話題:好きなのに……難しい
前回の続きです!
あとはまぁ、あれです。流れで、今までで一番、というかどんどんエスカレートというか、いやらしいことをされました。好きな人相手にエスカレートというのもどうかと思いますが、でも付き合っていて好きだからえっちなことをする、というのはどうにも。私には考えられないことなので、先月ちゃんと、責任の取れないことはしたくないと本人に言いました。
でも、それでこれかと言うことを出雲さんはしたのです。しかも、ゴム無かったんですよね。入れなきゃ大丈夫だろう、みたいな感じだったので、静かに思い切り怒ってました。
出雲さんが諸々ティッシュとかゴミ袋とか準備してくれ、一応下着もつけつつ黙りこくる私に、まぁ当然怒っているのに気付かれたのでしょう。
「本当にすみません……三沢さんを傷付けるのわかってたのに」
「……私、責任の取れないことしたくありません」
「はい、三沢さんは間違ってないです。僕も責任とれない。そういうのは大事ですし、理解してくれる人と付き合うべきです」
と言われ、あ、これ別れ話なのか、と思いました。嫌われたくない、でもそういう行為もしたくない、というのはやはり私の我が儘でしかなかったのだろうなと。
何と言っても、結局そういうことがしたい、というのが一番だったんだろうなぁ。と寂しいながらに諦めて、そうですねと返事をしようとしたところ、
「……それが僕だといいなって思ってます」
「今、別れましょうって言われるのかと思いました」
「なんでですか!」
「理解してくれる彼氏を新しく探して、ていうニュアンスに聞こえたので」
そういうふうに聞こえますよね? あれ、聞こえません?
「……私我が儘で、やだやだばかりで申し訳ないです。他の、大多数の人はしちゃうものなのかもしれないですけど。……普通じゃなくてすみません」
三沢さんて、変わってますね。今時の子じゃないっていうか、うん、今時の子とは違いますね。
日中そんな話をしていました。その時は、そうでもないです、その辺にありふれてる系女子なんで、等と冗談を言っていましたので、その流れです。
「出雲さんも、言いたいことあったら言っていいんですよ。気に入らないとか、いつも何も言わないから。私ばかり勝手に怒って、でも何も言わなくて、なんでそんな優しいんですか」
何も言わない、それが本当の優しさなのか、とかいう論議は置いておいて下さい。
「……じゃあ、その優しさが僕の取り柄だと思って下さい」
「知ってますよ、出雲さんが優しいのは。傘とか私のいる方の手では持たないし、歩調合わせて歩いてくれるし、私がいるかいつも気にしてくれて。優しいのは知ってます、もう」
優しいのは、知ってるんです。
今までずっと我慢して手を出さないで下さったことも。結局そういうのが申し訳なくなり、少しずつ出雲さんに妥協して、ここまでならいいやと勝手な線引きをして来た結果です。だけど最終的に、やはり妥協出来ないとなって、期待させた上怒ってしまったのですから、悪いことをしました。
「だから申し訳ないと思うんです、まだまだ子供な私が。けど、妥協も出来ません。自分が嫌です。頭固くて、融通がきかなくて。結局怖いんです、よくないことをして見放されるのが。周りが気になって仕方ない」
ちょっと頭冷やすんで、放っておいて下さい。
と言ったら本当に放置されて出雲さんが掛け布団一人で使っちゃうっていう事になりました。
お風呂入って、唯一あった薄い毛布にくるまって寝ました。
実は週末出雲さんのおうちにお泊りに行きますが、どうなることでしょうか。
ただ、そういう行為をもしもするなら、初めては出雲さんがいいんです。
というのは実は出雲さんには伝えていまして、メールしたんです。
初めては出雲さんがいいです、出来ることなら末永くお願いしたいです、というようなことを。
そうしたら返信があって、僕も三沢さんを大事にしたいです、こちらこそ末永くお願いします。
みたいな。
これ、期待したいなあと思いつつ、週末を楽しみにしたいと思います。