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ネタ借り。流血注意。ソーソーコンビ

たかみなside

しょうがないよね・・・由依が悪いんだ・・・

目の前でヒューヒュー苦しそうに息をしているのは私の後輩であり次期総監督となる横山由依

由依の周りには真っ赤な血の海が広がっていて、そばには鮮やかに染まった小型のナイフが落ちていた

「由依・・・苦しい?」

「たかみ・・・さん・・・」

ケホッと中身のない乾いた咳は由依の呼吸を苦しめるだけ

「悪いのはどっち?」

「あたし・・・で・・す」

今度の咳は真っ赤な血と共に吐き出された

「由依が悪いんだよね・・・由依が悪いんだ」

由依の腹には痛々しい深い傷がある。そこから泉のように血が溢れ出てた

「ごめんな・・・さい・・」

涙がぽろぽろしずくのようにあふれでていく

「その涙はなんだ?。痛いから?苦しいから?悔しいから?辛いから??」

傷口をつま先でトントンと叩く

一瞬息が止まってもうなにも答えなくなった

死んだわけじゃないし意識もまだあるけど。

多分もう喋る気力がないんだ

「由依は・・・総監督になりそびれた仮だね」

「っ・!・・ハァハァ・・・」

「助けて欲しい?」

携帯片手にそう言ったら首を横に振った

「ん?」

「あたし・・・は悪い・・・子やから・・・死んで・・・償わな」

苦しそうに辛そうに・・・でも真っ直ぐ目を捉えて最後の言葉を残していった。

由依が悪い。由依が悪いんだ。

でも・・・助けてあげることは出来たのかな?

由依を苦しみから救うことぐらいは・・・

出来たのか・・・?。

おたソル(独占欲2

ソルトside

「おいで」

その一言におたべは嬉しそうに微笑んだ
目を細めて頬の猫線をくっきり浮かび上がらせる。

「ふふ」

ひょこひょこ走りよってきて座ってる私の膝に軽く重みを掛けてきた

「おたべシャンプーかえた?」

「ん?かえたー」

ゆっくりとかすように髪を撫でて、頬を両手で包み込んだ

「いい匂いする・・・。」

胸元に顔を押し付けて擦り寄ってくる。

こんな幸せな時を過ごせるなら・・・、最初から・・・。

心配しなくてもおたべは私のものだと・・・そう気付いていれば最初からあんな思いさせなくて済んだのに。

「ソルト?」

無言な私を見てかおたべの顔がくもっていた

「ごめん・・・」

「なんで謝んの?」

こっちを見たおたべの頬にはぼたんのような鮮やかな青色がふしだらに付いていた

「酷いことした・・・おたべのこと傷つけた・・・」

「気にせんでええよ。抵抗しようと思えば出来たんやから、殴ろうと思えば殴れた。」

今まで見たことないぐらいの笑顔で頬をぱちんと叩かれた

「こんなんすぐ治る、でもソルトの隣はあたししかおらへんのやろ?」

にかっと少年みたいな無邪気さで私の髪をぐしゃぐしゃに撫でてきた

「意味分かんない・・・でもの使い方間違ってるし・・・」

へへ、なんて笑うおたべにニコって微笑んでその純粋な体を強く抱きしめた

「あぁ・・・ずっと隣だよ・・・」

おたべはどうなんだ?

あんたの隣は誰だ?いや・・・誰だっていい。

今のこの幸せ、が永遠に続くなら。






長編「大切な人」7

ソルトside

あの日を堺に、部室に足を運ぶ事が出来なくなっていた

怖かった。仲間の事も立場の事も自分のことも・・・

そんな私に変わらず接してくれてるのはヨガだった。

いつも決まった時刻に家に来てぺちゃくちゃ喋るわけでもなく黙って隣に居てくれる

それが私にとっても嬉しくてありがたいことだった。

でも不安だったりもする。なぜヨガは隣に居てくれているのか??

「なぜ隣にいてくれてるんだ」そう聞けば真っ直ぐ前を見たまま「居たいからです」そう返ってくる

「私が憎くないのか?」こう聞けば「あれは事故です」こう返ってくる

なにを言ってもなにを仕掛けても絶対私を守ろうと努力してくれている

ヨガはお人好しすぎんだ・・・

また迷惑かけてさ・・・

ほんと

部長失格だよな。

上を見てみればまぶしいくらいの青空が広がっていた

おたべは・・・そこに居るのか?なぜ雲一つ無い青空なんかにするんだ?

東の空にただよっている真っ黒な雨雲がなにかを教えてくれそうだった。

「雨・・・ふりそうですね」

「もう少し居ていいか?」

ベンチを指さすと軽く頷き、ベンチの端に座った

「ソルトさんは・・・おたべのどこが好きだったんですか?」

その質問はおたべとの思い出がよみがえり目頭が熱くなった

丁度雨が天地を濡らし目の前に銀の緞帳が下ろされる

「優しいところ。真面目な所も不器用な所も、馬鹿な所も全部が全部・・・
大好きだった」

泣いちゃ駄目

分かってるのに後から後から追うように熱いものが流れ落ちていく

頬を伝い、服に濡れ、切なさを襲わせる

おたべ・・・

帰ってきてよ。また私の隣で笑ってよ・・・。

その笑顔をもう1度見せてくれよ・・・・・・。

長編「大切な人」7

ソルトside

あの日を堺に、部室に足を運ぶ事が出来なくなっていた

怖かった。仲間の事も立場の事も自分のことも・・・

そんな私に変わらず接してくれてるのはヨガだった。

いつも決まった時刻に家に来てぺちゃくちゃ喋るわけでもなく黙って隣に居てくれる

それが私にとっても嬉しくてありがたいことだった。

でも不安だったりもする。なぜヨガは隣に居てくれているのか??

「なぜ隣にいてくれてるんだ」そう聞けば真っ直ぐ前を見たまま「居たいからです」そう返ってくる

「私が憎くないのか?」こう聞けば「あれは事故です」こう返ってくる

なにを言ってもなにを仕掛けても絶対私を守ろうと努力してくれている

ヨガはお人好しすぎんだ・・・

また迷惑かけてさ・・・

ほんと

部長失格だよな。

上を見てみればまぶしいくらいの青空が広がっていた

おたべは・・・そこに居るのか?なぜ雲一つ無い青空なんかにするんだ?

東の空にただよっている真っ黒な雨雲がなにかを教えてくれそうだった。

「雨・・・ふりそうですね」

「もう少し居ていいか?」

ベンチを指さすと軽く頷き、ベンチの端に座った

「ソルトさんは・・・おたべのどこが好きだったんですか?」

その質問はおたべとの思い出がよみがえり目頭が熱くなった

丁度雨が天地を濡らし目の前に銀の緞帳が下ろされる

「優しいところ。真面目な所も不器用な所も、馬鹿な所も全部が全部・・・
大好きだった」

泣いちゃ駄目

分かってるのに後から後から追うように熱いものが流れ落ちていく

頬を伝い、服に濡れ、切なさを襲わせる

おたべ・・・

帰ってきてよ。また私の隣で笑ってよ・・・。

その笑顔をもう1度見せてくれよ・・・・・・。

おたソル(独占欲

ソルトside

最初はただ殴るだけの【おもちゃ】だった

「おはよ・・・」

弱りきった、寂しげな目で睨んでくる。でもちゃんと挨拶はしてくるんだからな・・・

「今日は何をしようか・・・?」

そう呟けば体をビクッと震わせ涙目で見つめてくる

「なんだ・・・」

「今日も・・・殴るん・・・」

ちらっと見てみればおたべの体中には真っ青なアザが出来ていた

「もう・・・嫌や・・・。」

黙って無言で見下ろしていたらおたべの目元がうるうる光り始めた

「あんたは私の、なんだ?部員?同級??その前にあるだろ・・・」

そう言ってみぞおちに手を当てれば目を見開いて首を横にふる

「辞め・・・ソルト・・・ッガハッ!!!」

「反抗しないように、教育しなきゃ・・・」

口端から唾液を垂らしだらりと全身の力が抜けたように横たわったおたべ

ゆっくりと椅子に座らせその上に毛布を掛けてやる

近くの椅子に腰を下ろしおたべが目覚めるのをただこの沈黙の世界で待ち続ける

おたべが嫌いな訳じゃない。

ただ・・・、私のものにしたくて・・・

こんなのただのワガママだって分かってる

でもどうしてもおたべが欲しいんだ

数分たったら痛みに顔を歪めながらも、目を軽く開けた

「おはよ」

声をかければ朝と同じ、ビクッと体を震わせる

「ごめん・・・ソルト・・・」

「なぜ・・・謝る」

涙をポロポロ流し、しゃくりを上げ途切れ途切れに言い出した

「ソルトがっ・・・あたしの事殴るんはっ・・・あたしが嫌いやからやろっ?何やったかっ分からへんっ・・・けど嫌われたくないねんっ。傍に居てたいんよ・・・」

その時はじめて分かった。

おたべはずっと不安だったのかな?って。

私のことを好いて付いてきてくれてたのは知っていた。もちろん最初はただただうっとうしかった

けど背中をあずけてる内に、守ってくれてるうちにおたべへの独占欲が強くなって暴力で押さえつけて

挙句の果てにはおたべを・・・けがした。

「謝るからっ・・・殴ってええからっ・・・。嫌いにならんといて」

そう言うおたべをぎゅっと力強く抱きしめた

「っルト・・・?」

なにも言わずただ抱きしめる。

私はおたべが好きだよ?そう伝わるように首筋に私の印をつけこめかみにもひとつ、付けておく

「ごめん」

一言声を出したら抱きしめ返してくれた

私もおたべも何も言わずただ沈黙の時と身を流す

おたべの首筋と私の首筋には

自分のもの。それを表す赤い印がずっと浮かび上がっていた






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