8日目9日目。

■8月30日
フィレンツェ→アレッツォ→モンテルキ→サンセポルクロ→アッシジ

マニアックな都市ばかり廻ると思ったら、この日はピエロ・デッラ・フランチェスカ巡り。
こういう普通のツアーでは行けなさそうなとこに連れていってもらって、行ってよかったなと思う。

フィレンツェを早朝に出てアレッツォへ。
●サンタ・マリア・デッラ・ピエーヴェ教会
次のサン・フランチェスコ教会の予約まで時間があるからと連れていかれたロマネスク建築。
たまたま入ったら中にピエトロ・ロレンツェッティの作品があった。

●サン・フランチェスコ教会
ピエロ・デラ・フランチェスカ《聖十字架物語》。
聖十字架物語自体が珍しい主題。面白い。
アダムの口に樹を植えて、それが最終的に聖材となる的な内容。
ピエロのコの字型の空間にまず圧倒される。
聖材の運搬の場面では木目がやたらときれいに描かれてた。
フレスコの剥落が結構あった。
あと、別作品で作者不明だが、教会内にある受胎告知の絵では、ガブリエルが百合を持っておらず、シモーネ・マルティーニの受胎告知のように百合らしきものを花瓶に入れてたのが印象的だった。
よくある表現なのかしら。

●ドォーモ
ゴシック教会。
ステンドグラスが美しい。
自由行動でたまたま行っただけだが、ピエロの《マグダラのマリア》があった。
でも香油壺がステンレス製にしか見えなかった。


そしてモンテルキへ移動。
●出産の聖母美術館
ピエロ《出産の聖母》
ピエロから有元利夫が影響を受けたという話に納得。
有元利夫作品の明るいとも暗いともいいがたいあの雰囲気に似た雰囲気がすごく。
人物が何考えてるかわからないというか。
存在が先行しているというか。


モンテルキは小さな町でここ以外見るところはなく、そのままサンセポルクロへ。
●市立博物館
ピエロ《ミゼリコルディアの聖母》
親しみやすい顔してる。
すがる対象となってるからか。
背景は中世的な金箔。
ピエロ《キリストの復活》
対角線構図だとか禿山と茂みが対比されていると解説されたが、そういわれてもあんまりよくわからない。
言われてみれば、ああそうかもねとは思ったが。

余談だが、サンセポルクロは空がピエロの描く空にそっくりだった。


一通りピエロ作品を見終え、巡礼の町アッシジへ。
個人的にはすごく好ましく思った町。
中世都市でいい雰囲気だし、巡礼者ばかりだからか穏やか。
サン・フランチェスコ教会はふらっと散歩しただけで、翌日また行く。



■9月1日
アッシジ→ローマ

午前中はアッシジ。
アッシジが今まで行ってきた町で一番好きだ。
人は親切だし、ホテルの食事は家庭的な味だし。
旅の疲れをこの都市で回復したような。

●サン・フランチェスコ聖堂
ジョット、シモーネ・マルティーニ、チマブーエ、ピエトロ・ロレンツェッティと中世後半の大御所勢揃い。
どの作品がどうだとかより、まず何より空間がすごい。
ステンドグラスが美しすぎる。
主題は何かとかどうでもよくなるくらい美しい。
天井から壁までフレスコ画で覆われて、荘厳な雰囲気。

ただ、結構剥落は多い。
国際ゴシックの時代からあるのだから当然だろうけど。
ジョットの《小鳥に説教する聖フランチェスコ》《聖痕を受ける聖フランチェスコ》が見れて良かった。


余談だが、サン・フランチェスコ聖堂内のお土産屋さんが充実していた。
フレグランスを購入。
イタリア語はわからないので何の香りかはよくわからないです。
にしてもイタリアでフレグランスを購入するの3つ目とか…。


アッシジからバスに乗り込みローマへ。
ローマではとりあえず的に市内観光。
トレビの泉だとか真実の口だとかを体験。
先生は退屈そうでしたが、いわく
「せっかくイタリアに来たわけだし、たぶん皆初めてだろうし、観光名所は行かせてやろうと思った」
だとか。

この日は美術っぽいものを鑑賞することがなく、せいぜいバスからベルニーニやボロミーニの彫刻を眺める程度。
脳みそを休憩させました。

ホテルに着いてから希望者だけでローマに初めてできたといわれる教会へ。

●サン・ジョヴァンニ教会
ジョットとかが描いてる聖フランチェスコ伝の《コンスタンティヌスの夢》に出てくる教会。
バロック彫刻が素晴らしすぎて身震いする。
バロックの劇的な雰囲気が大好きなんです。




ローマがイタリア旅行最後の都市。
せっかくなので、今までの町を比較。

ヴェネチア
陽気な人が多くて、原色系の色をよく見た。
下町っぽいかもしれない。

フィレンツェ
ルネサンス色が強くて、古いものが大好きで、いるのは観光客ばっかり。
芸術の都という意味では古都。

アッシジ
宗教色が強くて控えめな町。田舎だし。
修道僧ってマジでああいう服を着てんのかと思った。

ローマ
教科書で見たようなとこが山ほどある。
巨大な彫刻や噴水が広場の真ん中にある。
その広場も路地を抜けると急に出てきたりするマニエリスム的な都市計画。

ヴェローナはゆっくりできなかったので省略。
ジュリエットのイメージしか…。