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イタリア13日間E

いつの話だよって感じですよね。
筆不精すぎてもう…。

というわけで10日目から最後まで。
実質12、13日目は帰るだけなので。



■9月1日 ローマ

午前バチカン市立博物館、午後ボルゲーゼという1日。
大規模美術館を2館回るのはきっつかった。

●バチカン
バチカンは国だとかそんなこと言われましてもというのが正直な感想。
島国住まいな私には国のなかに国ができるのもすごく不自然に感じるし。
行ったらわかるかなと思えど、行ったら余計わからなかった。

そもそも何事もでかいのですよ。
そりゃプロテスタントとか起こるわみたいな。
だから何がどこまでバチカン市立博物館だったのかよくわかっておりません。
なのでバチカンでひとくくり。
システィーナ礼拝堂はバチカン市立博物館内だったの…?

システィーナ礼拝堂は見てて首が痛くなった。
見ていて首が痛くなるのだから、ミケランジェロの苦労なんかもっとだろう。

あとはレオナルドの《聖ヒエロニムス》が素晴らしい。
浅学ながら私の知るかぎりの聖ヒエロニムス主題の絵画作品のなかで、最も格好いいと思う。

彫刻はラインナップが美術史の教科書でしかない。
《ベルベデーレのアポロン》、《ラオコーン》、ミケランジェロ《ピエタ》。
《ラオコーン》格好よかったなぁ…。
《ピエタ》は美しかった。
なめらかな肌の感じとか。

教会がひたすらに大きくて体力を持ってかれた。

●ボルゲーゼ美術館
ベルニーニとカノーヴァに全部持ってかれた。

ベルニーニ《アポロンとダフネ》
美しすぎる。
石で出来ているとは考えがたいほど柔らかい人体の皮膚。
細かすぎる月桂樹の枝。
あれ別の場所に展示しようとしたら破損するだろうなぁ。

ベルニーニ《ハデスとペルセポネ》
ペルセポネの皮膚に食い込むハデスの指。
ハデスの髪が引っ張られることによる皮膚の引きつり。
人が行為の途中でそのまま石になったかのよう。

カノーヴァ《パオリーナ・ボルゲーゼの肖像》
ベッドのふかふかさが石だとは思えない。
シーツが柔らか。
横たわる人体よりシーツが美しく感じた。


その後、一旦ホテルに帰って休憩して、教会巡り。
カラヴァッジオの《ロレートの聖母》《聖ペテロの殉教》《聖パウロの改宗》を見た。
《ロレートの聖母》が好きだった。



■9月2日 ローマ

一日中自由行動の日。
最終日でもあるので土産物なども見つつで、美術館あまり回らなかったです。

●バルベリーニ美術館
18世紀以降のイタリアでは、あまり美術は栄えないんだなぁと。
バロック以降知る画家なし。
ただ、どれも明るい色彩だった印象がする。

カラヴァッジオが好きだなぁ。
《ナルキッソス》とか、本当に美少年だし、絵画そのものも美しいし。


●サンタ・マリア・デッラ・ヴットーリア教会
ベルニーニ《聖テレサの法悦》
ひたすらに美しかった。
もちろん写真でも美しいんだけど、やっぱりその場との調和というものも作品を美しく見せるものなのだなぁと。

これがあまりにも見たくて、ここに行かせてくれとローマ自由行動の予定を立てるときに真っ先に友人に頼んだ。
感激も一入。


メモを見ながらこの記事を書いているのですが、この日はこれしか回ってないようです。
何してたんだっけ?
あ、そうか、迷子になったりしてたのか。


そんなわけで、9月3日にローマ発、9月4日に成田着でした。
防備録どころか忘れつつあるのを思い出しつつという有様。

おそまつさまでした。

イタリア13日間D

8日目9日目。

■8月30日
フィレンツェ→アレッツォ→モンテルキ→サンセポルクロ→アッシジ

マニアックな都市ばかり廻ると思ったら、この日はピエロ・デッラ・フランチェスカ巡り。
こういう普通のツアーでは行けなさそうなとこに連れていってもらって、行ってよかったなと思う。

フィレンツェを早朝に出てアレッツォへ。
●サンタ・マリア・デッラ・ピエーヴェ教会
次のサン・フランチェスコ教会の予約まで時間があるからと連れていかれたロマネスク建築。
たまたま入ったら中にピエトロ・ロレンツェッティの作品があった。

●サン・フランチェスコ教会
ピエロ・デラ・フランチェスカ《聖十字架物語》。
聖十字架物語自体が珍しい主題。面白い。
アダムの口に樹を植えて、それが最終的に聖材となる的な内容。
ピエロのコの字型の空間にまず圧倒される。
聖材の運搬の場面では木目がやたらときれいに描かれてた。
フレスコの剥落が結構あった。
あと、別作品で作者不明だが、教会内にある受胎告知の絵では、ガブリエルが百合を持っておらず、シモーネ・マルティーニの受胎告知のように百合らしきものを花瓶に入れてたのが印象的だった。
よくある表現なのかしら。

●ドォーモ
ゴシック教会。
ステンドグラスが美しい。
自由行動でたまたま行っただけだが、ピエロの《マグダラのマリア》があった。
でも香油壺がステンレス製にしか見えなかった。


そしてモンテルキへ移動。
●出産の聖母美術館
ピエロ《出産の聖母》
ピエロから有元利夫が影響を受けたという話に納得。
有元利夫作品の明るいとも暗いともいいがたいあの雰囲気に似た雰囲気がすごく。
人物が何考えてるかわからないというか。
存在が先行しているというか。


モンテルキは小さな町でここ以外見るところはなく、そのままサンセポルクロへ。
●市立博物館
ピエロ《ミゼリコルディアの聖母》
親しみやすい顔してる。
すがる対象となってるからか。
背景は中世的な金箔。
ピエロ《キリストの復活》
対角線構図だとか禿山と茂みが対比されていると解説されたが、そういわれてもあんまりよくわからない。
言われてみれば、ああそうかもねとは思ったが。

余談だが、サンセポルクロは空がピエロの描く空にそっくりだった。


一通りピエロ作品を見終え、巡礼の町アッシジへ。
個人的にはすごく好ましく思った町。
中世都市でいい雰囲気だし、巡礼者ばかりだからか穏やか。
サン・フランチェスコ教会はふらっと散歩しただけで、翌日また行く。



■9月1日
アッシジ→ローマ

午前中はアッシジ。
アッシジが今まで行ってきた町で一番好きだ。
人は親切だし、ホテルの食事は家庭的な味だし。
旅の疲れをこの都市で回復したような。

●サン・フランチェスコ聖堂
ジョット、シモーネ・マルティーニ、チマブーエ、ピエトロ・ロレンツェッティと中世後半の大御所勢揃い。
どの作品がどうだとかより、まず何より空間がすごい。
ステンドグラスが美しすぎる。
主題は何かとかどうでもよくなるくらい美しい。
天井から壁までフレスコ画で覆われて、荘厳な雰囲気。

ただ、結構剥落は多い。
国際ゴシックの時代からあるのだから当然だろうけど。
ジョットの《小鳥に説教する聖フランチェスコ》《聖痕を受ける聖フランチェスコ》が見れて良かった。


余談だが、サン・フランチェスコ聖堂内のお土産屋さんが充実していた。
フレグランスを購入。
イタリア語はわからないので何の香りかはよくわからないです。
にしてもイタリアでフレグランスを購入するの3つ目とか…。


アッシジからバスに乗り込みローマへ。
ローマではとりあえず的に市内観光。
トレビの泉だとか真実の口だとかを体験。
先生は退屈そうでしたが、いわく
「せっかくイタリアに来たわけだし、たぶん皆初めてだろうし、観光名所は行かせてやろうと思った」
だとか。

この日は美術っぽいものを鑑賞することがなく、せいぜいバスからベルニーニやボロミーニの彫刻を眺める程度。
脳みそを休憩させました。

ホテルに着いてから希望者だけでローマに初めてできたといわれる教会へ。

●サン・ジョヴァンニ教会
ジョットとかが描いてる聖フランチェスコ伝の《コンスタンティヌスの夢》に出てくる教会。
バロック彫刻が素晴らしすぎて身震いする。
バロックの劇的な雰囲気が大好きなんです。




ローマがイタリア旅行最後の都市。
せっかくなので、今までの町を比較。

ヴェネチア
陽気な人が多くて、原色系の色をよく見た。
下町っぽいかもしれない。

フィレンツェ
ルネサンス色が強くて、古いものが大好きで、いるのは観光客ばっかり。
芸術の都という意味では古都。

アッシジ
宗教色が強くて控えめな町。田舎だし。
修道僧ってマジでああいう服を着てんのかと思った。

ローマ
教科書で見たようなとこが山ほどある。
巨大な彫刻や噴水が広場の真ん中にある。
その広場も路地を抜けると急に出てきたりするマニエリスム的な都市計画。

ヴェローナはゆっくりできなかったので省略。
ジュリエットのイメージしか…。

イタリア13日間C

6日目から7日目!

■8月28日フィレンツェ
この日からフィレンツェ。
ルネサンスの聖地という響きだけでテンションがあがる。

ヴェネチアの教訓を生かして、無理に回らないことにする。
体調も万全ではなさそうだし。
そういえばフィレンツェはヴェネチアより乾燥してるらしく、洗濯物の乾きが早くて嬉しい。
夜はマスクがないときついけど。


フィレンツェは登録しているガイドさん以外がガイドをしてはいけないらしく、日本人のガイドさんが街中を軽く案内してくれた。
その後ウフィツィへ。

●ウフィツィ美術館
ガイドさんと有名所をざっと回る。
主要作品だけでお腹いっぱいという感じ。
ヴェロッキオの《キリストの洗礼》を見れて、嬉しくて泣きそうになった。
レオナルドのデビュー作。
高校生のとき憧れのレオナルドの《受胎告知》が上野に来たとき楽しみにしていたのに、ゆっくり見れなかったため、すごく嬉しかった。
当時はレオナルドを神格化していたきらいがあるので特に…。
あとはカラヴァッジオの《バッカス》の酒の描写がすばらしかった。

●アカデミア美術館
ミケランジェロのダビデが、本当に格好いい。
当たり前ながら、うまい。
美術史の教科書に乗るのも納得。
企画展でやってたLonenzo Bartoliniなる人の彫刻展がよかった。
女性の身体のラインが美しかった。

●サン・マルコ修道院
フラ・アンジェリコの《受胎告知》があると聞いて。
階段あがると目に入る《受胎告知》が素晴らしく見える。

■8月29日フィレンツェ
1日中自由行動の日。

ピノキオの版元の人が創設した本屋を少し覗く。
ピノキオの本とかのグッズがしこたまあった。

●ピッティ宮殿
来るつもりはなかったのだけど、気付いたらピッティ宮の裏に出てた。
外観だけ。
蛙と人間の合いの子みたいな現代彫刻が置いてあって、なんとなく可愛かった。

●サント・スピリト
フィリッピーノ・リッピが見たくて行ったのだけど、残念ながら貸し出し中。
でもミケランジェロの18歳の木彫が置いてあって、無駄足にはならず。
世紀ルネサンスの巨匠ミケランジェロというレッテルのまま見るとだいぶ未熟であると感じた。
彼ならもう少しきれいに作れそうなものを。
しかしパンフレットは早熟な才能云々と褒めちぎっていた。

●サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
マザッチオ《聖三位一体》を見に。
遠近法の時代の作品だなぁって感じ。
しかし色が意外と薄い。

●バルジェロ美術館
ドナテッロ《ダビデ》がすごく女性っぽい。
あれでゴリアテ倒したとしたらやっぱり神話でしかないというか。
ギベルティとブルネレスキの《イサクの犠牲》が比較するかのように並んでいた。
ギベルティのがうまい。
確か勝ったのはブルネレスキ。
やたらとメルクリウスの彫刻ばかりある展示室があったのだけど、メルクリウスはどうしてやたらと楽しそうに表象されるだろうか。
ミケランジェロ《バッコス》が美しいのだけど、よく見るとパンが葡萄をむさぼってる。可愛くない。


他にももう少し回れそうな時間だけど、旅行日程ちょうど真ん中のこの日は、疲れが溜まりはじめてるため早々とホテルへ帰った。
ちょっと勿体ない気もしたけど、後半で体調崩したくないから仕方ない。

イタリア13日間B

だーいぶ間が空いてしまったけど4日目から。

■8月26日
ヴェネチア→パドヴァ→ヴィツェンツァ→ヴェローナ

この日は全員で見学の日。
朝ヴェネチアをバスで発ち、パドヴァへ。

●スクロヴェーニ礼拝堂
言わずとも、ジョットの《最後の審判》やら《ユダの接吻》やらの壁画を見に。
個人礼拝堂なだけあり、ものすごく保存状態がよかった。
キリストの死に涙する弟子の涙までよく見える。
しかし礼拝堂内すべてジョットの壁画だというのによくこんな細かく描いたものだ。
しかしその保存状態を保つために鑑賞できるのは15分。
足りない。
《最後の審判》は地獄の描写が可愛らしかった。
キャラものっぽい。

その横にあった博物館らしき建物でジョットの《キリストの磔刑》も見た。
国際ゴシック最後ともルネサンスの最初とも言われるジョット。
どっちとも言い難いというか、どっちとも言える。

●エレミターニ教会
マンテーニャのフレスコを見た。
戦争の爆撃によって剥落が多い。むしろほとんど剥がれてる。
剥落部分をまじまじ見て、フレスコって本当に石灰になるんだって思った。

●サンタントニオ信者会
サンタントニオ教会はミサ中でドナテロの祭壇彫刻は見れず。
その横のサンタントニオ信者会に入る。
ティツィアーノはやっぱり色使いが綺麗。
この教会のある広場には、ドナテロの《コッレオーニ騎馬像》。


その後ヴィツェンツァへ。
建築家パラーディオの都市だといわれる。

●オリンピコ劇場
パラーディオの設計。
ものすごい遠近法の舞台。
作り込まれた舞台装置。
昔演劇をかじっていた身として思ったのは、こんな作り込まれた舞台じゃ出来る芝居が限られるなと。

●市立博物館
ヴェネチア派ばかりのコレクションの中、何故か1枚メムリンクの作品があって、1枚だけ北方で浮いてた。
ティエポロ《聖母被昇天》の天使が可愛くて、ティエポロのは癒し系の絵だと思った。


またバスで移動し、ヴェローナへ。
ホテル到着後、希望者だけアリーナでオペラ鑑賞。
野外オペラって安い席だと安い。
確か30ユーロとかだった気がする。

演目はプッチーニ《ラ・ボエーム》
見た感想として野外向きのオペラじゃない。
2幕は派手にできるけど、他は派手な演出とかしようがない場面だし、3、4幕にいたってはひたすら暗いし。
後半は舞台を持て余してた。
一番派手な2幕はカフェのシーンで、風船飛ばしたり紙吹雪きばらまいたり、火を吹かせたり。
野外じゃなきゃ出来なさそうな演出が沢山。

あと印象的だったのは、4幕の最後で雨が降ってきてしまって、楽器隊が早々と帰っていったこと。
ヴァイオリンとか濡れちゃだめだもんなぁ。
雨が降ったり止んだりで、止むとまた始まる。
ミミの死ぬ場面で焦らされて、なかなかミミが事切れない。
だったらもうそのまま生きてりゃ良いじゃんって、夜遅いし疲れて眠たいせいかそんなことを思った。

ホテル到着が夜中で、体調に危機感を覚える。


■8月27日
ヴェローナ→マントヴァ→フィレンツェ

この日は前日同様、団体行動の日。
先生いわくマンテーニャデーだと。
体調が思わしくないため、バス移動が嬉しかった。

まずはヴェローナ観光。
前日オペラを見たアリーナを外から眺めてから、ジュリエットの墓と、ジュリエットの家をまわる。
ジュリエットの家にあるバルコニーが可愛い。

その後、教会へ。

●サン・ゼノ教会
ミサ中で祭壇画は見れず。
でも回廊が綺麗だった。


バスでマントヴァへ移動。

●ドゥ・カーレ宮殿
すごく壮大な宮殿。
宮殿ていうかもはや美術館。
壮大すぎて早足で見たのに2時間かかって、集合時間に遅れそうだった。
マンテーニャの天井画にたどり着くのにすごく迷った。
美術史の授業で見たままの作品で、もはや
「あ、本物だ」
という印象。
その前が大変だったからこそ絵云々よりもはやたどり着いたことが重要となってしまった。

●テ・キューレ宮殿
外観だけ。
先生的に見たかっただけか。

移動してフィレンツェへ。
ダビデ像の模像のある広場(名前忘れた)について記念撮影、のちホテルへ。
体調は回復せず。

イタリア13日間A

間が空いてしまいました。

明日から2泊3日のゼミ合宿で、その準備で死んでました。
明日から軽井沢です。たぶん寒い。
今年の夏休みはいいとこ行ってるな、私。
軽井沢にある美術館2つくらいに行ってきます。
どこだかちゃんと把握してませんが、ていうかそんな暇もありませんでしたが、滅多に行けるとこじゃないので楽しみ。

というわけで続き。
3日目から。


■8月25日ヴェネチア

起きたら前日洗濯したものが乾いてなくてがっかり。
日本より湿度が低いから大丈夫かと思ったけど、水の都はそれなりに湿度があるよう。

この日はビエンナーレとアカデミア美術館。
そういえばビエンナーレの前に、前日閉まっていたスキアヴォーニ信者会にも。
ヴェネチアはずっと全力投球で体力的につらかった。

スキアヴォーニ信者会ではカルパッチョの聖ヒエロニムスの生涯を見る。
聖ヒエロニムスは荒野のエピソードしか知らず、自分の無知にげっそり。
最近美術史から離れ気味だし、余計に。

それからビエンナーレへ。
ビエンナーレはひたすら歩いた。
大型国際展は一気に見ると情報過多になるとは思ったけど、本当に途中で脳が追い付かなくなった。

まずはジャルディーニ会場から。
ジャルディーニは各国のパビリオンが並んでいて、見応えがある。

日本パビリオンは束芋。
つまり映像インスタレーション。
先生いわく、時間がなかったらしいが、それにしてはかなりよくできてる。

ビエンナーレ会場内唯一の日本語資料である日本パビリオン展覧会資料によると、展覧会タイトルは「てれこスープ」らしい。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の高さを知る」がキーワード。
井の中の蛙の住む世界は本当に狭いのか、という問い掛けから発している。
展示室内は鏡とスクリーンで覆われ、スクリーンには現代日本を思わせるアニメーション。
展示室下に広がるピロティ部分が井戸の深さであり、空までの高さでもある。

井の中=展示室=現代日本
ピロティから広がる外の世界=各国パビリオンの並ぶビエンナーレ会場=世界の縮図

この構図が秀逸。
気付いたときに鳥肌。

日本パビリオン以外では、韓国が暴力がテーマだったのかなぁとわかりやすさ的に好きだった。
解説や資料が外国語ばかりで、わかりやすい作品ばかり目につくのは仕方ない。
関係ないけど、近い国だからか、そのパビリオン内では自分がよそ者である感覚が薄くてなんとなく安心したり。

あとスイス。
ジャンクアートの典型のようなトーマス・ヒルシュホルンのインスタで覆われてた。
初めて知る作家だが、これだけチープな素材で覆われた空間というのも不思議な気分だった。
報道された事実がどんどんリアリティをなくして薄っぺらくなっていくような、そんなことを伝えたいのか。
英語版の資料を読む気にはなれない。
先生いわく、「これを絶賛する傾向がよくわからない」とのこと。
確かに。

あとオーストリアの展示方法が気になった。
普通展示室の壁というのは、下から生えていて(変な表現だが他の表現が思いつかない)隙間があるとしたら上。
だけどオーストリアパビリオンでは壁が上から生えていて、足元50センチくらいが空いていたのが面白かった。
それで作られた迷路のような空間に、奇妙な絵が飾られていた。

ギリシアパビリオンは、なんていうか突き抜けてた。
水の貼られた空間に、通り抜け可能な1つの通路。
正面に縦長のライト。
それだけ。
高尚さを表現したのか、何を考えて作られたのか、なんなのか。
今回最も解説がほしかったパビリオン。

ジャルディーニのメインのパビリオンに入る頃には記憶が曖昧に。
デジカメのデータを見ると、面白い空間構成の部屋が多かったようだが、それに気付いたのはデータを見てから。

アルセナーレ会場へ。
かなり記憶も曖昧に。

蝋で作られた彫刻、おそらく人体など、が面白かった。
火が付けられていて、上の方からドロドロになっていた。

あとエレベータみたいな作品。
エレベータのような空間に、窓のようなスクリーン。
スクリーンの映像が下に流れていくと、エレベータに乗っているような感覚になるという単純なものだったけど、人間の視覚がいかに知覚を支配しているかを感じた。

ビエンナーレ全体で思ったのは、これだけ大型の展覧会で、映像を使われると観者は見る気が失せるということ。
映像インスタならまぁ長さによるがそれなりに見る。
しかし前編見なければ内容がわからないような映像作品だと、とてもじゃないが見れない。
ビエンナーレの始まった100年前は映像作品はほぼなかっただろうが、これだけ映像がメジャーな表現手法になった現在、映像作品の多いこと多いこと。
課題だと思う。

さて、情報過多で集中力も切れていたが、なんとかアカデミア美術館へ。
ヴェネチア派絵画を堪能。
現代美術とは真逆である作品群に、頭も少しずつ冴えてくる。
ティントレットがすごく美しい色使いだったのが印象的。
あと、ティエポロがロココかよってくらいにふわふわの天使を沢山描いていた。
確か聖母被昇天。
ジョルジョーネの老婆の絵を生で見れて興奮。

土産物屋をちょいちょい見ながらホテルに帰る。
この日は泥のように眠った。



長いので切ります。
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プロフィール
Sさんのプロフィール
性 別 女性
年 齢 34
地 域 神奈川県
職 業 フリーター