたら、ファルコルートで同盟が破れたら自分が殺さなくてはを実行するバッドエンドがあるのか……?
2章
ミラー「確かにそのよう命令は受けておりません。ですが、鏡は真実を映すもの……。私は女王様のお望みのままにしただけでございます」
顔を歪めたルヴィアン。リヴの帰還を喜ぶのでも責めるのでもなく……。リヴの選択を待っている?そしてミラーよ、人間の心をそっくりそのまま覗くことができるのか?
ファルコ「ルヴィアンは……、あんたのことすごく大切に思っていると思うぜ。あの執着を見ていると、勝てねえとは思うよな」
わかってましたがやっぱり惹かれているんですね!最初から叶える気のない恋を抱える男と狂った愛情で保護する女王と今の所最悪の関係になっている七人の同盟……普通に考えたらここからファルコルートに入るのが正解だと思いますよリヴ。なぜルヴィアンにいく。
「ルヴィアンでも手に入らないもの?そんなものがある?」
「……私だから、手に入らないんだよ。それでも、大切にすると誓ったのだ……。だから、私は今、ここにいる」
「きっとおまえには永遠に分からないよ。……分からなくとも、いいんだ」
リヴと通じ合うことは望んでいない?そばにいてほしいが、気持ちがほしいわけじゃない。謎が深まるばかりです。国を征服していく意味もわかりませんし。
3章
「……リヴ」
「……っ!」
〈名前で呼ばれたことに驚く。いつも白雪姫と呼ぶくせに、どうしたのだろうか。〉
こういう時にヒロインの名前オンオフがないことが悔やまれます。気づいて!!ませんでした!!!!しかも男の姿で名前呼ばれたらリヴ未練タラタラになるでしょう!!あなたが望まなくても綺麗になってしまいますよ!
「謝るなど、敗北を認めたようで美しくないだろう。……この私には勝利や称賛、そういったものこそ似合いだと思わないか?」
「……潔く謝るのも、美しいと思うわよ」
「潔く、か……。そうだな、それもまた美しいのかもしれない。おいで、白雪姫」
すまなかった、とルヴィアンが口にしたことがあっただろうか?と過去ルートを振り返りましたが記憶にない。他キャラは全力でリヴに謝るシーンが一度以上ありますが、ルヴィアンだけはなかったのですね。
4章
? どうしてリヴだけ置いてデューンとオムニアは帰った?疑いがなくなったからか、それともルピノの気配を感じたからか。
5章
(簡単な応急処置だけれど、無事に出来て良かった。城の医学書を読みあさってきた甲斐があったわ)
〈自分が持つ謎の治癒能力について調べるために、やってきたことだ。その目的はまだ達成されていないが、こうして役立てられたことを嬉しく思う。〉
医者を目指すルートがあるのはそういうきっかけがあったのですね。城にいたわりにはやけに医術知識をつける描写があるな、と思ったんですよ。外の世界に出て本を要求したルートでも、医術の本を望んだりしたのだろうか?
ジャンヌ「今日こそは死んでもらうわよ……、『狩人』ファルコ=ローダー!もう銀貨一枚たりとも渡さない……!この世のお金はすべて私のものよ……!」
(ものすごく格好よく、欲まみれなことを言っている……!)
ああ……最後を言わなければいつも通り因縁つけてるがかっこいいジャンヌ!だったのに……。こういう憎めないところが暗殺者なのに親近感、もとい好感度アップしてくるのでしょうね。
魔法エンド
「……あなたは私の、殺したいけど殺さない人よ」
「私は、おまえを愛しているよ」
「まるで子のように」
「いいや……、まるで娘のように愛しているんだよ。かけがえのない、私の分身として」
告白じゃないの!?そこで子のようにとくるとはおもわず……。開かなかった手紙には何が書いてあったのやら。
7章
「おまえは美しくいられて、幸せではないのかい?美しくなどなくていいから、あかぎれだらけの手のまま一生を終えるほうがよかった?」
〈ルヴィアンは私の手を取ると、指先に口付けた。白いだけだった肌に、口紅の色が移る〉
〈感じたのは嫌悪ではなく、胸の疼きだ。ルヴィアンは女装姿だというのに、かつての恋心を思い出してしまいそうになる。〉
やはりルヴィアンがかけた魔法は美しくなる魔法……?リヴに価値をあげたかったの?そしてとうとう女装ルヴィアンにもときめくようになったリヴ……。今やルヴィアンよりリヴが美しいとミラーが言ったのは、恋を再び知り始めているからか。
11章
「……この世のすべてのものを自分のものにすれば、私はすべてのものに認められるだろう?そうすれば、私の存在が認められる」
なに馬鹿なこと言ってるのよ、とリヴが言ったそのままを返したい。まさかのすぎてぽかんとしてしまいました。
「……何でも良いよ、恨みでも憎しみでも何でも構わない。私に意味を与えてくれるものならば、何でも同じだけの価値はある。それは私を存在させる。おまえが私を想ってくれるというのなら、何だってよかった」
子供かっ!いや子供じゃないからこんな大事になったんですけど、子供か!?憎まれてもいいって、気を引きたいガキんちょじゃあるまいし……馬鹿なんですかあなた。
12章
ルピノ「謀略に関しては右に出るものはないからさ。……人質でもとって戻ってくるかも」
デューンよりひどいことさらっというルピノにはっとしました。流石付き合いが長いだけあり……。ファーレンにどうして忠誠を誓っているんだ君は。リヴの騎士にならないかい?
「正直、奪うことと与えることの違いが、今でも私にはよく分からない。奪うことも与えることも、おまえに何か残せるのなら、同じことのような気がしている。……だが、これだけは言える。私はこの世界の誰よりも、おえのことを想っているよ。おまえを、幸せにしたいんだ」
あ、あのルヴィアンが幸せを願っている……!あなたが一番リヴを想っていることなんて他6ルートやるなかで痛いほどわかっていたんですよ、ええ知ってました!!ただ一つだけ言わせてください、違いわかってなかったんかーーーーい!!!!予想以上にピュアピュアで、女王陛下美しすぎて涙が出そう。ロゼキャラで一二を争うピュアさなのでは?
13章
タレンシカ兵「あれが女王……、ルヴィアン=タンドゥル?あれは本当に人間なのか……?あんなに美々しい人間は見たことがないぞ」
※戦闘中です。 最前線の兵がなにを言ってるんだか。
「この命を欲するのならば、かかって来い。……私がじきじきに相手をしてやる。私が憎いのならば、私の国が欲しいのならば、私の命が欲しいのならば……っ!奪い取れるものなら奪い取ってみろ……っ!……私に意味を与えてくれ」
かっこいい女王陛下……!!味方になる心強さったらないですね!!!最後の呟きで胸が締め付けられましたが、まさか、まさかベストエンドで死にませんよね?いや体は死んでもまた少年と始まるのかもしれませんが。でも死なないでほしい、リヴのためにもいなくなったりしないで。
14章
黒の魔女「それにこの顔、悔しいけど、もの凄く好みなのよねえ……。美しくて、それでいて品があって……、お父様そっくりね」
まさか、お父様に振られた恨みでプラチナムを?
黒の魔女「ふふ、私がいくら美しいからって、恋人だなんて。もっと言ってくれてもいいのよ?」
間違いなく親ですねわかりました。ナルシズムは伝わっていく……
「最近だ、よく手紙がくるようになってな。たまには会いに来いと言われていたのだが……、忙しくて行かなかったら駄々を捏ね出した。我が侭なのに、力が強大なものだから……。言い合いをしているうちに一発喰らってしまってな」
リヴの苦悩の日々を返してーーー!!!なんだったんだ一体……BGMでわかってましたが、くだらなさすぎて本当……。罪悪エンドがくだらなさしか感じなくなってしまった何してくれるの本当っ。
ベストエンド
ミラー「私が変わったとするなら、それは多分、女王様、あなたの影響によるところが大きいと思います。……ルヴィアン様を映していても、変わることなどなかったというのに」
「私は鏡、真実を映すもの。美しくも感情豊かなあなたを映しているから……、私も心安らかになることが出来る」
ファンディスクであるだろうミラールートでは感情豊かになっていくミラーの顔をもっとみたい!とリヴがなる予感を全力で察知。
〈ミラーが鏡の精霊だとするのなら、彼は『無』の精霊。『無』を司る者だった。〉
〈それに加えて、ルヴィアンは『無』を司る者。何か得ようとすることなどもってのほか、望むことすらも許されないことだった。それでも、心のどこかで……。『無』にあるはずもない心の片隅で、小さく願っていた。
そんざいしたい
たった、それだけのことだった。〉
存在したい。そのことを踏まえて他ルートて何度も殺されたり消えたりしたルヴィアンの感情を考えると……、苦しくてたまらない。
〈しかし、気付けば魔女は本気で彼を愛してしまっていた。王子も彼女を愛し、国王になったら結婚をする約束さえ交わした。だが、彼は突然、彼女に数多の罪を背負わせて国を立ち去ることを命じる。王子は、自分の愛した者が悪名高い魔女であることを知ってしまったのだ。魔女は永遠の愛を誓い、傍にいたいと懇願した。それでも、王子が命令を取り下げることはなかった。〉
国のために切り捨てた、と。もしファーレンが国王としてリヴと交際をしていたとして、国に不幸を持ち込むかもしれないと判明すれば同じことをしただろう。
〈特別美しいわけでも、可愛らしいわけでもない。ルヴィアンが心を奪われたのは……、その傷だらけの指先だった。〉
生きている証、血に?
〈絶望であれば、きっと自分にもうまく与えられる。彼女の心を満たし、幸せにしてあげられる。永遠に自分が傍にいて、彼女を満たしてやればいいのだ。何も持たないことほど、不幸なことはないのだから。〉
自分と同じようなものだと捉えてしまったか。確かにリヴは何も持っていないに等しい、むしろマイナスになるものごとばかりだったかもしれないけれど、そこから絶望で満たしたいと思うのはヤンデレか何かかな!?いやルヴィアンは狂っているのではなく、人間ではないからおかしく見えるだけなんですけど、黒い感情で染上げたいと思うのはびっくりですね本当。
〈冷えきってしまった手に触れる。申し訳程度の温もりしかない自分でも、今の彼女なら温めてあげることができる。だが、たとえ自分が温めなくても、彼女の手は自然と温もりを取り戻せると知っていた。それを思うと、いつも少し寂しくなる。〉
雪の季節なら自分にも温めてあげられるから選んだのに、それすら無意味だと知っている……。リヴに意味を与える存在を目指すことはできても、リヴから揺らぐことのない意味を与えてはもらえなかった。本当はリヴが心の底から求めてやまない人だったのだから、とても意味のあることなのだけれど。
「私はおまえに、美しさを与えた。そして、おまえが王族に引き取られた頃……、黒の魔女が思いついたように私に言った。……トレゾアを奪え、と。私は王の記憶を操作し、宰相としてトレゾアに入り込むことに成功した」
いきなり王の寝首をかくのではなく、宰相として国について学んでから乗っ取ったのか? そしてやはりあの魔法は美しさを与える魔法だったのか……。
「当たり前だろう?私は世界で二番目に美しい」
二番目。私より美しくならなくてはいけないよと十四章で言っていたはずですが、既に自分が二番目だと宣言するか。生きている美しさに囚われ続けるルヴィアンは……リヴが死んだらどうするのだろう。今度こそ無に還るの?
グッドエンド
(いつか、教えてあげる)
〈私に最初の愛を教えたのは、あなただと。〉
はっ!?ルヴィアンはリヴに恋されていたことを知らないの!?えええ……知っていて接していたわけではなかったのですねびっくりです。
ずっとずっと狂うまで、愛してあげる。それはリヴが死んでも、自分が正常でいられる間は彼女を思い続けるという意味か。精霊の死がどうもたらされるのかわかりませんが。
というわけで黒雪姫フルコンしました!!いやあ、想像していたよりずっと……ルヴィアンがバカでびっくりしました!!!!!
14章でたったそれだけのことが真相?とぎょっとさせておいてからのっ、15章もといベストエンドでのみ知らされるルヴィアンの正体と黒の魔女の真相を踏まえて改めて1章から全ルートのルヴィアンを思い返し、表情や仕草言葉ひとつで胸を締め付けられました。
さて残された疑問点リスト……ルヴィアンの血は魔法に使用必須品なのかどうか、森のリンゴの木の意味は、アパラシオンの祠は結局リヴたちに何か関係があるのか、マリーの黒さはなんなのか、ジャンヌの師匠や魔女と呼ばれる所以は、ミラーが二君に仕えるような動きをしていたが一番美しいもの以外でもその瞬間美しいものすべてに動かされたり影響を受けるのか
……などなどがございます。こちらはファンディスクで解決されると期待してます。
もう一度申し上げますが、ジャンヌエンドは!?マリーにスチルが来た瞬間にこれはマリーエンド、なくてもせめてジャンヌエンドがあると期待したのに見当たらず……。ファンディスクにジャンヌルートはないのでしょうか?
美しさランキングは黒の魔女>ルヴィアン>リヴ>他。になっているはずですが、心の美しさや生きている恋してる強さを含めるとぐっちゃぐちゃになることがわかり、ようするに黒の魔女の美はこれ以上進化しないんだな!とよくわかりました。……きっと彼女も先王と本気の恋をしている時はどんどん美しくなっていったのでしょうけど。
もうひとつ疑問がありました。リヴの力は何をどこまでできる力?ルヴィアンが与えた美に魔の力が集まり魔法に近いことができる、のだろうと思いますが、勝手にティーカップがとんでいったりする力ですし、黒の魔女のように涙を流すだけで思いもかけないことがおきる……ようにならないか心配です。そしてリヴの子供についても魔の力を持ちはしないか心配。
総合評価しますと、真相のえええ……?感や謎の投げかけっぱなしが気になりますが、女王陛下が麗しかったのでよしとしました(笑)あまりにもルヴィアンが麗しくてですね……ラストの戦闘シーンあたりでうるっと来てました。結局死にはしませんでしたが、あのシーンで分岐するバッドエンドがあってもよかったのでは?
ルヴィアン=タンドゥルとリヴのための壮大なプロローグ編が今作なのだと思うので、次回作を心から楽しみにしています。ロミオVSと同じ作りならばファンディスクが本編!パターンだと思いますので、いずれ真相を暴きに駆け抜けます。
以上、オープニング曲二番の圧倒的ルヴィアン→リヴに悶え苦しみながらおおくりしました。