スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

せめて化膿しないように、新しい愛で塗り潰して。(ミヨ重前提やまかわ←重ss)

俺から見た東南風は、物静かで、大人っぽくて、落ち着いてて。
怒ったらむちゃくちゃ怖そうだけど(あんま東南風が怒ったとこって見たことないんだよな)、でもすげー優しくて、良い奴なんだって思う。


(だって、あいつが惚れるくらいだし。)




*****




「東南風ぃ〜っ!痛い痛い指のあいだ切ったー!」


入るぞ、と短く声がかけられてから一瞬の間もなく、涙声と共に部屋に飛び込んできたのは夕食当番で網問と一緒に台所に立っているはずの航だった。

入り口の近くで仰向けに寝転んでいた俺は、踏み台にされないよう急いで上体を起こそうとしたけどその前にぎゅむ、と力一杯踏んづけられて思わず呻いた。


「あ、重居たの。」

「まー白々しい。分かっててわざわざ踏むなよ。」

「ごめんなさいね、竹筒でも置いてんのかと思ったよ。」


恨みがましく見上げれば鼻で笑われた。なんつー奴。

どーせ、どーせ俺はそういう扱いだよ。


「……航、いちいち絡むな。怪我は。」

「ここ、ここ!瓶のフタあけよーとしたら切った〜…」


不毛なやり取りはため息混じりの言葉に一瞬でかき消されて。

身軽なそれは俺の身体を軽々と飛び越えるなり、東南風の身体をくるりと半周回り込んでその背中に着地した。


「人を跨ぐな。はしたない。」

「いて。」


ぺし、と頭を叩かれた航は妙に嬉しそうで。

後ろから回した腕からひらひらと泳ぐ右手には、赤く裂けた場所があった。
そんなに深くはないけれど、確実に水なんかが染みそうな傷。


「…全く、変なとこ怪我するんじゃない。」

「だってー」

「ほら、手当てしてやるからちゃんと座れ。」


そう言いながら航を座らせて、慣れた手つきで側にあった机の引き出しから薬を取り出した。


「なぁなぁ、」

「ん?」

「やま兄ってさー、航のこと好きなの?」

「なっ…重お前…っ」


それまで空気にされていた俺の一言で、航は一瞬で真っ赤になって東南風は手に持っていた薬を落としそうになっていた。


「航は黙ってろって。なあ、どうなの?」

「……ミヨ兄に余計なことまで吹き込まれたみたいだな。」

「だってーだってー気になるじゃん。」


(余計な、こと。)


しかもここでミヨの名前が出るってことは、俺ってば牽制されてんのかな。

さすが東南風だよね。
それってすっごい効果的。

ちょっと、泣きそうなくらいに。



「お前が何を期待しているかは知らんが、…大事に可愛がってるつもりだ。」

「っ東南風…!」

「あーはいはい聞いた俺が馬鹿だったよ。」



東南風が航をどう思ってるかなんて。
航のことそんな笑顔にさせられんの、お前だけだって。

本当は聞かなくたって分かってる。


(だけどちゃんと、思い知らせてくれ。)



「………航、お前幸せ?」

「はあ?決まってんじゃん。どうしたんだよお前、なんか変だぞ?」

「いや、間抜けな顔してるなって…」

「よし、表出ろ!」

「あはは嘘だって、冗談冗談!」



なあ航、ちゃんと笑ってろよ。
泣き付いてきたりしないでくれよ。

きっときっと、大事に、幸せにしてもらってくれ。


(最初に手を離してしまった俺には、もう出来ないから。)



真っ白な包帯を巻かれた手のひらがまた自由に泳ぐのを見て、俺のみっともない感情も白く塗り潰されてしまえばいいのにと思った。



(自分で傷つけた俺の傷口は、きっともう治らない。)





**********
中途半端だー文才ほしい

一線越えるのが怖くてうじうじしてる間に東南風に持ってかれた重と無自覚航おいしいです。
重は航のことは特別視してるけどミヨのこともちゃんと好きだよ。

大輪は紅く色付く(稲妻11/豪風ss)

好きだと言えば、目の前のそいつははにかむように笑んだ。

その顔はとても可愛いと、思う。

恋人だからとか、そういうのを抜きにしてこの生き物は可愛いのだ。


「お前が、一番。」


だから俺はその顔がもっと綻ぶようにと言葉を付け足したのだが、そう口にした途端みるみる内に花のような笑顔は萎んでしまった。

俺は何か、失敗したらしい。


「一番ってそれ、誰と比べて?サッカー部のみんな?クラスのみんな?」

「…お前と、お前以外の人間を比べて。」


もちろん嘘ではない。

伝えた言葉に、偽りも誤魔化しもなかったつもりだ。

しかし風丸は面白くなさそうに顔をしかめる。


「ふぅん…なぁ、他の奴なんて見るなよ。…俺だけ、見てて。」


なぁ?豪炎寺、と耳元で囁く声が酷く甘ったるい。
サッカーやってる時は何も知らないような顔して、こいつはどこでこんなこと覚えてくるんだ。


「わかった?」

「…………あぁ。」


俺の返事に気を良くしたのか、風丸の表情は満足そうだ。

しかし案外独占欲の強いらしいこいつは、自分自身こそが常に人の好意に晒されているということを知っているのだろうか。
そしてその度に、俺がどれだけ醜く嫉妬という感情に支配されているかということも。


「……お前も、たまには可愛いこと言うじゃないか。」

「えー…、俺としては格好良いこと言ったつもりだったんだけどなあ。」


取って付けたような俺の台詞に、風丸は拍子抜けしたようにへらりと笑った。

そうか、格好良いつもりだったのか。
ならそれは全くの勘違いであると教えてやらねば。


「つうか、その言い方じゃあ普段まるで可愛げないみたいじゃないか。」


冗談のつもりなのだろうが、そう言ってわざとらしく唇を尖らせてみせる風丸に触れるだけの口付けをしてやった。


「なっ、いきなり何すんだよ!」

「可愛げないどころか、そういうところが可愛すぎて困る。」

「……っお前、恥ずかしすぎるぞ。」



そうして今度こそ、風丸は顔を真っ赤にして目をあわせてくれなくなってしまったのだった。





**********
ただのイチャイチャ(^ω^)

バカとハサミは使いよう(ばくばくsss)


「ねーバクラ、」

「あー?」

「今日ねぇ、まりくんに二人は付き合ってるの?って聞かれちゃった。」

「へー、誰と誰が?」

「僕とお前。」

「はい?」

「だから、僕とお前だってば。」

「……それで?なんて答えたんだよ。」

「うんそうだよ、って言った。」

「はあ?!」

「何その反応。」

「だって、おま、」

「違うの?」

「いや、だから…」

「付き合ってるんじゃないの?」

「付き合ってってそれ…俺様、お前から好きとか愛してるとか聞いたことねーんだけど、」

「………………。」

「お、おい。…宿主?」

「………………違うの?」

「……っ!!ちっ違わねえよ!付き合ってんだろ!なあ!」

「だよね!そうだよね!それじゃあ可愛い僕の為にコンビニ行ってシュークリームとアイス買ってきて!」

「…………は?」

「あ、勿論アイスはハーゲンダッツだからね!当然だよね!」

「いやだから何でパシリ…」

「………僕たち、付き合ってるんじゃないの?バクラは僕のお願い聞いてくれないの?」

「行ってきます。」





**********
宿主「本当、ちょろいな。」

wet dream(稲妻11/円→←風前提DE風風ss/閲覧注意)

ワンクッション!
中身は若干性的だったりやらしー記事だったり。
閲覧に関しては自己責任でお願いします。
了承された方は半角数字で『1716』と入力して下さい。


貪るように口付けを(綾浦ss)


「あ、やべ…、せんぱ…」

「しー、静かにしないと見つかっちゃうよ。」



息を切らして身を焦らす彼をもっともらしく嗜めて、更に追い詰める様に口内を舌で犯す。

昼休みもそこそこに、次の実技の授業の予習をしようと他の生徒よりも早く校庭へと向かおうとした真面目なこの子を、無理矢理に空き教室に連れ込んで唇を奪ったみっともない私。
嗜められるべきは間違いなく私の方だけど、それをすることの出来る人物は頬を染めて息継ぎをするのに必死だったから私を叱る人はいなかった。


キスとも言えないような乱暴な行為に、藤内は抵抗しなかった。
…というより、させなかった。

それより早くに、両手をきつく捕まえたから。



(…おあずけなんて、性に合わないもの。)




*****




昼休み、多くの生徒たちで賑やかになる食堂でのこと。

同学年の級友たちに囲まれて食事をとる藤内とは別の、近くの机に席をとって。
トレイに乗せられた料理を口に運びながら、それとなく藤内の様子を計り見る。

あの子が周りの子たちと会話をしながら、笑いながら、食事を進める和やかな雰囲気の中。
私はといえばあの小さな口が食べ物を食み、白い華奢な喉を通って嚥下される様を見るだけで欲情していた。

まるで獣みたい、と自嘲する声が聞こえた気がしたけど。
心臓に火を付けられたような想いを抱え欲に浮かされた頭では、既にあの唇をデザートに頂くことが決められていた。


次の授業が校庭での実技の授業だということも、藤内が予習をしたいからと言って先に輪を離れるのも盗み聞くように伺って。

空き教室であの子が通るのを待っていた私は、ただの飢えたケダモノだった。


(そうして、何も知らずに廊下を軋ませる藤内の手首を捕まえた。)




「ねぇ、藤内。私、自分がこんなに浅ましい人間だなんて思ってなかった。」

「……ん、…はぁっ…」

「そうさせたのは、藤内だよ。」


たっぷりと口内を犯して唇を離すと、唾液に濡れ、薄く開かれた唇がすごく扇情的で。
また食らい付きたくなる衝動をどうにか押さえる。


(こんなに顔を赤くして。そんな反応されたら余計に苛めてみたくなるじゃない。)


誘惑に負けそうになるのをこらえて、座り込んでしまった藤内の乱れた前髪を整えてあげるときゅっと目を瞑るのがまた可愛かった。



「…誉めてね?藤内。次の授業まであと三分あるから走れば間に合うよ。」

「…っは、走ればって…っ」

「授業に遅れさせたら先輩失格でしょう?続きは後でね。」



艶やかな黒髪を一撫でして、ごちそうさまとだけ言い残し部屋を後にした私は薄情だと言われるかもしれないけど。



(だってもうあと数秒でも一緒に居たら、つい最後までしちゃいそうなんだもの。)




―結局その後、しばらく立ち上がることが出来ず授業に遅れた藤内からは、誉め言葉の代わりにしっかり小言を頂いたのだった。



(…けど、もう少し手加減して下さいってそれ、誉め言葉にしか聞こえないんだけどなあ。)





**********
綾部がただの変態(^ω^)
前の記事へ 次の記事へ