世界を滅びへと誘う魔王。
そんなものに立ち向かえる唯一の剣。
それは今も尚、伝説の剣として各地に言い伝えられている……。
1章 パーティ紹介
みんなが楽しみに待っていた勇者こと、アルクエスト・ラル・シンファは今日も今日とて、仲間と共
に伝説の剣を探している旅の途中であった。
「アルー、足が疲れたよー」
わがままを言っているのはいろんな魔法に精通しているシエラ・ガーツ。
わがままさえ言わなければかわいいし、立派な魔法使いなんだがな。
「アルさん、シエラさんの為に休みなさいな。……それとも、今ここで死にたいのかしら?」
にっこりと真っ黒い微笑を浮かべているのは弓のエキスパートのエレノア・マキシィ。
大人の女性なのに、相当のかわいいもの好きでシエラに弱い。
ちなみに、俺はこの人に弱い。(もちろん、いろんな意味で)
「休憩するなら、僕が最高のランチを用意するよ。ハニー達」
このキザっぽいもとい、何か根本的に間違っている奴はルークス・フランツェ。
フランツェ料理店の後継ぎで、コイツ自身もまた料理を作るシェフ。
もちろん、非戦闘員。
「だぁーっ!!あと少しで目的地に着くんだよ。それまで我慢できないのかよ?」
「無理」
「即答かよっ!?もうちょっと真剣に悩んでくれてもいいんじゃ………」
「あなたがもう少し悩みなさいな」
にっこりと黒い微笑を浮かべて、エレノアはそう言う。
「あなたが目星をつけていた大体の遺跡は全部はずれだったでしょう?」
さすが、エレノア。痛い所を突いてくる。
俺は何も言い返せない。
「どうするんだい?休憩するなら早く料理を作るけど」
お前は少し場の空気を読めよ。
俺がしばらくの間、何も答えられないでいると、シエラが急に喋った。
「しょうがないなぁ。……アル、用件をさっさと済まして休憩しよ」
「シエラ……」
コイツは何だかんだわがままを言っても、最後は俺の味方をするんだよな。
けどさ、それだったら最初からわがまま言うなよな。
「シエラさんがそう言うならしょうがないですね」
さすがのエレノアもシエラがやる気になったので、諦めたようだった。
が、最後に物凄い真っ黒なオーラを漂わせながら念を押された。
「……命拾いしましたね」
この人、本気で苦手だわ。
てか、この人なら本気で俺の命を取りそうだ………。
「何だい?せっかく、料理を作る準備をしようとしたのに、結局行くのかい?」
エレノアがもう少し優しくなるべきなら、コイツは間違いなく空気を読むべきだろうな。
「さぁ、伝説の剣が眠っている遺跡に行くぞー!!」
「……アル君、張り切ってるところ悪いけどさ」
空気が読めない男、ルークスがまたも空気を読まずに喋りだした。
「あれ、その遺跡じゃないかい?」
そう言って、ルークスが指を指したのは俺の前方であった。
そして、そこには遺跡の入口らしきものがある。
「………えっ?」
俺の予想に反して、どうやら早く伝説の剣(あればだけど)に遇えそうであった………。
→物語はここで強制終了してますね。でも、ネタとして勿体なかったんでUPしときました。