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118日 10話

N.side

落ちるなら一緒堕ちてあげる


「ねぇ、門にいる人って欅高の渡邊理佐じゃない?」


放課後帰ろう思って鞄に教科書を詰めていたら、校門の所に立っているあの人

私はあの人に会った瞬間、この人とこれから何かあると感じた




「どーぞ」

「…ありがと」


両親が事故でこの世を去って、私はおばあちゃんと二人暮らしをしている

そんなおばあちゃんも体調を崩してしまい、入院してしまい、お見舞いに行こうとした時病院の玄関でぶつかってしまった女の人、それが渡邉理佐

コーヒーショップで買ったホットコーヒー片手で歩いていたから、ぶつかった拍子に理佐の服を汚してしまい、私は理佐は一緒にちょっと強引に家に連れて来てしまった


「服、すぐに染抜きするからとりあえず、これ着てて」

「…うん、なんかごめんね」

「いやいや、私こそごめんね」

「洗って来るから、お茶でも飲んで少し待っててね」



ちょっと強引にしてしまった理由は分からない

けど、この人とこの先何かあるなって感じたってのは本当

理佐の制服のブラウスを鏡の前で自分に合わせてみると、私より少し大きくて、鼻に近づけると香水とはまた違う、人の暖かい匂いがした

私は汚れた部分を少し濡らしてポンポンと叩いてシミを抜き、洗濯機でもう一度洗うことにした


「あと2時間くらいで、乾くと思うんだけど、お詫びにご飯でも食べてってよ」

「え、、いや悪いから、、いいよ」

「別に毒とか入れたりせんけん」

「あっ、そんな疑ってる訳じゃない…けど」

「じゃあ食べていってよ、ね?」


理佐は少し慌て撤回したけど、諦めたようにニコって笑って私が入れたお茶をフーフーして飲みだした


「でもねるは病院に用があったんじゃないの?いいの?」

「あーおばあちゃんのお見舞い行こうとしたんだけど、今日くらいいいと」

「そっか…」

「理佐は?なにか慌てたように見えたけど…」

「あ、、あぁ…まぁちょっとね」


理佐は口角だけ少しあげて、目を逸らした

聞かない方がいいんだな


「夕飯の準備してくるから、ゆっくりしてて」

「…うん」

「あと、煙草吸うならそこの縁側でお願いね」

「、えっ」


理佐は狐につままれたみたいに、目を見開いて驚いた

理佐の表情がくるくると変わるからおかしくって、クスッと笑うと彼女はまた表情が変わって、むくれてみせた


「匂いですぐわかったよ」

「ふーん、、じゃあお言葉に甘えて…」


理佐は私に背中を向けて縁側に座り、煙草に火を付けた

彼女のうえにはぷかぷかと白い煙が浮いていた

背は私より随分高いはずなのに、背中はすごく小さく見えて、どこか儚げだった


それから私は料理に取り掛かったけど、誰かに料理をするのが久しぶりで、少し緊張した

おばあちゃんは美味しくないなんて、言ったことないけど、身内がそんな事言うはずない

よくよく考えたら、理佐もそんなこと言いそうにないけど

そうだ、嫌いなものとか聞かなきゃ、そう思い視線を理佐に向けると彼女はぼうっと、見上げでどこか一点を見つめていた


「理佐?」

「ねぇ、ねるこっち来て」

「ん?」


理佐に言われるがまま、そのまま隣に座った

視線はちらっと私に向けてニコッと笑って、またすぐ元に戻された

どこを見てるのかなって視線の先を追って見たけど、何にもわからなかった


「鴉ってね、二羽のつがいで生きるんだって」

「へぇ…」

「あそこ見て」


理佐は私を呼んで庭の木のてっぺんを指差した

よく見ると、鴉が1羽いた


「1羽って事は、多分恋人を亡くしたか、まだ出逢ってないってこと?」

「そうだろうね、、私もあの鴉と一緒なんだよね」


さっきまで表情がくるくる変わっていま理佐の感情を今はわからなかった

隣にいるのに庭の木よりずっと遠くにいるような…


「理佐もこれから見つかるよ、きっと」

「ううん、違う…なくしたの」

「あぁ、、ごめん、変な事言っちゃったね」

「じゃなくて、他の人に取られちゃった…」

「あぁ…」

「ごめんね、今日会ったばっかのねるに話す事じゃないよね」


理佐の無理やり笑った横顔に、胸がキュッと締め付けられた

そんなに頑張らなくっていいよ

私はたまらなくなって、理佐の頭を抱えるよに抱きしめた

理佐の辛い気持ちを少しでも、軽くしてあげたい

理佐は私の腕の中でむせび泣いた

子供みたいに大きい声を出して泣いた

そんな彼女の頭や背中を撫でて、どこか満たされる私ってなに?

鴉を2人で見て話した時、空はは茜色だったのに、理佐が泣き止んだら太陽はどこかに隠れていた

まつ毛に涙をいっぱい付けて、ウサギみたいに目を真っ赤にさせた彼女が顔をあげて、目が合った瞬間、私のは目を瞑った

わかっていたの

理佐は私にキスをする

そんなこと私でも分かった

でも分からない事は、今日初めて会ったあなたへのこの気持ちは分からなかった


.

118日 9話

M.side

私だって、正しく生きたい。けれど、正しいことと、あなたを好きでいることが矛盾してしまうのは、どうしてなのか分からなかった


あの日理佐が夜中に帰って来た日、理佐は私に背中を向けてベットに入った

私はここで自分の部屋に帰ると理佐がこのまま居なくなりそうで、空気読めてないって言われそうだけど、私も理佐のベットに潜り込んだ

何か言われるかと思ったけど、理佐は何も言わない

何か言ってくれた方が気持ちは楽だったかもしれない

理佐は寝れない様子だったのに、私は無神経だからかな、寝てしまった


「居ない…」


そして起きたら時計の短い針は頂点に近くて、ベットには私だけがポツンと居るだけ

私は結局理佐がいないと、1人ぽっちでなんの価値もない

寂しくて、どうしていいか分からなくて迷子みたいな気持ちになる

気分が落ち込んだまま、学校に行くと理佐は居た

窓際の一番後ろの席なんて、クラスのボスみたいな席に座って、外を眺めて、いや…どこか遠くを見つめている

なんて哀しい顔をしてるんだよ

私がそんな顔をさせてるのかな

それだったら嬉しいな



私とはその後、少し目が合ったけど、おせっかいなオダナナに手を引かれた

振り返って理佐を見てもまだ私を見ていて、理佐は何を考えてるの?


「ほら手を広げてて」

「え、何すんの?」

「文化祭の衣装の採寸するって言ってたじゃん」

「あぁ、、なんの男装するの、私」

「チャラい男子高校生役」

「ヤダ!そんなの、、もっと硬派なのがいい」

「どうしたの急に、、チャラいキャラじゃん」

「そんなキャラに見られてるから、見返したい」

「誰を?」

「……みんな」


オダナナはチンプンカンプンって表情で呆れて、話しかけてこなかった

理佐にチャラいって思われてるところを払拭したいんだ







あの日の理佐とSEXをした後、理佐は私への態度は変わらなかった


「おはよ、まなか。学校遅れるよ」

「……」

「怪我の絆創膏変える?」

「…いい」

「あ、そう」


前日のことが無かったかの様に感じた

いたっていつも通りの理佐

なんで、

どうしてっ、


「しっ、志田先輩っ」


理佐のそんな態度にイライラして、私はまた悪い癖が出た


「このまま家行っていい?」

「はっ、、はい…」


私に声をかけてくれた後輩と手を繋ぎ、その子の家まで行った

理佐が悪い

理佐がまるで私達のあの行為を無かったかの様にしたから


どうしてあんな事思ったんだろうか

結局あの後、声をかけて来た女の子をヤり捨てて、その子が友達の間で騒ぎ立てた。

すると女っていうのはすぐ噂がまわって

私に貼られたレッテルは、女好きのクソ野郎

理佐は呆れて何も言わなかった

いつもみたいに私を笑う事もなくて、何も言ってくれなかった

私はあの時に、

理佐に見捨てられたのかもしれない

そう考えると辻褄が合って、怖くなった



「何の男装にするかは、当日まで衣装係だけの内緒だから」

「そこをなんとかっ!」

「ダメだって、そもそもオダナナが愛佳に男子高校生って話した時点でダメだし」

「そこもなんとかっ!」

「今から変更?!んーーー」


放課後、衣装係の虹花に理佐が何の男装するか、私のチャラい男子高校生役を変更して欲しい事を頼むと、何か色々言われた

結局私の衣装を変更する事は了承されたけど、理佐は何をするんだろう

またどうせ理佐はモテるんだろうな




廊下で話していて、少し遅くなって教室に戻ると理沙の鞄はもう無くなっていて、また置いて行かれた

私は行くとこも無いし、テクテクと自宅に向かおうとスマホにヘッドホンを接続しようのしたら、ベリカからLINEが入っている

珍しい

退院したのかな


「病院に来て欲しい」


ベリカは規則は絶対守る子で、病院内にいる時は頑なにLINEなんてして来ない

少し疑問に思いつつも、分かったと返信して病院に向かう

日が落ちるのも早くなって、赤みが多くなった道を歩いて考えるのは理沙のこと

いや、私のことなんだけど

同性ってなんでこんなに壁が大きく感じるんだろう

いつも女の子と遊んでるのに、理沙の事となるとまた違う

周りの目とか、親とか、将来とか…

あぁ、私って重い


ベリカの為に病院の中の売店で買ったパックのココアを持って病室お見舞いに行くと、部屋のドアには面会謝絶の文字があった


「なんで、、」


この文字の意味は馬鹿な私でも分かる

ベリカに何か起きたんだ

持っていたココアを落としてしまったけど、そんなの気にしてられない


「ベリカっ!!」


シューシュー


ドアの向こうには沢山の管が繋がったベリカが居た

いつもより、小さく見えて消えて無くなりそう


「まなっ…か?」

「ベリ!!なんで?!」


力なく無理に笑うベリカを見て、馬鹿な私でも分かった

ベリカはもう長くないかもしれない


「まなかっ…」

「なに?どうしたの?」

「すきっ、、だよ」

「えっ…」


砂時計の砂は一度落ち始めると止まらなくって、止め方も知らない私は無力だ






.

118日 8話

大人な表現があります。
判断はお任せします。
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118日 7話

M.side


あなたの声だけ聞ければ、こんな夜でも眠れるのに



理佐がベリカの病室から逃げるように帰ってしまった

ベリカに聞くと、なんだか曖昧というかモゾモゾしてるだけ

理佐の顔は焦ってて、超絶動揺してた


気になって自分の部屋から理佐の部屋に行っても居ない

待てど暮らせど帰って来ない

LINEをしても返信もない

既読すら付いていない

何時間も前から部屋は暗くなって、私の心をザワザワするし

もしかしたら、何か事件に巻き込まれてるのかもしれない

そう思ったのが夜中の3時を過ぎた頃


「探しに行かなきゃ、、」


そう思って立ち上がると、階段を登る音


「り、理佐!?」


ガチャ


部屋に入ってきたのは理佐だった

けど、いつもの理佐じゃない

いつものニヤニヤした顔や冷たく私を見下ろす様な表情じゃなくて、力なくふんわりと少し微笑んだ


「どこ行ってたの?」

「…バイト」

「こんな時間まで?」

「もう、、いいじゃん」

「ちょ、おい!!」


理沙はストンと制服のスカートだけ床に落として、私の方を向いた


「愛佳はさ、好きな人とかいる?」

「好きなひ、と…」

「そう、」

「いない、、、かな」

「……」


いや、いるよ

私は理佐が好き

どうして、この時私は嘘をついたんだろう

いつも一緒にいるから恥ずかしくて

断られて、もう一緒にいられない事に怯えて

自分が傷付きたくなくて、嘘をついた

けど、嘘を一つついたら、沢山の嘘を重ねないといけなくなる事に気付くのには、私はまだ幼かった


「理沙はいるの?」

「いたら、どうする?」


理沙は私に背を向けてベットに潜り込んだ

いつもなら私が化粧も落とさないで寝てたらうるさく言ってくるのに、服も上半身は制服のカッターシャツのままで下半身は下着だけ、こんなの理沙じゃない


「愛佳はさ、好きでもない人とsexとか平気な人じゃん?」

「そ、んな事ないし…」

「私とヤッた日、あの日はどういう気持ちだったの?」


あの日

それは去年のある寒い冬の日に、私は罪を犯してしまった







「何その傷?」

「修羅場った」

「シュラバッタ?」



当時、若気の至りで遊びで付き合った学校の女の子と、エッチだけした大学生の女の子と遊んでるときにばったり出くわしてしまって、それは本当すごい事になった

2人は猫の喧嘩みたいに取っ組み合いになって、仲裁に入った私も色々とひっかかれてグーパンチが入ったりと、散々だった

最後に2人で半分こで両頬にビンタを貰って帰って来た


「また、派手にやられたね」

「女って怖いわ」

「愛佳も女でしょ」


理沙は優しいから棚をゴソゴソして、救急箱を出してきた


「ほら座って」

「…はい」


理佐のベットに腰掛けて、理沙は隣に座って私の顔を見てクスクス笑う


「いてててっ!優しくしてよぉ」

「痛くしないとまた、どーせまた手癖悪い事するでしょ」

「しないっ!しないっ!」


消毒液を付けたモコモコって超痛い

爪を伸ばす女なんて大嫌いだ


「はい、終わったよ」


理沙ポンポンと私の頭を撫でて、救急箱を戻しに私から背を向けた

私は顔の傷が痛いからか

彼女2人に振られたからか

理沙が私に優しくしたからか

わからない

理由はわからないけど

言葉が発せないで、涙を流していた


「グスッ、、」


理沙は振り返って一瞬ギョッとした顔をしたけど、すぐ戻って来てくれた

私は理沙に抱き付いて、子供みたい泣いた

捨てられた子みたいに、「どこも行かないで」「捨てないで」と泣きついた

理沙は優しく私の頭を抱えて、「大丈夫だから」と優しく声とと共にぽんぽんと念を押すように背中を叩いてくれた

どれだけの時間、理沙がそうしてくれてたかは分からない

私の気持ちが落ち着き顔を上げると、穏やかな顔の理沙が居た


「甘えん坊」

「うるっさい…」

「すごい顔だね、痛そう」

「痛いよ…」

「罰だね」

「助けてよ…」


もうなんとでも言ってくれ、そう投げやりな気持ちでいると、はぁ〜とため息をひとつついて、私を痛めつけた傷に理佐の濡れた唇が触れた


「もうこれで痛くないでしょ?」


理沙の震えた声に

理沙の優しい栗色の目に

私を見る暖かい視線に

頬に添えられた柔らかい手に

私は心はかき乱されて、理沙の唇に吸い込まれた


.

118日 6話

あの子に見せる、あの子に向ける愛を、少しでいいから私にもください


R.side


毎日どこか気が重い

雲ひとつ無く空と、少し冷え澄み渡った空気の中で私だけがこんなに澱んでいないといけないんだろう


「でさ、理佐はどう思う?」

「いいんじゃない?」

「本当?男装喫茶だよ?」

「おだなな、似合いそうじゃん」

「理佐も似合いそうだししなよ」

「いや、いいわ」


教室では文化祭での出し物を決めている

別に気持ちが落ちているのはこれのせいじゃない

なんでだろ、、、あぁ、愛佳の彼氏の話だ

当の本人は、斜め前の席でギャーギャー騒いで、理佐もやるんだよ!分かった?って人の机をバンバン叩いて、ほんと、、、うるさい


「理佐ちゃん、も愛佳も、、、似合う、と思う」

「まぁ、ベリカが言うように私達は似合っちゃうだろうね」

「すごい自信じゃん」


学校帰り梨加ちゃんの病室に普通にお見舞いに来たら、この話で持ちっきり

愛佳は興奮気味で梨加ちゃんに身振り手振りで説明して、同じ年の事が信じられない

私はジュース片手に、病室の出窓に腰掛けてふと病院の外を見る

犬の散歩している人、ウォーキングしてる人、携帯を見るのに必死で俯いてる人、誰もが私の存在を無視しているよう

梨加ちゃんはどんな気持ちで、私達の夜の気まぐれに応えてくれてるんだろうか


「ベリカもさ文化祭おいでよ!OBなんだし」

「う、ん、、行けたら、行き、、たい」

「愛佳、OG」

「OG?」

「Bだったらボーイ、私達一応ガールだから」

「あ、そっかそっか」


そう、私達はガール

女だから、悩んでる

愛佳とはどう間違っても結婚も出来ない

子供なんて絶対出来ない


けど、、、


「私的にはオダナナも捨てがたいんだけど、やっぱ理佐が一番カッコよくなっちゃうと思うんだよねぇ」

「愛佳も、カッコいいよ?」

「いやいや、それは〜私もそれは思うんだけどね」


このバカがどうしても好き

キライになりたいのに、この気持ちは止まることを知らない


「ちょっと、おしっこ」


なんて言って愛佳はバタバタと部屋を出て行った


「内容なんて聞いてないのにね」

「、、ね」


梨加ちゃんは口元を軽く丸めた手で隠してクスクス笑ってる

愛佳がお土産であげたジンベイザメのアオコをぎゅーぎゅーと抱きしめて、ほんと歳上なのに妹みたい

私は愛佳が座ってた梨加ちゃんの側の椅子に座った

なんかお尻が少し暖かい


「ねぇ、理佐ちゃんって、、」

「ん?」

「……愛佳のこと、、好き?」

「あ、、、え、、、、好、き」



梨加ちゃんがこの関係に一歩踏み出した

「理佐ちゃんの、、好きは、どういう意味?」

「……どうって、、、」

「あたし、理佐ちゃんの事お友達と、、思ってる」

「あ、たしも、、」

「でも、愛佳の事は、、友達じゃなくて、好き」



こんな日が来ることは分かっていた

そんな日に怯えていた


「理佐ちゃんは?」

「あ、、あたしは……」


そして、私は逃げた

鞄を持って、何も言わず病室から梨加ちゃんから愛佳から、そして自分から逃げた

病院の中を早歩きで進む中で、愛佳とすれ違って何か言われた気がする

けど、私は無我夢中で歩いた

私はどうしたら、どうしたら、、


「うわっ、、」

「わっ!」


私は無我夢中で歩いて病院の玄関から出る時誰かにぶつかった


「えっと、、すみません」

「私こそ、、」


私がぶつかった女の子はスカートをポンポンと叩きながら立った

「怪我とか、、」

「大丈夫です」


カチッ


私より小さいこの人が私を見上げた瞬間、何かが動き出すスイッチの音がした



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