ミュージカル『池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE』の主演を大野拓朗が務めることが発表された。いまだ多くのファンから支持を受ける名作が、17年の時を経て初舞台化される。
2000年には宮藤官九郎の脚本で連続ドラマ化された伝説の作品の同作は、数々のヒット作をもつ、石田氏のデビュー作品で[第36回オール讀物推理小説新人賞]を受賞。池袋西口公園にたむろする若者、チンピラ、警官、町の人々、悪の黒幕らを描いたシリーズ連載小説で、どうしようもなくダメなやつら、キレたやつらが繰り広げる青春群像は現代社会を鮮やかに写しながら、どこかなつかしく、いつの時代も変わることのない争いや友情を描く。
石田衣良の小説【池袋ウエストゲートパーク】をもとに、脚本・作詞に柴幸男(ままごと)、演出に杉原邦生(KUNIO)、振付に北尾亘(Baobab)を迎え、2013年から上演に向けたワークショップが行なわれてきた。今回の公演では原作の[サンシャイン通り内戦]を群舞とオリジナル楽曲によって舞台化する。
大野拓朗が演じるのは、“池袋一のトラブルシューター”と呼ばれる主人公のマコト役。宮藤官九郎が脚本を手掛けたドラマ版では長瀬智也が演じたキャラクターだ。
脚本家・宮藤官九郎や俳優・窪塚洋介ら多くの俳優の“出世作”となった【池袋ウエストゲートパーク】。ドラマ版は平均視聴率14.9%で、長瀬や窪塚のほか山下智久、佐藤隆太、高橋一生ら、後のスター俳優たちが数多く出演していた。
今回のミュージカル版は、若者たちの抗争を激しいダンスと歌に乗せてエンターテインメントとして昇華させる。また公演のハイライトのチーム同士の抗争シーンは、公募を勝ち抜いたストリートダンスカンパニーが日替わりで渡り合い、観客の反応で勝敗を決する「ダンスバトル」形式で上演される。
今回は【池袋ウエストゲートパーク】でおなじみのキャラクターたちの繰り広げるドラマをオリジナル楽曲と群舞に乗せて展開。芸劇とホリプロとが共同して、これから急上昇しそうな若者たちを多く登用する予定で、マコト以外の“キング”ことタカシ(安藤崇)、京一(尾崎京一)、マサ(森正弘)など、マコト以外のキャストはこれまで2回にわたって行なわれたワークショップや、昨年末のオーディションの参加者から選出。チケットの発売は東京公演、大阪公演共に10月を予定している。
▽大野拓朗コメント
この作品への出演が決まったと聞いたときは、シビレました。まず、大好きな石田衣良さんの作品であり、しかもその中でも大好きなIWGPを舞台化である、そして自分が主演させていただけることにシビレたのです。
IWGPは、小説はもちろん、ドラマもリアルタイムでも観ていましたし、DVDボックスも持っています。
マコトやキングを始め、カリスマたちの輪の中に入りたいとずっと思っていました。それが本当に叶うなんて。それもマコトとして生きることができるなんて。感激です。マコトとして、たくさんの愛を持って、楽しく舞台上で生きられたらなと思います。
この作品のキーワードは「誰もが憧れてしまうカリスマ性」だと思います。登場人物たちの持っているカリスマ性を、音楽・ダンスの力を借りて表現できたらと思っています。
生の舞台ですから、登場人物たちの熱を目の前で、お客様の五感で感じていただけたらと思いますし、幅広く表現のできるミュージカルで、このIWGPワールドを炸裂できたらと思っています。
▽杉原邦生コメント
大野さんを初めて見たのはNHK朝の連続テレビ小説の『とと姉ちゃん』でした。
その役の印象が、爽やかだけど頼りない間抜けな青年というものだったので、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で、ロミオ役の大野さんを観たとき、まったく違った印象にとても驚きました。
舞台に立つその姿は精悍かつ繊細で、大胆さと柔らかさを持ち合わせていました。
そんな大野さんならきっと、彼にしかできないマコトを体現してくれるはずと確信を持ちました。
大野さんと一緒に、舞台でしか成し得ない新たな『池袋ウエストゲートパーク』がつくれることを、いまから楽しみにしています。
『池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE』は、東京芸術劇場シアターウエスト(2017年12/23-2018年1/14)、兵庫県立芸術文化センター(2018年1/19-1/21)で上演する。