ボクは無を忘れてはならない

喉を踏み潰すような
有を掻き切るような
美しい無を忘れてはならない

また
花が綻ぶような
春が花開くような
残虐な無を忘れてはならない



ボクを評価するのは有であり
ボクを賛否するのも有である
そして有はボクを覗こうと身構えている

現に生なるものが
無限から有限への行進でしかないと説くのならば
ボクは生を憎むだろう


ボクは無を忘れない
無限から有限への行進を酷く愛おしく思いながら…