「CONTROL」は犯罪分析捜査のドラマですが主役は学問世界に生きる大学の先生と熱意だけが取り柄の女性捜査官。
この組み合わせはどこかで見た気が…そう、福山雅治主演の「ガリレオ」(東野圭吾原作)と同じです。捜査の進行スタイルも基本的に同じですので、ガリレオの二番煎じと考えてよいと思いますが、原作の出来具合に決定的な差があるため二番煎じというよりはガリレオの劣化版と言うべきかも知れないです。
劣化版だからガリレオほどの演出もないし、出演者の存在感もイマイチな感じですが、まあいいとしよう。
「美咲ナンバーワン」は漫画が原作でテレビ版の演出はあの「ごくせん」と同じ。ストーリー展開も基本的にごくせんと同じです。
今回の設定は六本木のキャバクラでナンバーワンキャバ嬢だった美咲(香里奈)がキャバクラのママに頼まれて(←?)落ちこぼれの集まる2年Z組の担任になり、少しずつ信頼を作っていく昔ながらの「先生VS不良」の物語。
ごくせんでは仲間由紀恵先生が実はこお祖父ちゃんが地元の大親分で仲間由紀恵先生自身は武道に秀でた武闘派。
喧嘩が強くていざという時は腕っ節で生徒を守るのだけど、今回の香里奈先生はどうやって難局を乗り切るのでしょうか?
今のところ香里奈先生はケンカはしなくて、「元六本木ナンバーワンキャバクラ嬢」としての顔を生かして六本木の仲間を集めて対抗したり、一本気な正義を貫くスタイルで生徒の気持ちを変えていったり、キャバクラに連れて行き「あたし前はここで働いていたの。その頃のあたしは自暴自棄で…でもあたしが変われたんだからあんたたちも変われるはず!」とキャバクラの席で説教するとか、毎回違うパターンみたいです。
ウリとしてはちょっと弱いけれど「ごくせん」よりはまだ現実的かも。
香里奈はいま最も数字がとれる可能性があると言われているタレントで、先のクールでは嵐の二宮+香里奈が主役の「フリーター家を買う」が「相棒」に次いで視聴率No.2を獲得。
それもあって香里奈は2クール連続でドラマレギュラー出演となりました。
このドラマには最近連ドラのサブとして好調のドランクドラゴンの塚地も出ています。お笑いより俳優で稼いでますね!
この2本はとりあえず継続視聴していく価値がありそうだ。
まあどちらもおっきな数字(15%以上)はまず望めないありきたりなコンパクトドラマですが、12%は切らないと思います。
それにしても松本清張、夏木静子、西村京太郎、東野圭吾をはじめとする作家たちのプロット能力というのは素晴らしいです…さらに最近は漫画原作のドラマも多数あり、いずれも面白い。
面白さの秘訣はやはりオリジナルな内容に尽きます。
テレビの脚本は最近はこうした作家や漫画家に頼りきりでオリジナリティが非常に薄いばかりか原作の良さを生かしきれなかったり…実際小説や漫画に比べるとテレビの方が桁違いに制約が多いため、実写化できないシーンも多々あります。
そこはやはりテレビとしては「演出」で乗り切るしかないですよね。
オリジナル脚本では数字がとれない時代に斬新な発想で挑んだ「任侠ヘルパー」などはテレビのチャレンジ性を具現化した作品ではないかと思うし、シーンが現代と江戸時代を行き来するため漫画の原作がいかに素晴らしかろうと演出上でもコスト上でも連ドラでは実写化が難しいと言われていた「仁」などはよく実写化に踏み切ったと思います。
同じことは「ごくせん」にも言えますがごくせんの場合はズバリ「仲間由紀恵」起用の成功が全てだった。
下手したら水戸黄門をちょっと混ぜた昭和の金八ドラマになりかねないストーリーを仲間由紀恵が原作を読みに読んで役作りをし、期待以上の大熱演。その結果高視聴率をマークして映画化までいきました。
読んでから見るか 見てから読むか
(出版とテレビのコラボレーションプロモーション)
は今では当たり前の手法ですがこれを日本で最初に本格的にやったのが角川春樹氏ですね。
今はそれにプラスして番組終了と同時にDVD化→販売があります。
そして主題歌タイアップ、着うた着メロダウンロード、待ち受けダウンロードなども全て有料ですから、ドラマ1本ヒットしたら大変なビジネスが動くのです。
一方で打ち切りになったり低視聴率で脚本変えになったりすると目も当てられない(笑)
ドラマはバクチなんですね…だからこそついつい安易なバラエティーに行きがちな今日この頃なわけです。
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