虚匣

ネットの海に数多存在する、様々なひとたちの様々な主張や正義を、
眺めて飲み込んで、反対の世界のひとたちの様々な主張や正義を眺めて飲み込んで。
片側から観た正しいものは、その実何処までも完成されている。
そのくらい全てがシンプルだったらいいのに、しかし全ては表裏どころか限り無く球に近い多面体であるから、その中心は中々みえない。
そもそもその多面を追うだけの眼や器や柔軟性が自身に備わっているからと問われれば、流石に「否」としか云えないし、
「邁進致します」
を嘘にしないことが精一杯だったりもする。


手前が視野狭窄を恐れるのは、著しく偏ることが恐怖だから。
選択の末の極端は愛せても、無知から成るそれは余りに暴力的だから。


不都合なモノや違和感(なんなら「暴論」を加えてもいい)を、真摯にしらみ潰しにしてゆけば「正しい(美しいでもいい)世界」が訪れる……
ならば楽かもしれない。
それはファシズムのようなものであるし。






そんな事を電脳世界のニュースを見ながら考えておりました。





それともう１つ。
とても小さいけれど自身にとっては思考の種に成ることがあって。

先日クリスマスも近いし皆さまお忙しいし、と、コンビニで大袋のお菓子を買ったんです。
「みんなおつかれ！糖分摂って！」
な氣持ちで買ったのですが、開けてすぐバタバタと忙しない方をお二人見掛けて。
「お疲れ〜ガッと持っていっていーよ！」
と、口を開けた大袋を差し出したんですね。
そしたらそのうちの１人(男性)が
「いいんですね！よーし！」
と、腕を突っ込んで、掬えるだけ掬って持っていったんです。
お菓子詰め合わせの大袋を買ったのに、残ったのはちいさなチョコが５つだけ(笑)。
「１個返せ！」とチョコチップクッキーを１つ奪い返したんですけど(笑)、その時ですね、
「引いた」でも「は？(怒)」でも無くて、少しだけ悲しい氣持ちに成って。

でも何で悲しいのか解らなくて、ずーーーっとそれを考えているんです(笑)。

勿論「いいんですね？！」「男に二言は無い！持っていけ！(チョコチップクッキー奪い返したけど)」のやり取りがほぼ全てなんですけど、
ホントに小さく、「哀」の感情が生まれて。
これが自分の事なのに何に起因して発露したのか解らなくてですね。
反射的に生まれたものだから、理屈ではない部分なのでしょうが、如何にも理解出來無くてもやもやしております(笑)。
「空氣読めよ(怒)」とかなら想像つくんですけど、それとも違うし。
でも遠い昔の自分曰く「哀しみと怒りは非常に近しい」らしいので、その説でいけば手前は怒っているの？とか。
そもそもその説合ってるの？小学生の時の持論だけど？？ とか。
でも怒っては無いんだよ、とか。

考えて考えて出した結論が「みんなで食べようと思っていた未來が断絶した事が悲しい」って事かなァ？なんですけど、それも合っているのか怪しい。




自身の感情ですらこんな塩梅で、よく分からないことが多い。
残念な生き物図鑑に載れるレベル。
でもバランスを取る為には情報は最大の武器なので、日々こんなちっさい事にちまちま頭を使って生きているのです。
だからこそ、兎に角手前は情報が欲しいし、得た情報に共感や理解が出來無くても、それはそれで手元に置きたいカードなのです。
ヒトとしてヒトと共存するには、無知は不幸ばかりを招きばら蒔きます。
何処かでそう確信しているのです。
(しかしそれすら半信半疑の、矛盾に満ちた確信として)










以上、
手前は凄く天秤座っぽいなぁ……
と云う話でした(ん？)。