「ねぇ、帝人君。世界で一番強い人類って何だと思う?」
「え?そうですね…やっぱり殺人鬼とか…人に暴力奮っても何とも思わない人達じゃないですかね。」
「あっははは、帝人君は甘いなぁー」
「何がですか。」
「確かに相手に危害を加えるのに抵抗せず、尚且つ危害を与えるだけの力がある奴等っていうのは強いと思われがちだけどねぇ。でもさー、ちょっと視点を変えてごらんよ。」
「視点…ですか。」
「そう、視点。危害という名の苦痛を与える奴等っていうのはさ、肉体的にも精神的にも与えられる苦痛には恐怖があるものでしょ?だからね、与えられる苦痛に強い者こそが真の強き人類だと俺は思うんだよねー。」
「……?つまり、どういう人達なんですか?」
「ははは、鈍いなぁ。真の強き者…それは痛みを快感に変えてしまうマゾヒスト…そう、俗に言うドMなんだよ帝人君!」
「はぁ。」
「あれー帝人君?もう少し驚いてくれても良いんじゃないかなぁ。溜め息返事なんて失礼じゃない。」
「いえ、まぁ人類を愛する臨也さんがそう言うならそうなんじゃないですか。」
「こんなに素晴らしい発見なのになぁ。まぁいいや。というわけだからね、帝人君。ここからが本題なんだよねー。」
「何がですか。」
「肉体的に強くなれない弱い君に足りないものは、マゾヒストの性質なんじゃないかなと思ってさー。」
「…は?」
「あははは、だからね、帝人君を今日からマゾヒストに育てて究極の強い人類にしてあげようっていう俺の心粋なんだよ!ははっ素晴らしいよね!」
「……………本気で、一遍死んで下さい臨也さん。」