間が空いてしまいました。
明日から2泊3日のゼミ合宿で、その準備で死んでました。
明日から軽井沢です。たぶん寒い。
今年の夏休みはいいとこ行ってるな、私。
軽井沢にある美術館2つくらいに行ってきます。
どこだかちゃんと把握してませんが、ていうかそんな暇もありませんでしたが、滅多に行けるとこじゃないので楽しみ。
というわけで続き。
3日目から。
■8月25日ヴェネチア
起きたら前日洗濯したものが乾いてなくてがっかり。
日本より湿度が低いから大丈夫かと思ったけど、水の都はそれなりに湿度があるよう。
この日はビエンナーレとアカデミア美術館。
そういえばビエンナーレの前に、前日閉まっていたスキアヴォーニ信者会にも。
ヴェネチアはずっと全力投球で体力的につらかった。
スキアヴォーニ信者会ではカルパッチョの聖ヒエロニムスの生涯を見る。
聖ヒエロニムスは荒野のエピソードしか知らず、自分の無知にげっそり。
最近美術史から離れ気味だし、余計に。
それからビエンナーレへ。
ビエンナーレはひたすら歩いた。
大型国際展は一気に見ると情報過多になるとは思ったけど、本当に途中で脳が追い付かなくなった。
まずはジャルディーニ会場から。
ジャルディーニは各国のパビリオンが並んでいて、見応えがある。
日本パビリオンは束芋。
つまり映像インスタレーション。
先生いわく、時間がなかったらしいが、それにしてはかなりよくできてる。
ビエンナーレ会場内唯一の日本語資料である日本パビリオン展覧会資料によると、展覧会タイトルは「てれこスープ」らしい。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の高さを知る」がキーワード。
井の中の蛙の住む世界は本当に狭いのか、という問い掛けから発している。
展示室内は鏡とスクリーンで覆われ、スクリーンには現代日本を思わせるアニメーション。
展示室下に広がるピロティ部分が井戸の深さであり、空までの高さでもある。
井の中=展示室=現代日本
ピロティから広がる外の世界=各国パビリオンの並ぶビエンナーレ会場=世界の縮図
この構図が秀逸。
気付いたときに鳥肌。
日本パビリオン以外では、韓国が暴力がテーマだったのかなぁとわかりやすさ的に好きだった。
解説や資料が外国語ばかりで、わかりやすい作品ばかり目につくのは仕方ない。
関係ないけど、近い国だからか、そのパビリオン内では自分がよそ者である感覚が薄くてなんとなく安心したり。
あとスイス。
ジャンクアートの典型のようなトーマス・ヒルシュホルンのインスタで覆われてた。
初めて知る作家だが、これだけチープな素材で覆われた空間というのも不思議な気分だった。
報道された事実がどんどんリアリティをなくして薄っぺらくなっていくような、そんなことを伝えたいのか。
英語版の資料を読む気にはなれない。
先生いわく、「これを絶賛する傾向がよくわからない」とのこと。
確かに。
あとオーストリアの展示方法が気になった。
普通展示室の壁というのは、下から生えていて(変な表現だが他の表現が思いつかない)隙間があるとしたら上。
だけどオーストリアパビリオンでは壁が上から生えていて、足元50センチくらいが空いていたのが面白かった。
それで作られた迷路のような空間に、奇妙な絵が飾られていた。
ギリシアパビリオンは、なんていうか突き抜けてた。
水の貼られた空間に、通り抜け可能な1つの通路。
正面に縦長のライト。
それだけ。
高尚さを表現したのか、何を考えて作られたのか、なんなのか。
今回最も解説がほしかったパビリオン。
ジャルディーニのメインのパビリオンに入る頃には記憶が曖昧に。
デジカメのデータを見ると、面白い空間構成の部屋が多かったようだが、それに気付いたのはデータを見てから。
アルセナーレ会場へ。
かなり記憶も曖昧に。
蝋で作られた彫刻、おそらく人体など、が面白かった。
火が付けられていて、上の方からドロドロになっていた。
あとエレベータみたいな作品。
エレベータのような空間に、窓のようなスクリーン。
スクリーンの映像が下に流れていくと、エレベータに乗っているような感覚になるという単純なものだったけど、人間の視覚がいかに知覚を支配しているかを感じた。
ビエンナーレ全体で思ったのは、これだけ大型の展覧会で、映像を使われると観者は見る気が失せるということ。
映像インスタならまぁ長さによるがそれなりに見る。
しかし前編見なければ内容がわからないような映像作品だと、とてもじゃないが見れない。
ビエンナーレの始まった100年前は映像作品はほぼなかっただろうが、これだけ映像がメジャーな表現手法になった現在、映像作品の多いこと多いこと。
課題だと思う。
さて、情報過多で集中力も切れていたが、なんとかアカデミア美術館へ。
ヴェネチア派絵画を堪能。
現代美術とは真逆である作品群に、頭も少しずつ冴えてくる。
ティントレットがすごく美しい色使いだったのが印象的。
あと、ティエポロがロココかよってくらいにふわふわの天使を沢山描いていた。
確か聖母被昇天。
ジョルジョーネの老婆の絵を生で見れて興奮。
土産物屋をちょいちょい見ながらホテルに帰る。
この日は泥のように眠った。
長いので切ります。