りさねる 2
M.side
「ベリ起きて、朝ご飯行こうよ〜」
「んー…5分、、、」
「さっきも言ったし!」
昨日夜からベリの部屋に入り浸って、ちょーーっとだけイチャイチャして、寝た
でもベリは起きない
「アオコ、お前の主人寝坊助だな」
まぁアオコは話せないんだけど
コンコンッ
「はーーい」
先に顔でも洗っておくか、と思って立ち上がると聞こえたノック
来るのはメンバーか寮母さんだし、何の警戒心もなく開けた
警戒心なんて要らないし
普通は、、
「やっほ」
「あ、ねる。おはよう、どうしたの」
「ちょっと部屋入れてくれる?」
ねるの上目遣いにドキっとした瞬間
ねるの腕の中の異物に気付いた
「………」
「ちょっと愛佳にね、聞きたい事があって。とりあえず座って」
ここベリの部屋なんだけど、ねるがすっごい強気というか、ちょっと説教が始まりそうな雰囲気
ていうか、私はその異物に開いた口が塞がらないってやつよ
この言葉はちなみに、織田奈々に教えて貰ったんだけど
「朝起きたら、理佐が小さくなってたんだけど、理由知ってるでしょ?」
ニコと笑うねるに怖ろしさを感じた
その腕の中で指を吸って寝てる理佐
マジで可愛い
神!!!
私とベリで育てる!!
「違うの!!あの、、違う事無いんだけど、、あの、、、、ごめんなさい!!!」
ここは素直に謝るしか無い
「どうゆうこと?」
ねるの背後からゴゴゴッって何か音がするけど、聞かなかった事にしよう
「かくかくしかじか、、という訳でして」
「ふーーん、なるほどね」
まぁつまり、あたしがベリに使ってみよーって買ってしまった何か怪しい薬〔幼児化〕をベリが角砂糖と間違えて理佐に飲ませた。
そういう訳でして
「ふぇーん」
「あ、泣いた」
理佐はパチッと目を開けて泣き声をあげた
「どうしたの?理佐?寝てていいよ?」
「グズッ、、ねるもぉ、、ねるもいっしょがいいのぉ〜」
「はいはい、でももうちょっと待っとってね、愛佳に話しつけないといけないけん」
「やだぁのぉ、、、まにゃか、、やだぁ」
キューーーーーーーン
「ままままま、まにゃか?ってあたし?ねぇ?あたし?」
パシッ
「いって!」
ねるに抱かれてる理佐が可愛い呼び方をしてくれるから、ニヤけを抑えれないまま顔を近づけると小さい手のビンタを食らった
けど、こんなのヘッチャラだし
「ほらおいでよ!!」
「わっ、、わっ!!」
ねるの腕から腕から無理やり理佐を奪って、他界高いをすると、目を見開いて驚いてる小さい理佐
泣き止んだし、めっちゃ可愛いし、最高じゃん
「ほら高いたかーい!!」
「あっ、、まにゃかぁ!!だ、め!」
「楽しい?楽しい?!」
「わっ、、い、や!あっ!!」
そうかそうか、小さい子にはやっぱたかいたかいだよね
「う、、、うわーーーーん!」
「え?あれ?泣いちゃった?え?え?」
「あたし知らないよー」
ねるは愛しの恋人理佐が泣いてるというのに、助けてくれない
ていうか、あたしのせい?
だってあたしねるに睨まれてるって事はそういう事だ
あたしが困ってアタフタして、理佐はギャンギャン泣く
もうザ・クールって名前もどこかに捨てて来たのかもしれない
「赤ちゃん、、おいで」
「うぅ、、あかっ、ちゃん、、ちがう」
「ふふふ、可愛い」
「ぺー、ちゃん、、」
時々現れるお姉さんベリに、あたしの腕からスッと理佐は取り上げられた
いつのまに起きたの
その言葉はグッと飲み込んだ
理佐はベリに向かい合わせで膝の上に座り、ティシュで涙を拭いてもらって、頭をナデナデされてる
羨ましい
ベリは私のだぞ
でも、まぁ私とベリの子供って事にして、、
「たぁっ!」
「理佐どうしたら戻るの?」
「いって、、何日かしたら戻るらしいけど…」
ねるも理佐の事になったら必死だな
今ベリとイチャイチャしてるからって私に当たるなんて相当
「君は、迷子?」
「ちがーうの」
「??」
「りしゃ!わたにゃべ、りしゃ!!」
「……」
「ぺーちゃん?」
「あー、同じ名前?」
「ちがーうの!!」
ベリと理佐の会話は、まるで絵本の中みたい
なんだかふわふわしてて、平和
隣のねるも理佐を見ている目はすごく優しい
こんなにまで優しい顔をする子だったっけ?
「ねぇ愛佳」
「ん?」
「この子、、理佐ちゃんに似てる」
私はそうだね。ってベリに言って、理佐の頭を撫でた
とりあえず、なってしまったのはしょうがない
今できる事はこの小さい理佐を守って、可愛がるしかない
「理佐!!遊び行こう!公園」
嫌そうな顔をした理佐なんて関係ない
今は子供なんだし!