徳誰パロ りさねる 卒業後の話です!
2017-3-26 15:28
タイミング
もう日が暮れかかって、アパートの隣にある公園から聞こえていた子供の声も聞こえなくなった
そんな夕方に私は窓のそばで正座して、洗濯物を畳んでいた
1限から授業だった私の代わりに、昼からだったねるが干してくれた洗濯物
高校生の頃、私とねるは真反対の人間だった
いや、色んな意味で今も真反対なんだけど
決してお互い交わる事なく終わる、そう思っていたけど、徳山という男の死のおかげで今はこうして、昔よりねると多くの時間を過ごせている
「ただいま…あ、洗濯物畳んでくれとったんやね。ありがとぉ」
「おかえり、ご飯すぐできるよ」
「手洗ってくるね」
徳山が死んでから、私とねるの距離は縮まったのかな
本当のところ何も変わってない気がする
事件が解決してからも、私はねるのそばにいて、大学進学してお互い一人暮らしを始めた
みんなの前での告白もあれ以来返事もなかった
それは別によかったんだけど、なのにこうやって私の部屋に帰って来るのはどうしてだろうか
鈍感ではない私は期待して、確信に変えたがっている
「ねると?!」
「…うん、まぁ」
「まぁあんだけ熱烈な告白したら、ねるも気持ちが動かないわけないか」
「…??」
「はぁ…」
「まぁ虹花も気を落とすなって、な?」
「…理佐よかったね。ねるとお幸せにね」
「おっ!虹花もやっと吹っ切れたな?」
先日久しぶりに高校の頃の友達に今の現状を話すと勘違いしていた
やはり、そうなんだろうか
私は今、ねるの恋人なの?
「別に、ねると付き合ってないよ」
「え、」
「いやいや、それほぼ半同棲じゃん」
「私は返事貰ってないし、何にもしてない」
「キスとかエッチも?」
「ちょっと、ふーちゃん…」
私は少し首を縦に振った
「もうすぐ、大学も4年生になるし…あと1年で私ら社会人じゃん?関係をはっきりさせたいっていい口実になるんじゃない?」
ふーちゃんは私が考えて心の奥底に隠したこの言葉をいとも簡単に口に出した
別に社会人とか就活とか、正直どうでもいい
けど、ねるへの気持ちが消化不良なのは確かだった
「わぁ、理佐の肉じゃが美味しいそうやね。温めて早よ食べよ」
「うん」
私は今夜ねるに話そうと覚悟を決めた
ねるの返事がどんなものだろうと、きっと話してしまったらこの部屋の景色や、街の香り、私が感じる全てが変わってしまい違ってしまうだろう
それでもいい、そんな覚悟を決めた
「あはは」
テレビを見ながら、笑うねるを見て今言おう
もし今晩この部屋をねるが出て行く事になったら、夜が更ければ更けるほど離れがたくなってしまう
「ねる…私ね東京に就職しようと思うんだ」
「へ?」
ねるはテレビから視線を外し、目をまん丸にして私の顔を見た
可愛いな
緊張して手からは汗が止まらないのに、無条件にねるを愛してしまう
「ねるが行くなって言うなら…行かない」
「……」
「…ねる?」
ねるは驚いているのかめをぱちくりとさせるだけだった
そして、少し俯いて顔を上げた時ねるの目には薄い膜が張っていた
その薄い膜の様にこぼれ落ちそうで落ちない
私はそれに似ているねるの心が欲しい、と心で強く願った
「、理佐」
「ん?」
「ちゃんと…言ってくれんと分からんよ。なんでそんな回りくどい…言い方すると…」
「え、ねる…」
ねるの目からぽろぽろと綺麗な水玉が流れ落ちた
それらを拾うかの様にきめ細かい手が忙しなく動く
「、、あたしは…ねるが好き」
「…ありがと」
ねる返事はやはりあの時と一緒で…
「ねるも…理佐がすき…」
その言葉を聞いた私はすぐ腕の中にねるを閉じ込めて、もう離さないと誓った
「ねるはずっと待っとったの」
「…ずるい」
「なんで?」
「私に何も返事してくれてないじゃん」
「言ったよ?ありがとって」
「…やっぱ、ずるい」
.
そんな夕方に私は窓のそばで正座して、洗濯物を畳んでいた
1限から授業だった私の代わりに、昼からだったねるが干してくれた洗濯物
高校生の頃、私とねるは真反対の人間だった
いや、色んな意味で今も真反対なんだけど
決してお互い交わる事なく終わる、そう思っていたけど、徳山という男の死のおかげで今はこうして、昔よりねると多くの時間を過ごせている
「ただいま…あ、洗濯物畳んでくれとったんやね。ありがとぉ」
「おかえり、ご飯すぐできるよ」
「手洗ってくるね」
徳山が死んでから、私とねるの距離は縮まったのかな
本当のところ何も変わってない気がする
事件が解決してからも、私はねるのそばにいて、大学進学してお互い一人暮らしを始めた
みんなの前での告白もあれ以来返事もなかった
それは別によかったんだけど、なのにこうやって私の部屋に帰って来るのはどうしてだろうか
鈍感ではない私は期待して、確信に変えたがっている
「ねると?!」
「…うん、まぁ」
「まぁあんだけ熱烈な告白したら、ねるも気持ちが動かないわけないか」
「…??」
「はぁ…」
「まぁ虹花も気を落とすなって、な?」
「…理佐よかったね。ねるとお幸せにね」
「おっ!虹花もやっと吹っ切れたな?」
先日久しぶりに高校の頃の友達に今の現状を話すと勘違いしていた
やはり、そうなんだろうか
私は今、ねるの恋人なの?
「別に、ねると付き合ってないよ」
「え、」
「いやいや、それほぼ半同棲じゃん」
「私は返事貰ってないし、何にもしてない」
「キスとかエッチも?」
「ちょっと、ふーちゃん…」
私は少し首を縦に振った
「もうすぐ、大学も4年生になるし…あと1年で私ら社会人じゃん?関係をはっきりさせたいっていい口実になるんじゃない?」
ふーちゃんは私が考えて心の奥底に隠したこの言葉をいとも簡単に口に出した
別に社会人とか就活とか、正直どうでもいい
けど、ねるへの気持ちが消化不良なのは確かだった
「わぁ、理佐の肉じゃが美味しいそうやね。温めて早よ食べよ」
「うん」
私は今夜ねるに話そうと覚悟を決めた
ねるの返事がどんなものだろうと、きっと話してしまったらこの部屋の景色や、街の香り、私が感じる全てが変わってしまい違ってしまうだろう
それでもいい、そんな覚悟を決めた
「あはは」
テレビを見ながら、笑うねるを見て今言おう
もし今晩この部屋をねるが出て行く事になったら、夜が更ければ更けるほど離れがたくなってしまう
「ねる…私ね東京に就職しようと思うんだ」
「へ?」
ねるはテレビから視線を外し、目をまん丸にして私の顔を見た
可愛いな
緊張して手からは汗が止まらないのに、無条件にねるを愛してしまう
「ねるが行くなって言うなら…行かない」
「……」
「…ねる?」
ねるは驚いているのかめをぱちくりとさせるだけだった
そして、少し俯いて顔を上げた時ねるの目には薄い膜が張っていた
その薄い膜の様にこぼれ落ちそうで落ちない
私はそれに似ているねるの心が欲しい、と心で強く願った
「、理佐」
「ん?」
「ちゃんと…言ってくれんと分からんよ。なんでそんな回りくどい…言い方すると…」
「え、ねる…」
ねるの目からぽろぽろと綺麗な水玉が流れ落ちた
それらを拾うかの様にきめ細かい手が忙しなく動く
「、、あたしは…ねるが好き」
「…ありがと」
ねる返事はやはりあの時と一緒で…
「ねるも…理佐がすき…」
その言葉を聞いた私はすぐ腕の中にねるを閉じ込めて、もう離さないと誓った
「ねるはずっと待っとったの」
「…ずるい」
「なんで?」
「私に何も返事してくれてないじゃん」
「言ったよ?ありがとって」
「…やっぱ、ずるい」
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