俳優の高杉真宙が、長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己が共演する黒沢清監督の最新作『散歩する侵略者』に出演していることが明らかになった。

数日間の行方不明の後、不仲だった夫・加瀬真治(松田龍平)がまるで別人のようになって帰ってきた…急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う鳴海(長澤まさみ)。同じ頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。

事件を追うジャーナリストの桜井(長谷川博己)は取材中に、ある事実に気づく。やがて町は急速に不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ方向へと動く。些細な出来事が、想像もしない展開へ。彼らが見たものとは、そしてたどり着く結末とは?

カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した[岸辺の旅]の黒沢監督が、劇作家・前川知大率いる劇団イキウメの人気舞台を映画化。行方不明だった夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくるというアイデアをもとに、サスペンスやアクション、コメディ、ラブストーリーなど、様々なジャンルの要素を内包して描かれる異色のエンタテンメントだ。

本作は夫の真治から「地球を侵略しに来た」と告白された妻・鳴海、そして町で発生した一家惨殺事件を追うジャーナリスト・桜井の日常が少しずつ変容していくさまが描かれる。長澤まさみが鳴海、松田龍平が真治、長谷川博己が桜井を演じる。

高杉真宙が演じるのは、長谷川サン演じるジャーナリスト・桜井が、一家惨殺事件の取材先で出会うミステリアスな謎の若者・天野役。その正体は松田龍平演じる「侵略者」に乗っ取られた男・真治の仲間である、第二の「侵略者」。物語を動かすキーパーソンとなる存在で、黒沢監督の演出のもと、長谷川サンとの共演シーンでも一歩も引かない熱演を披露しているという。


▽高杉真宙コメント
この作品に出演できると決まったときは、黒沢監督とご一緒できる事、また長澤まさみさん、松田龍平さん、長谷川博己さんと演技者として尊敬する先輩の方々とご一緒できる……と、本当に嬉しかったです。
僕が演じるのは侵略者の天野です。長谷川さん演じるジャーナリストの桜井と共に行動します。
天野は「侵略者」ですが、見た目は僕のまま……普通の人間なので、どうしたらそれが観る方に伝わるのか、どこまで伝えるべきなのか……というのが難しかったです。
現場に入って監督とお話ししながら天野は作っていきました。意外と人間らしいと言いますか、信念もあり、演じていて惹かれていくキャラクターでした。
現場で一番ご一緒したのが長谷川さんです。長谷川さんはひたすらカッコいい方。大人の落ち着きがあって、おしゃれで……。
僕はまだ映画にそこまで詳しくないので「長谷川さんに教えて頂きたいなぁ」と思ってお聞きしたら、お薦めの作品をたくさん教えてくださいました。とてもわかりやすく教えて頂き、自分もいろいろな経験を積んで、長谷川さんのように周囲の人に教えてあげられるような男性になりたいなと憧れますね。「散歩する侵略者」は、SFのようなタイトルですが、家族とは何か? 愛とは何か? 言葉ではわかっているつもりでいても、実は言い表せないものについて深く考えさせられる作品だと思います。
ユーモアもあって、思わずクスッと笑ってしまうシーンもあります。
たくさんの皆さんにご覧頂き、ぜひこの不思議な世界に入り込んで頂きたいと思います!

▽黒沢清監督コメント
ほれぼれする美しい顔だちとスリムな体型をしてらっしゃるのですが、それに似合わず、
正真正銘の演技派俳優なので驚きました。
現場ではいつも泥臭いほど真剣に、この難しい役どころに取り組んでいて頼もしかったです。


映画『散歩する侵略者』は9/16より全国公開。