話題:創作小説
こんばんは!
久しぶりの更新になってしまいました(^_^;)
中々、話が進みませんが、のんびりお付き合い下さると嬉しいです!
ではでは、追記よりどうぞ★
『うっわ、アリル…。さいってー…!』
事の成り行きを、アリルから、しどろもどろになりながら聞いた直後に、ボソッとセリアが吐き出した。
普段の清純な彼女からでは想像も付かないような表情(かお)で、だ。
一言で言い表すなら…。
そう。
−…『女の敵』だ。
彼女の表情が、全てを物語っていた。
『幾ら事情をわかっていないとは言え、陛下のお姿でやる事じゃねえな』
手近の椅子に腰掛け、呆れ顔で話すジャミル。
『そうよ!あんなに可愛いリオンに何て酷い事を言うの!それに…』
『起こした失敗に対して、容姿は関係無い』
やや興奮気味に抗議するセリアに、即断で切り捨てる。
声の冷たさに鼻白むセリアと、『陛下に向かって何て言い草だ!』と抗議に出たジャミルを視線1つで制す。
『良いか。今回の件は、たまたま精神が入れ替わった。ケガが無いのは幸いだが、今後の事を考えれば安易な考えは捨てるべきだ。リオンに対しては、もう少し厳しく罰しても良いと、ぼくは考えている。
あいつは普段から集中力と判断力が不足しているからな』
『でも、せめてティニアには謝って欲しいわ。大好きな貴方の事を、第三者に悪く言われたら悲しいもの…』
まるで自分の事の様にシュンとするセリア。
気遣わしげな視線を送るジャミルとは裏腹に、アリルは至って平然としている。
『別に放っておけば良いだろ?何日かすれば頭も冷えるだろう』
『何て事を!貴方の婚約者じゃないの!』
冷たい物言いに一変、憤然とする。
『一言、ごめんって謝れば良いじゃない!誤解を解いた上で、今後の事を考えれば良いのに…!』
『何を意地になっているんだよ。ちいせえな』
『別に、意地になっている訳じゃないさ。他人に何か言われた位で、折れる弱さじゃ無いってだけだ。
彼女の強さは、ぼくが良く知っている』
嘘をついているつもりは毛頭無いが、それでも先刻のティニアの表情に胸を痛めていた。
『それでも』
『それでも、元に戻る前に誤解は解かないといけないな』
ぼんやりと呟いた言葉を聞いて、二人は満足そうに笑みを浮かべ、頷いた。