A.side
「こ〜ら、愛佳。ご飯作ってる時は離れて。危ないでしょ〜」
「いやぷー」
「理佐はいい子で待ってるよ?」
「りしゃはおしゃんぽでつかれてるだけだもん」
「愛佳も行ったじゃん」
「しゃむい」
「おこた」
仔猫の愛佳と仔犬の理佐と一緒に暮らし始めでもうすくで1ヶ月になる
最初は緊張とか遠慮とかあったけど、最近はやっぱ子供なだけあって甘えん坊で色んな意味で困ってます
「ほら愛佳の好きなオヤツあげるから、理佐と食べていい子で待ってて」
「なぁんで?」
「あのね、あかねちゃんはね、今火とか包丁使ってるの。熱いんだよ?血でるよ?」
「やだ、じゃあ、あかねとおこたいく」
「いや、あの…そういう事じゃなくって…ご飯食べたいでしょ?あかねちゃんが作らないと食べれないよ?」
「やだ」
エプロンをぐいぐいと引っ張る愛佳に心がグラグラと揺れるな、あたし
夕飯を作らないといけないでしょ
そ、そうやって目をウルウルさせるな
「あかねん…」
「あ、理佐起きたの?まだご飯出来てないから、まだ寝ててもいいよ?」
「おといれ」
「おトイレで起きたの?偉いねぇ」
ペットのもう一匹の方の理佐は愛佳とは真反対に大人しくって穏やか聞き分けもいいしね
愛佳みたいに聞き分け良くないのも可愛いんだよ?2人とも違ってて二度美味しいみたいな?
「じゃあ、おトイレ行こ」
「ん…」
目をこしこしと擦る理佐の手を取って、お手洗いに向かった
愛佳は後ろでギャーギャーと文句言ってたけど、構うのはまた後でね
「はい、あたしドアの前で待ってるからね」
「ん…」
この子達は野良だったし動物の姿だった時は好き勝手でしたい時に排泄をしていたみたいだけど、ほぼ人間の姿でしかも部屋の中でそんな事されたら困る
それでお手洗いを覚えさせてるんだけど、水が流れるのが怖いとか、なんだか言ってなかなか覚えてくれない
「りさぁ〜終わった?」
「まだ…あかねんいる?」
「いるよ」
こうして手を繋いでトイレの前で声をかけてないと不安みたい
ガチャ
「終わった?」
首をふるふる降る理佐
「どしたの?」
「て、ぎゅっとしてて」
洋服の裾をギュッと握って俯く理佐の頭を撫でて、ズボンを下ろしてあげて声をかけて座らせた
「おちない?」
「大丈夫、落ちないよ」
本当可愛いなぁ〜
何回も練習したのにまだ不安なんだぁ〜
可愛い〜
こんな可愛い姿見れるなら、トイレに慣れなくていいのになぁ
大きくなって欲しいけど、大きくなって欲しくない
頭の上にある2つの耳をくすぐる様に触ると、理佐は首を振って手を甘噛みした
「かみかみするの好きだね〜」
「おいちい」
チクチクと当たる理佐の歯を右手で感じながら、左手で彼女の顎の下をくすぐったら目がトロンとさせた
「じゃあ、おてて洗ってくださーい」
「ん…」
「あー、寝ちゃダメ」
「んぅ、だっこ…」
お手洗いも無事泣く事なく(日によったら3回に1回くらい泣く日もある)終わり、洗面所で抱きあげて手を洗わせていたら、くっつき虫になっちゃった
「ねぇ、まにゃかも」
「ん?」
「だっこ」
「ちょっと待って、理佐運んだらね」
「やだ、おりて、りしゃ」
洗面所にやって来た愛佳がまた、着ていたトレーナーをぐいぐいと引っ張っられた
そのまま愛佳を背中に付けたまま、リビングのおこたまで理佐を運んであげたら、そのまま自分の指を吸って寝てしまった
「愛佳?だっこもいいけど、おトイレは?」
「ない」
「ウソでしょ、モジモジしてるじゃん」
「やだ」
「やだじゃないの、行かないとまたお漏らしするでしょ」
「ない」
「あるの。オムツするの?」
「あかねが、しゅれば」
「私はトイレで出来るんです〜ほら一緒に行こ」
それでも愛佳はブンブンと首を振った
もう膝を擦り合わせてモジモジして、おトイレ我慢してるくせに
「ただいま〜」
「あっ、てち」
「こら、逃げるな!」
そんなこんなしてると、てっちゃんが帰って来て逃げられた
逃げ足だけは速いんだから…
「おみあげは?」
「今日は無いんだ、ごめんね」
「…だっこでいい」
「ふふ、おいで」
玄関を覗くと、てっちゃんが愛佳を抱っこしていた
「てっちゃーん、そのまま愛佳お手洗い連れてって〜」
「はーい」
「えっ、やだっ、やだっ」
「ほら、ズボン脱ぐ」
「みっ、みず!!」
「だいじょーぶ、ほら僕いるから」
愛佳は猫だから水が嫌いなのはわかるんだけど、人間の姿で猫砂使わせるのも想像したら、なんとも言えない気持ちになる
「はい、終わり。ズボンは?上げれる?」
「んっ、ほら」
「じょーずじゃん!」
「えっへん」
「ほら、手洗おうね」
私このままじゃあ、彼氏も出来ないだろうな
こんな天使みたいに愛くるしい子達置いて、遊びに行けないしご飯の心配とか寂しくて泣いてなかとか、今でもスーパーに買い物行く時とか大学行く時とか、行かないでって言われたら30分は抱きしめて、今生の別れみたいになっちゃうし
「あかねん、ただいま〜」
「てっちゃん、おかえり。今日ねるちゃんとデートじゃなかったっけ?」
「ねるが急にお仕事になったから、僕も帰って来たの。愛佳と理佐とも遊びたかったし」
「そっか、じゃあご飯にしよっか」
「僕が理佐起こしていい?」
「うん、おねがい」
弟のてっちゃんは二人にメロメロで、2人もてっちゃんが大好き
だから…
「理佐起きて〜ご飯にしよ〜」
「んっ………て、ち…!!てちっ」
「まにゃかもてち〜」
「こらこら、愛佳乗らないで」
「りしゃも」
「ぐへっ」
てっちゃんも理佐も愛佳も、健やかに育って欲しいな
もう1つお願いしていいなら、3人とも大っきく育ってね
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Kanadeさんへ
おぉ!!!ありがとうございます!!
いやぁ〜嬉しいです!
くーる観察日記。は私の性癖を塊で、Kanadeさんが初めて御感想くれたので、今まで「え?さすがに引かれた?」ってドキドキしてたから、安心しました笑
今後もネタを見つけては書いていこうと思っているので、また遊びに来てください!
コメントありがとうございました!!
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